2005年01月22日

癌治療の新標的、ポケモンタンパク質

誰だこの名前を考えたのは(笑)
すごい研究なのにギャグにしか見えない…

生化学 : 癌治療の新標的、Pokemonタンパク質

癌の進行の鍵をにぎるタンパク質Pokemonの役割が明らかになった。抗癌剤の新しい標的として有望で、病気の経過の予測にも使える可能性がある。
P P Pandolfiたちは、Pokemonをコードする遺伝子をもたないマウス細胞では、細胞内で癌化の引き金となる遺伝子が活性化しても、分裂し続ける癌細胞に形質転換しないことを発見した。逆に、マウスの免疫細胞中でPokemonを過剰に生産させると、このマウスには悪性腫瘍が発生した。Pokemonタンパク質は、ARFとよばれる重要な癌抑制遺伝子の生産を直接減少させる。
血液の癌、乳癌、肺癌、大腸癌、前立腺癌、膀胱癌の一部では、Pokemonが高いレベルでつくられていることもわかった。さらに、ある種のB細胞リンパ腫では、細胞でPokemonが生産されているか否かによって、臨床転帰が予測できるという。

Pokemonという単語を読むたびにピカチュウが浮かんできて仕方ないんですが(笑)
Pokemonというタンパク質がレプレッサーの働きをしてAFRという抗癌因子の発現を抑える
という理解でいいのでしょうか?続きを読む
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2005年01月18日

大学の甘い研究室運営

遺伝子組み換え実験で違反 東京理科大、新たに13人
私も大学の人間なので他人事じゃないんだが、
こういう実験管理が雑な大学というのは結構ある。
以前もどこかで青酸のビンが一本無くなったと大騒ぎをしていたし
大学の意識改革が必要なんじゃなかろうか?続きを読む
posted by 黒影 at 01:34 | Comment(1) | TrackBack(0) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年01月17日

ヒトのY染色体の未解読配列が解読される

Found: Missing sequence of the human Y chromosome
2005/1/14 ドイツ、ヘイデルバーグ
科学者達は本日、以前手におえなかったDNAシークエンス(ヒトY染色体のセントロメア近辺の554kbpのゲノム断片)
のクローニングと解読に成功したとゲノムリサーチジャーナルに発表しました。
この配列は8個の活性があると予測される遺伝子(性別による身長の差や性腺腫瘍の発達に関係していると考えられている)を含んでいます。
このセントロメア周辺の欠損は、昨年10月に解読が「完了」したと発表されたヒトゲノム配列に残る穴のうちの一つでした。この「解読完了済みの」配列は、遺伝子の順序を明らかにし、ヒトゲノムを包括する28億5000万塩基対の位置確認を行なう13年の努力の頂点です。99.999%精度を目標とする計画に従い、高品質な配列はゲノムの真染色体部分(遺伝子を含む)の99%精度以上に及びましたが、この達成にもかかわらず、かなりのセクションの染色体配列はまだ欠けていました。
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2005年01月13日

複数の核を持つ生物

大抵の人は中学や高校で細胞の顕微鏡観察をした経験があると思う。
タマネギの皮を染色液で染めたりムラサキツユクサのプレパラートを作ったりして
スケッチをさせられたのではないだろうか?
細胞の真ん中に核があり、その周囲を細胞質が流動している様子を私も良く覚えている。

理科や生物の教科書には必ずといっていいほど一つの核を中心にいくつかの細胞内小器官が細胞膜に包まれている真核細胞の図が載っているが、生物の姿というのは教科書の図ほど単純なものではないようだ。続きを読む
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2005年01月10日

