2009年01月01日

あけましておめでとうございます

旧年中は、当ブログをごひいき頂きどうもありがとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いします。
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2008年12月29日

「身土不二」を題材にしたTOSSの食育教材がダメダメな件について

今日疑似科学系のはてブをつらつらと眺めていたら、こんなものを見かけて思わず噴き出した。

身土不二 65歳のときに健康か
TOSS系の教材で食育を題材にしているという、通にはこれだけですぐピンと来る地雷だ。
早速読みにいってみたら、これが予想以上のトンデモ教材だった。

おそらく信頼性の低い本やWebの記述を、ろくに検証もせずに使っているのだろう。
文章中に出てくるキーワードを元に軽く調べてみただけでも、TOSS系のサイトで同様のトンデモ記述を行っているサイトが他に二件、それ以外のWebサイトでも何件かヒットした。
「大腸がん」を防ぐためのポイント3
タヒチ・トンガ◆タヒチ・トンガの食生活◆
教師がこの程度のトンデモに易々と引っかかるようでは困るので、ちょっと取り上げておくことにする。
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2008年12月11日

ネアンデルタール人のゲノムがもうすぐ公開されます

最近バイオ分野では、ネアンデルタール人のゲノム解読に関するニュースが続いています。
例えばこんなのとか。

First Neanderthal genome completed - life - 07 August 2008 - New Scientist
 ネアンデルタール人のミトコンドリアゲノム解読
First Europeans shunned Neanderthal sex - life - 16 July 2008 - New Scientist
 クロマニヨン人のゲノム調査の結果、ネアンデルタール人との混血の痕跡は認められなかったというニュース。
Did we out-breed slow-maturing Neanderthals? - life - 08 September 2008 - New Scientist
 ネアンデルタール人は頭が大きいため難産だったらしい。
Did Neanderthal cells cook as the climate warmed? - life - 27 November 2008 - New Scientist
 ネアンデルタール人は暑さに弱く、氷河期後の急激な地球温暖化に絶えられなかったのが絶滅の原因ではないかという仮説。
PHOTO IN THE NEWS: DNA-Based Neanderthal Face Unveiled
DNAに基づいて作成されたネアンデルタール人の顔
Neanderthal genome already giving up its secrets - life - 09 December 2008 - New Scientist
 既にネアンデルタール人のゲノム解読は半分を超えており、今年中にドラフトゲノムが完成するだろうという記事


何年か前にクロアチアで発見された化石人骨は保存状態がよく、ゲノムDNAの抽出が可能でした。
勿論数万年のときを経てゲノムは大分分解していますし、バクテリアや発掘者のゲノムによる汚染もあるため、ゲノムの解読は容易なことではありません。
しかしそれでも部分的に判明したゲノムからだけでも多くの情報を読み取ることが出来ており、上に上げたような様々な研究成果が出されています。
現在急ピッチでネアンデルタール人のゲノム解読が進んでおり、次々に新しい知見が得られているからです。

中でも重要なのが、現代人との交雑の可能性がほぼ完全に消えたこと。
これまで両者の関係性については結構好き勝手なことがいわれていたのですが、ゲノムレベルでネアンデルタール人と現生人類を比較してみても、両者の間に交雑の痕跡は認められませんでした。
もしヨーロッパ人の先祖がネアンデルタール人と交配していれば、多少なりとも遺伝子にその痕跡が残るはずなのですが、そういったものはまるで見られなかったのです。

ネアンデルタール人の遺伝子に関する与太論文ってのは結構存在していて、以前もちょっとだけ触れましたが「欧米人は脳の進化の鍵となる脳容積を増やす遺伝子変異をネアンデルタール人から受け継いだ」という感じの内容の、失笑ものの論文がPNASに載っちゃってたりします。
ぶっちゃけ遺伝学でトッピングした白人至上主義の亜流に過ぎませんが。
Evidence that the adaptive allele of the brain size gene microcephalin introgressed into Homo sapiens from an archaic Homo lineage — PNAS

そのうちゲノム解読されたら大恥かくぞと生暖かい目で見てたんですが、案の定。
Nor do Neanderthals boast mutations in a gene called microcephalin, linked to bulging brains in humans. This might shoot down another controversial hypothesis contending that this version of microcephalin also evolved in Neanderthals then spread to humans through inbreeding.

