2009年02月27日

自分の可聴領域を調べてみた。

今日GIGAZINEにこんな記事が出ていた。
自分が若者の聴覚を持っているのかどうかがわかる「THE TEENAGER AUDIO TEST」 - GIGAZINE

人間の平均的な可聴域の上限は大体14000〜16000hzくらいと言われていて、しかも年を取るにしたがって可聴域は狭くなる。
ゆえにどれくらいの波長領域まで聞こえるかを調べると聴覚年齢が分かるという代物なんだが…
正直言って、個人差がありすぎてあまり当てにならない。

私の場合普通に17000hzくらいまで聞こえるので、一度可聴域の限界を調べてみたいなーとはてブにコメントしたら、id:y_rさんから可聴域を測定するツールを教えてもらった。
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2009年02月25日

氷点下の海で裸で泳ぐ超人ルイス・ゴードン・ピュー

通常、人は氷点下の水に漬かると過呼吸症候群に陥り、数分のうちに溺れ死んでしまう。
しかし一部の超人は、氷点下の水のショックに耐えられるばかりか、その状況で1kmも泳いでみせることが出来る。

Superhuman: The secrets of the ice man - life - 24 February 2009 - New Scientist
南極地域の氷床の縁にたたずみ、ルイス・ゴードン・ピューは波の様子を調べた。0度でも、水は彼の下の海ほど冷たくならない。誰にも止められることなく、彼は上着を脱ぎ、スイミングパンツ一枚になって海に飛び込んだ。(リンク先に飛び込む瞬間の写真あり)


ドライスーツも着ずに南極圏でスイミングをするなんて、聞いただけでも寒気のする話だ。

人間の体は、中枢体温が36度くらいまで下がると震えが止まらなくなり、
35度で低体温症になり、
30〜33度で意識を失い、
中枢体温が30度以下に下がると致命的な心臓発作を起こす。

上でも書いたように、普通の人間が彼と同じことをすると間違いなく死ねる。
しかし彼のような一部の超人は、これを可能とする。
一体どのような能力が、この極限環境でのサバイバルを可能とするのだろうか?
彼のような超人は普通の人とは遺伝子レベルで異なっているのだろうか?

今回ピュー氏の超人的な能力を検証した結果分かった事実は、この能力は先天的な資質によるものではなく、大部分がトレーニングによって得られたもの、すなわち、訓練次第で誰もが身につけることが出来る可能性を持つ能力であるという事実だった。
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posted by 黒影 at 22:07 | Comment(5) | TrackBack(1) | バイオトピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月10日

50万円で自分のゲノムを解読できる時代がやって来ます

二年前、アメリカのワトソン博士が自分のゲノムを解読したときに掛かったコストは約1億円。
これは当時としては破格の安さであり、当時他所で同じことをやるなら軽く数億は掛かりました。
幻影随想: 次世代ゲノムシーケンサの本命は?
ワトソン博士のゲノム解読の場合、かかったコストが4か月100万ドルと朝日の記事に書いてある。ただしこれはあくまでも人件費や消耗品のコストなどの必要経費しか計算に入っていない。
asahi.com: ワトソン博士、自分のゲノム公開 DNA構造発見者 - サイエンス
 ワトソン博士は2年前に、米バイオ企業「454ライフサイエンシズ」が提案したゲノムの公開計画に同意。同社は博士の血液をもとに67日間、約100万ドル(約1億2000万円)かけて、塩基配列を明らかにした。


ここ数年、ゲノム解読のコストは価格破壊という言葉すら生温い勢いで急速にコストダウンが進んでいます。
1990年にはじまったゲノムプロジェクトには軽く何百億円もの資金と15年近い歳月が費やされたのに対し、2007年にワトソン博士のゲノム解読に要した時間とコストはわずかその100分の1。
さらに昨年、Applied Biosystemsはこのコストをわずか6万ドルにまで下げて見せました。

Genome is a snip at $60,000 - life - 25 March 2008 - New Scientist
Last week, Applied Biosystems of Foster City, California, announced that it had sequenced the genome of a Nigerian man at a cost of less than $60,000, excluding labour.