鳥インフルエンザ耐性ニワトリの育種

北大獣医学研究科の渡辺智正教授らが鳥インフルエンザに強いニワトリの育種に取り組んでいるそうだ。

鳥インフルエンザに強いニワトリ繁殖へ 北大教授ら

ニワトリにも遺伝的多様性があり、ある遺伝子の配列次第でウイルスへの抵抗力が変化するらしい。
育種の方向性としてはなかなか面白い。

 マウスの細胞には、ウイルスの増殖を抑える「Mx」という遺伝子がある。渡辺教授は、ニワトリのMx遺伝子を調べ、種類や個体によってわずかに構造が異なり、ウイルスへの抵抗力にも差があることを見つけた。培養細胞を使った実験では、強いタイプのMx遺伝子は鳥インフルエンザも抑え込んだ。
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2005年01月08日

HIVの感染しやすさを左右する遺伝子が特定される

HIVの感染しやすさを左右する遺伝子が特定されたそうだ。
エイズへの抵抗力を左右 国際チームが遺伝子特定
【ワシントン6日共同】エイズウイルス(HIV)への感染しやすさや症状の進行を左右する遺伝子を、米テキサス大を中心とする国際チームが新たに特定し、米科学誌サイエンス(電子版)に6日発表した。
 既に見つかっているHIVへの抵抗力にかかわる遺伝子より、影響は大きいとみられるという。HIVへの抵抗力の個人差を考慮した予防や治療を可能にする成果として注目される。
 遺伝子はCCL3L1と呼ばれ、HIVがリンパ球に入り込むのを妨げるタンパク質をつくる。
 一般に遺伝子は、父母から1個ずつ、計2個受け継ぐが、免疫に関する遺伝子は重複が起きることがよくあり、CCL3L1も3個以上持つ人がいるのが知られていた。

月曜になったら早速大学でScienceMagazineの詳細を読んでみよう。
ただサイエンスマガジンの日本語版にこんな注意書きがあったのが気になる。
1月14日の間違いだろうか?
*本論文は10月14日(木)にオンライン掲載予定。続きを読む
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2005年01月07日

微生物農薬は実用化できるか?

バクテリアを微生物農薬として実用化しようという動きがあるらしい。
ユニークな研究で面白い。

<微生物農薬>野菜の病気を予防する乳酸菌発見
萎凋(いちょう)病や立ち枯れ病といったホウレンソウの病気を防ぐ働きをする乳酸菌を京都府農業資源研究センターの研究チームが発見した。普通の漬物類から分離したため安全性に問題はないといい、民間企業と共同でこの乳酸菌を活用した「微生物農薬」の実用化を目指す方針だ。

小さい組織でさすがにプレスリリースなんか整ってないため探すのに手間取ったが
どうやらこの研究の事を言っているらしい。

植物内生(ないせい)細菌を利用したホウレンソウ萎凋(いちょう)病防除
ほうれん草の内生菌(病気を引き起こすことなく植物体内に生息している共生菌)である
エンテロバクター・クロアカというバクテリアを植菌した種子は萎凋(いちょう)病を起こさなくなるらしい。

Yahooの記事だけ読んでいると培養した乳酸菌でもばら撒くのかと思えたので
最初はそんなもの効果があるのかと思っていたが
この研究紹介によるとタネにほうれん草の内生菌を植菌することで病害予防をするようだ。

この方法なら納得。
ついでに不良環境条件下でも発芽率が向上するというメリットもあるようだ。続きを読む
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2005年01月06日

ES細胞でサルのパーキンソン病を治療

再生医療もとうとうここまで実用化に近づいたかと思うと感慨深いものがある。
ES細胞移植、サルの症状改善 パーキンソン病 京大グループ 霊長類で初の成果
パーキンソン病のサルの脳に移植した胚(はい)性幹細胞(ES細胞)からドーパミンを分泌(ぶんぴつ)させ、症状を改善させることに、京都大大学院医学研究科の橋本信夫教授(脳病態生理学)らのグループが成功し、四日付の米国科学誌「ジャーナル・オブ・クリニカル・インヴェスティゲーション」オンライン版に発表した。ヒトのES細胞とほぼ同じ特徴を持つ霊長類での症状改善は世界初という。