あーあ、ご愁傷様w


まあこういうトンデモネタはともかく、ネアンデルタール人のゲノムの完全解読が済めば、人類の進化の道のりについて、さらに多くの情報が得られることでしょう。
ドラフト配列が決定されて現生人類との詳細な比較結果が発表されるのが楽しみです。


おまけ
ニュース - 古代の世界 - ネアンデルタール人と現生人類の交配はなかった - ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト
 ミトコンドリアゲノム解読の日本語記事。結構分かりやすい解説がついているので、手っ取り早く知りたい人はこれをどうぞ。
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2008年11月17日

藤田センセのトンデモ血液型本が素敵すぎる件

数ヶ月前にこんな記事を書いた。
幻影随想: カイチュウ博士こと藤田紘一郎センセが、水商売だけでなく血液型健康商売に手を広げたようだ

カイチュウ博士でおなじみの藤田センセが、血液型健康商売に手を出してZAKZAKに与太記事を書いていたのを取り上げたものなんだが、その関連でちょっと気になることがあった。
関連情報を色々集めていて分かったんだが、藤田センセは大体2000年あたりを境に、こうした「水商売」やら「血液型商売」やらに手を染めるようになったようだ。
Amazonで著書を調べていたら、2000年あたりを境に急激にアレげな本が増えている。
今年の九月には「血液型の暗号(仮)」とかいういかにもそれっぽいタイトルの本が出版されるようなので、要注意だな。

タイトルからしていかにもアレゲで、買うかどうか迷っていたんだが、
どうやらこっちの予想をはるかに超えるレベルで斜め上にぶっ飛んだ内容の本だったようだ。
やさしいバイオテクノロジー」のyoshiさんがレビューを書いておられたので紹介してみる。

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2008年11月16日

合成生物学の国際コンペ iGEM2008 についてちょっと取り上げてみる

先日NationalGeographicでiGEM2008のニュースを取り上げていた。
New Biological "Machines" Fight Disease, Produce Power

残念ながら国内のメディアはまるで取り上げる気配がないのだが、
このコンテストは合成生物学分野の国際コンペとして、今後確実に大きなプレゼンスを持つことになる。
バイオ系ブロガーを自認する私としてはこのネタは外せないので、ちょっと紹介してみよう。続きを読む
posted by 黒影 at 00:51 | Comment(1) | TrackBack(0) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月08日

キリンの角は何のため?

Q:キリンの角は何のため?
A:もちろん戦いのため。

動物園でのんびりとエサを食む姿からは想像しづらいが、
キリンのオス同士が縄張り争いを行う際には、頭を武器にして互いを殴りあうネッキングと呼ばれる戦いが行われる。
その際に強力な武器になるのがこの角。
YouTubeに実に迫力のあるキリンの戦いの動画があったので紹介してみる。

キリンの頭突きの衝撃は、軽く1トン近くいくらしい。
人間がこんなの食らったら一発で吹き飛ばされるな。
音を聞いているだけでこっちが痛くなってくる。

via 雑学解剖研究所−LABORATORY−動物の研究1
posted by 黒影 at 02:45 | Comment(1) | TrackBack(0) | サイエンストピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月07日

ヴァンパイアはどのような進化の過程を経て血のみで生きられるようになったのか

ヴァンパイアの真実1:ヴァンパイアは哺乳類である。

ヴァンパイアの真実2:ヴァンパイアは空を飛べる。

ヴァンパイアの真実3:ヴァンパイアは草食や肉食の近縁種とは異なり、血のみを食物として生涯を過ごす。

ヴァンパイアの真実4:ヴァンパイアも乳児の間は母親の母乳を食事とする。

ヴァンパイアの真実5:ヴァンパイアの唾液には、血液の凝固を阻害する物質が含まれている。

ヴァンパイアの真実6:ヴァンパイアは最大で自重の40%もの量の血を吸うことができる。

ヴァンパイアの真実7:ヴァンパイアは夜行性で、獲物の体温を感知することが出来る。

ヴァンパイアの真実8:ヴァンパイアは獲物が寝ている間に忍び寄り、血を吸い取っていく。

ヴァンパイアの真実9:ヴァンパイアの生息地では、血を吸われすぎて衰弱死する犠牲者が毎年あらわれる。

ヴァンパイアの真実10:ヴァンパイアは自分の吸った血を、口移して仲間に分けてやることがある。
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posted by 黒影 at 21:45 | Comment(1) | TrackBack(0) | サイエンストピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月29日