そして今年、ゲノム解析のコストはとうとう1000ドルオーダーまで下がるようです。
Genome sequencing falls to $5000 - science-in-society - 06 February 2009 - New Scientist
ゲノムシーケンスが5000ドルまで値下がりする

The price of sequencing a human genome is about to plummet. A company called Complete Genomics, based in Mountain View, California, says it can read entire human genomes at $5000 a shot.
ヒトゲノムをシーケンスするコストが今まさに急落しようとしている。カリフォルニアのマウンテン・ビューに本拠を構えるコンプリート・ゲノミクスという名の会社が、5000ドルでヒトゲノムを完全に解読できると発表した。

Complete Genomics says it can beat that cost by more than a factor of 10, and it is putting its business plan where its mouth is: companies and academic researchers will be able to start placing orders at the quoted $5000 price tag from June this year.

記事によると、コンプリート・ゲノムクス社は、今年の6月から企業・研究機関に対し5000ドルでゲノム解読の受注を開始する模様です。
シーケンス技術はまだまだ発展途上の技術であり、後続他社もすぐに負けじと追いついてくるはずです。数年と経たないうちに、ゲノム解読のコストは1000ドル台にまで下がることになるでしょう。


ワトソン博士はかつて、「ゲノム解析の価格がファミリーカーの価格と変わらないレベルに到達したとき、個人ゲノムの時代が始まるだろう」と語っていますが、今我々はまさにその扉が開く瞬間を目の当たりにしています。
今後5年で、先端医療や健康産業は大きく様変わりしていくことでしょう。ゲノム情報に根ざしたオーダーメードの方向に。
ピロシーケンス法の4時間2500万bpに顎を落っことした3年半年前からは隔世の感がありますね。
当時の自分がたった数年でここまで変わると聞いても、絶対信じなかったろうなあ。
この時代の激流にどれだけの研究者がキャッチアップできているのだろう?
とりあえずバイオインフォ屋としては仕事が増えそうな流れなので歓迎ですが。


◆関連記事
幻影随想: ゲノム解析のコストが6万ドルまで下がった
幻影随想: 1時間で1000億塩基解読可能な次世代シーケンサー
幻影随想: 次世代高速シーケンサーの解析コストとか日本の出遅れ具合とか
幻影随想: 次世代ゲノムシーケンサの本命は?
幻影随想: All Your base are belong to us!
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posted by 黒影 at 00:09 | Comment(2) | TrackBack(0) | バイオインフォマティクス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月08日

NHKがネアンデルタール人の番組でやらかしたらしい

一月にNHKが
ハイビジョン特集 フロンティア
ネアンデルタール人の謎
〜最新報告・ゲノム解読の試み〜

という番組を報道していたそうな。
私はテレビを見ない人間なので例によってこの番組もスルーしていたのだが、どうも伝え聞くところによると、以前の記事で書いた間違いをまんまやらかしたらしい。
「ネアンデルタール人の遺伝子の痕跡が現代人に」とやったようだ。
誰だ番組の監修をしたのは?そのネタは暫定ゲノムの報告でほぼ完全に否定されていたはずなんだが。

幻影随想: ネアンデルタール人のゲノムがもうすぐ公開されます
中でも重要なのが、現代人との交雑の可能性がほぼ完全に消えたこと。
これまで両者の関係性については結構好き勝手なことがいわれていたのですが、ゲノムレベルでネアンデルタール人と現生人類を比較してみても、両者の間に交雑の痕跡は認められませんでした。
もしヨーロッパ人の先祖がネアンデルタール人と交配していれば、多少なりとも遺伝子にその痕跡が残るはずなのですが、そういったものはまるで見られなかったのです。

ネアンデルタール人の遺伝子に関する与太論文ってのは結構存在していて、以前もちょっとだけ触れましたが「欧米人は脳の進化の鍵となる脳容積を増やす遺伝子変異をネアンデルタール人から受け継いだ」という感じの内容の、失笑ものの論文がPNASに載っちゃってたりします。
ぶっちゃけ遺伝学でトッピングした白人至上主義の亜流に過ぎませんが。