アメリカでは応用研究から臨床段階へ移行する速さは日本の比ではない。
もしかすると今年中に再生医療の最初のニュースが飛び込んでくるかもしれない。
posted by 黒影 at 23:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

狂犬病の治療法開発される

狂犬病は主に野生動物にかまれることで感染し、
一度感染したら発病までに狂犬病ワクチンを投与する意外に有効な治療法が無く
発症すると死亡率はほぼ100%という恐ろしいウイルスだ。
潜伏期間は約2ヶ月。
特に危険なのはイヌ科の動物だが、コウモリ類も最近狂犬病ウイルスを持っている事が確認されているため
動物にかまれたら早急にワクチンを摂取することが肝心だ。
しかし、今後は万一狂犬病を発症させてしまったとしても治療が可能になるかもしれない。

新治療法で狂犬病から生還した少女
小児病院の医師たちは、ギースの体が伝染病と戦いやすくなるよう昏睡状態にし、数々の薬を配合して処方するなどの新しい治療法を開発した。小児病院の広報担当者ジャッキ−・ゴーガーは語る。
病院はウェブサイト(http://www.chw.org)で、ギースは「感染のあとワクチン接種せずに生き延びた世界初の人間である」との声明を発表した。
少女はこの数週間で体重、体力、協調性を取り戻し、自宅でのセラピーを続けることによって、ほとんど完全な回復が期待されていると広報担当者は語った。

早期のワクチン治療がもっとも有効な事には変わりないが
こうして万一の対策も出来たことで狂犬病による死者は減っていくことだろう。
posted by 黒影 at 23:28 | Comment(4) | TrackBack(2) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

肺がん治療薬イレッサ承認取り消しか

副作用がきついわりに効果が今ひとつとがん患者の間で物議をかもしているイレッサ
元は肺がん治療薬なのだが他のガンにも使用されたり規定量の何倍も投与されたりと
規定外の使い方がなされているという物騒な話も漏れ聞いているのだが、
このたび欧州の臨床試験で延命効果が無いとの結果が出た。

欧州での承認申請取り下げ 肺がん治療薬イレッサ
 【ワシントン4日共同】英医薬品大手アストラゼネカは4日、肺がん治療薬イレッサ(一般名ゲフィチニブ)の欧州での承認申請を取り下げると発表した。
 昨年12月に結果の中間まとめが出た臨床試験で、延命効果が確認できなかったことを受けた。同社は日本や米国など既に販売済みの国の規制当局と、イレッサの今後の取り扱いについて協議するとしている。


以前からいい話が無かった薬だが、下手をすると日本でも承認取り消しになる可能性がありそうだ。続きを読む
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2005年01月02日

mGS細胞は再生医療の切り札となるか?

新しく開発された万能細胞の誘導法が、倫理という枷の中でもがいていた再生医療の突破口になるかも知れない。

「万能細胞」精巣から作成 世界初、京大教授ら成功
マウスの精巣から、ES細胞(胚(はい)性幹細胞)と同様にあらゆる臓器や組織に成長する能力を持つ多能性幹細胞を作成することに、京都大医学研究科の篠原隆司教授(生殖生物学)らの研究チームが世界で初めて成功した。生命の源である受精卵を破壊しないため倫理面の問題点が少なく、再生医療の新たな切り札になると期待される。29日付の米科学誌セルで発表する。

今回確立された万能細胞は「mGS細胞」(多能性生殖幹細胞)と名付けられた。

これまで再生医療研究の中で大きなウェイトを占めていたES細胞による研究は
ES細胞が受精卵からしか得られない事を持って宗教団体をはじめ様々な方面から倫理的な問題を指摘されてきた。
しかし最近の分子生物学の飛躍的な発達によりES細胞に依存した研究から脱却を図れる可能性が高まっており
倫理的な問題を一つクリアして再生医療の実現に一歩近づいたといえる。続きを読む
posted by 黒影 at 13:57 | Comment(2) | TrackBack(1) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

愛猫のクローニング5万ドル也

年末に家を空けていたもので、いくつも大きなニュースを取り上げないままでいてしまった。
早速端から取り上げていこうと思う。

という訳で、早速一つ目がこれ。
愛猫のクローンの値段は?