博士ミーティングin東京のお知らせ(11月22日)

先日行われた博士ミーティングの第二回が、プレミーティングという形で11月22日に東京で行われるようです。
関東方面にお住まいの方で前回は行けなかったという人は、是非ご検討ください。

赤の女王とお茶を:お知らせ:11月22日お台場サイエンス・アゴラで博士プレ・ミーティング開催します!
ご無沙汰しております。

前回京都で開催した博士ネットワーク・ミーティングには多数の参加をいただきまして、誠にありがとうございました。

次は関東での開催を目論んでいるのですが、少々準備に時間が掛かりそうです。

しかしあまり間が空きすぎるのもどうかということで、ちょうど11月に開催される科学技術振興機構主催「サイエンス・アゴラ」の企画にお邪魔する形で「プレ・ミーティング」をやってしまいます。

現在の予定では、サイコムさんの企画
11月22日(土) 15:00〜17:30 会場:東京国際交流館 メディアホール

「本音で語る「研究問題」〜研究問題 メーリングリスト 10 周年に寄せて〜」

の後半にお時間をいただき、その後街にでも繰り出そうか、というノリになっております。

今回はプレということで、自己紹介シートの提出義務はなくし、関心のある方に広く参加していただこうと思っています。科学技術振興機構の主催ではありますが、イベント自体は非常に自由なふいんき*1ということで、一言いわせろ、こんなアイデアがあるぜ、という皆様の参加を心よりお待ちしております。

また別途、本ミーティングの企画も進んでおりまして、2月あたりにやや大きな形で開催できればなと考えております。

アイデアや企画をお持ちの方はぜひ
hakasenetworkあっとgmail.com

までよろしくお願いいたします。

私は友人と旅行に行く計画が重なってしまったので残念ながら参加できないのですが、何か面白い話があったらどなたかレポートしていただけたら嬉しいです。
posted by 黒影 at 20:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | サイエンスニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月28日

ニセ科学の総合商社としてのEM

トンデモは連鎖する

これは数多のトンデモ、疑似科学を観測した上での経験則に過ぎないが、自分の論理に不誠実な主張者ほど、節操無く自分の主張のつっかえ棒となる何かを手当たり次第に取り込もうとする傾向がある。まるで拾った羽で自分を飾り立てた童話のカラスのように。
#もちろん取り込むものがアレなので、ニセブランドで全身固める様な滑稽な結果にしかならない訳だが


そんな「ニセブランドで全身固めた典型的なニセ科学」の一例として、今日はEMにご登場願おうと思う。
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2008年10月25日

医療崩壊待ったなし

最近東京で妊婦が亡くなる痛ましいニュースがあったが、首都圏でもようやく医療崩壊が実感を持って認識されだしたようだ。
現状ではまだ「何で断るんだ!」という感じの脊髄反射が多いようだが、今まで安穏としていた連中の尻に火が付いた恐怖感からの反応としてはまずまずかなと思っている。どうせあと一年もすれば嫌でも現実を理解するだろうから。
既に最低でもこの先5年くらいは、何か急病とか怪我があったときに、運が悪いと医者にすらかかれず死ぬ覚悟が必要なくらい、事態は悪化してるんだよ。
特に医療過疎化が進む地方で、そして首都圏ですらな。

Youtubeの医療崩壊関連の動画を色々と見ていたら、News Zeroが非常に良く問題を整理していたので、まとめ代わりに紹介しておこう。
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posted by 黒影 at 14:21 | Comment(2) | TrackBack(5) | 時事問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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