元々これまでに報告されている「ネアンデルタール人が現代人につながる遺伝的証拠を発見したと主張する論文」自体、どれもこれも眉唾物で、まともに相手するようなものじゃなかった。
番組内では赤毛、薄い体色、言語を操る遺伝子という三つのネタについて取り上げたようだが、言語遺伝子が現生人類に受け継がれた可能性は否定されているし、薄い体色も、赤毛遺伝子も、原生人類のそれとネアンデルタール人のそれが別物であることは既に確認されている。
その上にダメ押しで昨年の暫定報告があったというのに、NHKは何を今更血迷ったんだろう?と思っていたら、どうもこの番組はただの吹き替え放送らしい。
・原題:The Neanderthal Code
・制作年:2008年
・制作会社:Wall to Wall Media(イギリス)

ちょっと調べてみたら、私が昨年取り上げた暫定ゲノムの報告が出る前、すなわちまだネアンデルタール人のゲノムについて想像で好き勝手なことが言われていた頃に作られた番組らしい。
今更最新情報に基づいた番組への置き換えもできなかったのか、あるいは単に状況の変化を知らないままやってしまったのか。
誰か忠告してくれるような研究者に繋ぎは取ってなかったのかねえ。
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2009年02月03日

「ビタミンAがなければ、リンゴを食べればいいじゃない」byヴァンダナ・シヴァ

このエントリは
遺伝子組み換え作物と知的所有権(生産者を 支配するもの)。 - hituziのブログじゃがー
遺伝子組み換え作物、知的所有権、そして農薬。 - hituziのブログじゃがー
に対する反応です。
このエントリだけ見ても理解できるようにはなっていますが、まずは上記のエントリに目を通すことをお勧めします。

まず最初に取り上げるのは、ヴァンダナ・シヴァのトンデモ発言について。
反遺伝子組み換えグループがこの暴言をまるで英雄的行為のごとく称えているんですが、ヴァンダナ・シヴァの発言内容も、それをもてはやす側の視野の狭さも、はっきり言って反吐が出そうなくらいひどいものです。
このエントリでは、彼女らの発言の何がおかしいかについて取り上げます。
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posted by 黒影 at 02:01 | Comment(45) | TrackBack(5) | バイオトピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月18日

大槻先生、アポロ陰謀論ごときにあっさり引っ掛かるようでは困ります

昨年末に放送された「ビートたけしの禁断のスクープ大暴露!!超常現象[秘]Xファイル」でアポロ陰謀論が取り上げられたそうです。
私はテレビを見ない人間なのでこの番組も見ておらず、ゆえに言及も控えていたのですが、番組に関するあちこちのブログでの言及の中で一つ看過できない情報がありました。
大槻先生と「月の石」
大槻義彦先生についてはいろいろ思うところはあり、「ニセ科学批判のパイオニアとして偉大だが、頑固な科学者像を自演するところは見ていて気分がよくないし、批判対象に対して不勉強にすぎるケースが目立つ」というのが僕の基本的な評価です。僕も不勉強ですけど、レベルが違う(^^;

しかし、単に不勉強なだけではなく、明らかにまずい発言もあります。
その最たるものが「月の石」問題で、どうも以前から「アポロが持って帰ったと称する月の石は、地球の石ではないか」という発言を繰り返しておられるようです。昨日放映されたビートたけし司会の超常現象番組でも、同趣旨の発言をされていたようです。
アポロが月面に置いたレーザー反射板についても疑念を表明しておられ、要するに明確には言われないものの、アポロ月面着陸捏造説にかなり傾いているのかな、と思わせられます。

真意はわかりません。どうしたいのかもわかりません。
しかし、まずいことは間違いない。

アポロ陰謀論は私も以前から懸案事項の一つとして捉えていたものであり、このテレビでの発言が事実なら確かに問題だと感じました。
そして、これはもう看過することは出来ないレベルに達していると感じたのが、大槻氏のブログでの以下の記述です。

大槻義彦のページ ―大槻義彦公式ブログ― powered by ココログ: 1月 第5回 【読者の方からのメール】2009/01/18魚拓
月の石の研究成果は十分行われている、ということですが私はまったく違った考えを持っております。
年代測定は誤差が大きく決定的な結論は出せないでしょう。鉄、カリウムの含有量が少ないということですが、これもばらつきがあり決定的な証拠にはならないですね。この程度の研究ではあてにはなりません。
<中略>
東大の月の石の展示は2007年10月でした。しかもこれは東大物性研の展示ではありません。東大の『総合博物館』の展示でした。
私が、当の東大物性研では月の石の在り処も知らない、と発言した後のことでした。おかしな動きを感じます。