死んだ愛猫のクローンを作っちゃったという話だ。
気になるお値段は5万ドル(約550万円)らしい。続きを読む
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2004年12月19日

ビギナーとプロのためのバイオポータルサイト(構築中)

こんなものを見つけたので紹介してみる。
Jabion-日本語バイオポータルサイト-
国立情報学研究所というところが作っているらしい。
ビギナーとプロの両方が集まれるバイオポータルを目指しているそうなので
今後どう発展していくか見ていこうと思う。

ちなみに現状ではビギナーが利用するにはちょっと取っ付きにくいように思えるし、プロが使うには物足りないという、まさに帯に短しタスキに長しなサイトになっている。

ただ、コラムはなかなか力が入っている。
バイオの専門家が一般向けに分かりやすく書いた、語句説明ありイラストありの非常に出来栄えのいいものになっている。これだけでも読む価値があるといっていいくらいだ。
数が少ないのが玉に瑕だが、やはり一流の研究者はいい文章書くなぁ。
私もあのコラムくらいの名文が書けるようになりたいものだ。
もう一つの目玉コンテンツであるバイオ用語辞典もそれなりに充実しているので、インターフェースを改良すればもう少し良くなるんじゃないだろうか?続きを読む
posted by 黒影 at 20:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月15日

マツタケゲノム解読

イネゲノムに続いてゲノム関連の話題をもう一つ。
タカラバイオがマツタケのゲノム解析を進めているそうな。
ゆくゆくは人工栽培をとのことだそうだが、果たして何年かかるやら(笑)

タカラバイオ、マツタケのゲノム解読を完了=人工栽培を目指す

新規遺伝子が9000もあると、当分はその解析に潰れそうに思える。
人工栽培に漕ぎ着けるには早くても5〜10年はかかるんじゃないだろうか。
もっとも人工栽培ができるようになってマツタケが安く手に入るようになるならば実に素晴らしいことだ。
是非ともがんばっていただこう。続きを読む
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イネゲノム解読完了

日本を含め10ヶ国での国際プロジェクトが進められていたイネゲノムの解読が完了した。
日本はこのプロジェクトで全塩基配列の55%を担当。
主導的な役割を担ってゲノム解読を進めてきた。
今回得られた成果から、イネゲノムは染色体12本、3億9000万塩基対のDNAで構成され、約4万個の遺伝子を持つ事が判明。
既に解読が完了しているシロイヌナズナの2万6千個に比べて大幅に多いことが分かった。
イネ遺伝子4万個=ゲノム完全解読で判明−次は小麦、品種改良に期待・農業生物研

双子葉類よりも単子葉類のほうが遺伝子数が大幅に多いというのは面白い。
差分の1万以上の遺伝子がどのような機能を持つのか、今後の解明が待たれる。
人間の主食となっている穀類は全て単子葉類。(イモは双子葉類だが)
その遺伝子が解明される意義は大きい。
今後の品種改良の役に立つことだろう。続きを読む
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2004年12月12日

体細胞からES細胞を作り出す

ES細胞は臓器移植や様々な疾患の治療に効果があるとして大きな注目を浴びているが
受精卵から作られるという一点を以て宗教界から非常に強い倫理的反発がある。
特にキリスト教が強い影響力を持つ米国では、
ES細胞の研究自体非常に厳しい制約が課せられているほどだ。
しかし技術の進歩はクローン細胞からES細胞を作り出せる段階まで来ている。

霊長類クローニング、サルでも成功
韓国の研究者チーム、ヒト・クローン胚でES細胞作りに成功

これまで霊長類でのクローニングがうまくいかなかった理由の一つに、受精卵の核を取り除く際に体細胞分裂に不可欠なタンパク質まで同時に取り除かれてしまっていたことが挙げられる。
韓国の研究チームはこの核の取り除き方を改良し、クローニングの道を開いた。