レーザー反射鏡のことですが、現在その反射鏡でレーザー反射実験ができないのはなぜでしょうか。また、やろうともしないのは何故でしょうか。

アポロ陰謀論は、数ある陰謀論の中でも最も稚拙な論の一つであり、
その主張は「ことごとく」証拠を元に反論されています。

無論のことながら月の石に関する話も木っ端微塵にされていますし、
月のレーザー反射器を使った実験も、一度しか行われていないどころか、現在でも世界各地で毎年行われているものです。
仮にも疑似科学批判を行おうという人間が、ろくに事実確認もせぬままに、この程度のちゃちな陰謀論に引っ掛かるようでは困るのですよ。
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2009年01月12日

科博の「菌類のふしぎ展」に行ってきました。

連休の最後に何とか時間を確保できたので、念願の菌類展に行ってきました。
特別展:菌類のふしぎ−きのことカビと仲間たち
最終日だからかかなりの人ごみでしたが、めいっぱいかもされて来ました。
満足満足。
IMG_2636.png

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posted by 黒影 at 23:50 | Comment(3) | TrackBack(0) | サイエンストピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月11日

駆け出し研究者が科学のために立ち上がる方法のガイド

悪質なニセ科学の主張に遭遇して怒りを覚えるというのは、科学に関わるものであれば一度や二度は必ず遭遇するものである。
そういった情況に遭遇したときには、どのような行動を取ればよいのだろうか?
2007年、イギリスの若い科学者らがこの疑問に対し一つの答えを出した。
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2009年01月08日

2009年は「ダーウィン年」です。

今年2009年はダーウィンの生誕200年かつ、「種の起源」刊行150周年の記念すべき節目です。
既に昨年から各地でダーウィン展などの催しが行われていますが、今年はさらにボリュームアップ。
例えばイギリスではこんな感じの催し物が各地で行われていますし、日本でも色々とイベントが企画されています。
ダーウィン生誕200年祭 : VisitBritain
Darwin 200: Celebrating Charles Darwin's bicentenary
他にもダーウィンの全著作物をオンライン化するサイトが完成していたり
The Complete Work of Charles Darwin Online


「種は不変である」という当時の固定観念に風穴を開けたダーウィンの進化論。
よく誤解されているのですが、ダーウィンの「種の起源」は生物の弱肉強食を主張するものでもなければ、自然淘汰のみが進化の原動力だと主張する書でもありません。
種の起源どころか進化論の解説書すらろくに読むことなく、勘違いを元に「進化論批判」を行う素人が多いのは困ったものですが。

種の起源をちゃんと読めば、ダーウィンが非常に慎重に論証を積み重ねており、遺伝子関係の部分を除けば現在でも通用する部分が大半であることが分かります。
種の起源:On The Origin of Species
このページの書評なんかは詳細で一読の価値あり。
もちろんダーウィンオンラインで原書を読むのもお勧めです。続きを読む
posted by 黒影 at 06:07 | Comment(3) | TrackBack(0) | バイオトピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月02日

フュージョンエクセル社、スカラーエネルギーというキーワードにご用心

ニセ科学商売のことは、その商売を行っているものに直接聞くのが一番よい。
現在何が流行っているのかというリアルタイム性の面から、そして情報量的にも、ニセ科学商売の教祖のサイトなんかは格好の観測ポイントとなる。
ゆえに私に限らず疑似科学ウォッチャーには、こうしたサイトを定期的にチェックしているものが多い。

さて、先日江本勝のブログを読みに行ったら、こんな記事を見つけた。
水からの伝言 : マニラセミナーフュージョンエキセル社は、マレーシアに本部を持つ国際ネットワークシステム企業です。その商品がスカラーエネルギーを基本としたもので、いわゆる未知のエネルギーを商品化したものですから、私どもの結晶写真撮影技術に注目し、商品の撮影依頼などが過去にありました。
その結果、マニラ、バンコク、クアランプール、ジャカルタにおいて、そのディストリビューターを集めての大会が今回開かれることになったのです。

私のトンデモセンサーがびんびんに反応したため、FusionExcel社のサイトを訪問してみた。
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