このチームの方法では、クローニングに受精卵は使われない。
未受精卵から核を取り除いて用いられるので、ES細胞反対派が主張する「ES細胞研究では胚という命の源が犠牲にされる。これは殺人に等しい」という非難はクリアできたことになる。続きを読む
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2004年12月09日

ニワトリの遺伝子は2万個―ヒトと大差なし―

ニワトリの全遺伝子の概要が、アメリカの研究者達の手によって明らかとなった。
発表内容によると、ニワトリの遺伝子数は20,000〜23,000であると予測され、
この前ハエの遺伝子でも同じ事を書いた気がするがヒトの遺伝子数とも大差ないようだ。

ニワトリの遺伝子は2万個強=ゲノム解読で人間並みと判明
遺伝 : ニワトリゲノムの解読(Nature)

鳥とヒトとで遺伝子の数にほとんど開きが無いという事実は実に面白い。
両者に共通する遺伝子、片方にだけ存在する遺伝子などを調べれば
進化の過程で遺伝子がどのように変化していったか
ヒトや鳥を特徴付けている遺伝子はどのようなものかを調べる格好の素材になる。

様々な生物の遺伝子を詳細に調査することで
いずれは進化の系統樹がさらにはっきりと見えてくるだろう。
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2004年12月08日

人間にもあるえらの名残

魚や両生類の幼生が持つえら。
爬虫類、哺乳類では進化の過程で失われたと思われていたえらが
実は別の器官に姿を変えて残っていたという事が明らかになった。

副甲状腺、元は「えら」 ゲノム解析で判明

副甲状腺は甲状腺の後ろにある麦粒大の小さな組織で
血中のカルシウム濃度を調節する働きを持つ。

こんな小さな臓器がえらの名残だということに驚くと同時に
どのようにして機能の変化が起こっていったのか非常に興味深い。
進化の過程を解明する新しい糸口になりそうだ。
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2004年12月05日

幹細胞研究の話をしたスクールバス運転手解雇

アメリカでは政治に関わる話はうかつにすることも出来ないようだ。
幹細胞研究について、選挙直前に通学中のバス内で生徒と議論した運転手がクビになったらしい。

生徒に幹細胞研究の話しをして、スクールバスの運転手が解雇される

今回の選挙では幹細胞研究も重要な政策の一つとして議論を呼んでいただけに
これに関わる発言は政治的なものと受け止められるようだ。

バスの運ちゃんは、メルギブソンのES細胞に関するインタビューを読み
「成人の幹細胞を使った治療法は既に実用化されているにも関わらず、
ES細胞(肺性幹細胞)は20年も続けられ、多額の研究費を使っているにもかかわらず
病気の治療に役立っていない」というメルギブソンの意見をそのまま生徒に伝えたのだ。

この意見の正否はともかく
なんでも、バス運転手は政治的な議論を生徒と交わす事が許されていないそうな。
親からクレームがきてクビになってしまったらしい。
日本じゃ例えクレームが来ても注意止まりでクビなど考えられないが、
さすがアメリカと言うべきか。自由と平等は建前だけの階層社会は一味違う。続きを読む
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レーザーでスイッチを切り替えられる蛍光物質、ドロンパ

二種類のレーザー光を当てることで、発光のオンオフをコントロールできる蛍光物質が
理化学研究所の研究によって発見された。
ドロンパ:理研チーム、サンゴから蛍光物質発見 2種類のレーザー光で明滅くり返す

この発見の大事なところは、光り出したらずっと光りっぱなしな従来の蛍光物質と異なり
蛍光のオンオフを繰り返しながら何度も観察を繰り返す事が可能な点だ。
しかもタンパク質だから生体内で生成させる事も出来、生体の観察に適している。
生体内の分子の移動を観察するにはもってこいのツールになりそうだ。続きを読む
posted by 黒影 at 13:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする