2005年04月23日

暗礁に乗り上げるヒトDNAデータベース構築計画

『我々はどこからきたのか?』
人類学者ならずとも誰しも一度は抱いたことのある疑問ではないだろうか?
人類の起源と移動経路を巡る謎はその多くが明らかになったとはいえ
まだ分からない部分がたくさんある。

現在アメリカのナショナルジオグラフィック協会はIBMと提携してジェノグラフィック・プロジェクトという世界最大規模のヒトDNAのデータベース構築計画を進めている。
しかし計画は早速暗礁に乗り上げてしまっているようだ。

Wired News - 世界最大のヒトDNAデータベース構築計画に批判の声 - : Hotwired
 世界各地の人々から採取した血液を使って、古代人類の移動の軌跡を追跡するという壮大な遺伝学的プロジェクト『ジェノグラフィック・プロジェクト』が今月13日(米国時間)にスタートした。しかし、このプロジェクトは開始早々から論議を呼んでおり、反対や非協力の動きに直面することになりそうだ。

このようなプロジェクトを進める以上、古い血をそのまま保つ先住民の協力を得ることは
人類がどのように移動していったかを解明するためにも必要不可欠だ。
しかしながら、先住民を騙すような形で第三世界の遺伝子資源を収奪していった不届き者が多数いたため
彼らの遺伝子産業に対する心象は最悪。
そのあおりを食らってこの計画も反対運動に直面する羽目になっている。
まず先住民との信頼関係の構築から始めなければいけない有様なのである。続きを読む
posted by 黒影 at 12:52 | Comment(4) | TrackBack(3) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

脊椎損傷の幹細胞治療

実用化まで後一歩というところか。
その一歩が果てしなく長いんだろうが。

Wired News - 脊髄損傷の幹細胞治療、ラット試験からすぐ人間へ?(上) - : Hotwired
Wired News - 脊髄損傷の幹細胞治療、ラット試験からすぐ人間へ?(下) - : Hotwired



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2005年04月14日

ナノバクテリア再び

Wired Newsで再びナノバクテリアを取り上げていたので
こちらでも取り上げておくことにする。

謎の微粒子「ナノバクテリア」は雲に乗って移動?

このニュースで取り上げている論文って、この前検索していて見つけた
ナノバクテリアが雲の核になるというやつだな。
 
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2005年04月13日

トリインフルエンザ

カラス同士でのトリインフルエンザの感染が確認されたようだ。
丹波でトリインフルエンザが広がったときからある程度予測されていたことだが、
カラスのような野鳥を通じて養鶏場間に感染が広がったのはまず間違いないのだろう。
<鳥インフルエンザ>カラス同士の感染を確認 動物衛生研
 毒性の強い鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)がカラス同士で感染することを、動物衛生研究所(茨城県つくば市)が実験で初めて確認した。カラスがニワトリと同様に、鳥インフルエンザウイルスを媒介して広めることを示す結果で、同研究所の塚本健司・病原ウイルス研究室長は「H5N1型が人に感染する可能性は極めて低いが、鶏舎にはカラスを近づけないなどの対策が必要だ」と話している。

もうウイルスを持った野鳥がいなければ良いのだが
この試験ではトリインフルエンザに感染しても症状を表さないカラスが4羽中3羽もいたことから
今も野生のカラス間でインフルエンザウイルスが保有されている可能性が高いのではないだろうか。

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2005年04月10日

遺伝子組換え作物―NAROの意見―

最近脱線が多いので本業関連の話も
遺伝子組換え作物について反対派の動きを取り上げることはあっても
良く考えたら推進している人の動きを取り上げたことがなかったと思うので
どんな人達が研究をしていてどういう考えを持っているかを少し取り上げてみます。

今回取り上げるのはこちら。
独立行政法人 農業・生物系特定産業技術研究機構 NARO

農水省系列の独立行政法人で、去年ニュースになった遺伝子組換えイネの試験栽培をしているところです。
昨年も北海道の遺伝子組換え作物禁止ガイドラインに反対意見を述べていて
この反対意見に機構の意見がよくまとまっているので、追記に全文引用しておきます。
元ファイルがPDF化された画像だった上で画質が悪いので)

これ書き写していて改めて当初のガイドラインはひどいもんだったと思いました。
 
 
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posted by 黒影 at 04:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月02日

ナノバクテリアは生物か?

みなさんはナノバクテリアというものを聞いた事があるでしょうか?
私は恥ずかしながら少し前に初めて聞きました。
通常、バクテリアはマイクロメートルオーダー(10-6m)の大きさをしています。
しかしこのナノバクテリアと名付けられた「モノ」はサイズがナノオーダー(10-9m)で
通常の微生物の100分の1程度の大きさしかないそうです。

謎の「ナノバクテリア」をめぐる尽きない議論(上)
謎の「ナノバクテリア」をめぐる尽きない議論(下)
この物体の発見以降、これが生物か否かで議論が繰り返されていますが
まだはっきりとした結論は出ていない模様です。続きを読む
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2005年03月29日

ペットボトルを完全分解する微生物

やはりというかなんというか。
PETでも完全に分解できる微生物はいるんだな。
微生物がペットボトル分解 環境汚染ない処理に活用(共同通信)
 ペットボトルに使われるポリエチレンテレフタレート(PET)を、二酸化炭素と水に完全に分解する微生物のグループを、京都工芸繊維大の小田耕平教授、木村良晴教授らのチームが29日までに突き止めた。札幌市で開かれている日本農芸化学会で発表した。
 安く耐久性に優れたPETは大量消費される一方、リサイクルで品質が劣化するため、最終的には埋め立てや焼却処理されている。チームの平賀和三助手は「微生物の力で環境負担のない処理ができるかもしれない」と話している。
 研究チームは、ペットボトルが捨てられたごみ捨て場にPETを餌にする微生物がいるのではないかと推測。土壌から採った枯草菌や根粒菌など一群の微生物をPETの薄片以外に栄養分のない状態に置くと、薄片を覆うように増殖、約2カ月でほぼ完全に分解した。
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posted by 黒影 at 18:17 | Comment(8) | TrackBack(2) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月25日

醍醐寺のクローン桜

京都には醍醐寺というそこそこ有名なお寺があります。
私も京都で育った人間なので何度か行った事があるのですが
その昔太閤豊臣秀吉が毎年花見に来ていたことで有名で、今でも境内には桜の木がたくさん植えてあります。
京都の桜の名所のひとつであり、桜の季節には太閤花見行列という行事が催され大勢の観光客が訪れます。

そんな醍醐寺ですが、秀吉の頃に植えられた桜の子孫とされている見事な枝垂桜があります。
春には滝のような淡いピンクの花をつけ、それはきれいだったのですが
近年老齢化で株分けも出来なくなっており、どうやって子孫を残すかが悩みの種だったようです。
そこで考えられたのが細胞培養によるクローニング。
植物は基本的に細胞一つからでも成体に成長させる事が出来ます。
そのため現在では高額なランを中心に様々な園芸品種でクローン技術が使われています。

秀吉のクローン桜 開花近し 醍醐寺で生育祈願法要
 豊臣秀吉の「醍醐の花見」で知られる京都市伏見区の醍醐寺で、秀吉ゆかりのシダレザクラと同じ遺伝子を持つクローン苗から育てられた桜の開花を前に、25日、生育祈願法要が営まれた。
 クローンの桜の親木は推定樹齢約150年のシダレザクラで、秀吉が花見をした桜の子孫とされる。親木が老齢のため、挿し木や接ぎ木で残すのが難しくなり、茨城県つくば市にある研究所で培養、増殖。昨年11月に醍醐寺三宝院大玄関前に1本移植された。現在、高さ約4・5メートルの木に成長し、近く開花しそうという。
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2005年03月17日

圧力団体としてのグリーンピース

やりますなグリーンピースさん。
遺伝子組み換え飼料、豪州では消費者の抗議で使用中止に
 オーストラリアで、消費者の激しい反対運動により、大手養鶏業者3社が遺伝子組み換え作物を使用した飼料の使用中止に追い込まれた。この飼料は輸入されたもので、3社が出荷する年間4億5000万羽のニワトリの飼育に使われていた。

 オーストラリアの養鶏業界でトップ3を占めるインガムズ・エンタープライゼズ社バーター・エンタープライゼズ社バイアーダ・ポールトリー社の3社は、遺伝子組み換え飼料の使用に怒った消費者からの苦情の手紙、ファックス、電話が殺到したため、方針を転換した。この抗議行動はグリーンピースの主導によるもので、組み替え作物反対派の圧倒的な勝利に終わった。

企業をターゲットに集中攻勢をかけ、ネガティブキャンペーンや不買運動を恐れる企業の譲歩を引き出す。
使い古された手ではあるが、グリーンピースのように巨大な組織力を持つところがやれば効果は抜群だ。
これは記事の通りグリーンピースの一勝だな。続きを読む
posted by 黒影 at 05:31 | Comment(4) | TrackBack(0) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月12日

海草の生育に影響を与える微生物

海草が胞子で増えることをご存知ですか?
植物は「藻類コケ植物シダ植物裸子植物被子植物」の順に進化して来ました。
コケやシダが胞子で増えるように、それ以前の植物である海草もまた胞子で増えます。
しかし、人工海水で海草の胞子を発芽させてもちゃんと葉の形に育たないという問題があり
自然の海水でしか培養が出来ず養殖の妨げとなっていました。
そこで海水中に含まれる生育因子の存在は50年も昔から探し続けられていたのです。

そして今回、海洋バイオテクノロジー研究所の松尾嘉英氏等の研究グループによって
Cytophagaという種類の細菌が作り出すある物質が、海草が葉状に生育するために不可欠であることが明らかとなりました。

緑の海藻:養殖OK、希少種の保存にも応用 海洋研など
 海洋研の松尾嘉英研究員らは、海中の細菌に着目した。アオサ類のマキヒトエの表面から60種類の細菌を分離し、それぞれを発芽した細胞と一緒に培養して、正常に成長した1種類を特定。その細菌が作り出す化合物を初めて取り出した。

 この化合物は陸上植物の成長ホルモンと構造が似ており、他の緑藻類でも、微量で強い活性を示す。緑藻にとっては、生存に不可欠な「ビタミン」として働いているらしい。

 海藻は光合成で二酸化炭素を酸素にするほか、海の食物連鎖を支えている。ミネラルを多く含む健康食品として養殖も盛んだが、栽培は自然の海中に限られていた。

この物質が特定されたことで人工海水での海草の栽培が可能になりました。
また、この物質には緑藻の成長促進効果もあるため海草の養殖にも効果を発揮しそうです。続きを読む
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2005年03月02日

磁石を利用して効率よく遺伝子を導入

私はベクターというとプラスミドとファージしか使った事が無いのですが
遺伝子導入技術は日々進歩しているようです。

磁石使い細胞に遺伝子導入 ナノサイズ粒子で、大阪大
 磁石で引き寄せて遺伝子を細胞に効率よく導入する方法を金田安史大阪大教授(遺伝子治療学)、武田真一同大助手(化学)らが開発した。遺伝子治療のほか、薬の投与にも応用でき、体内で拡散せず副作用の少ない治療が期待できるという。3月1日から大阪市で始まる日本再生医療学会で発表する。
 武田助手らは、直径約50ナノメートル(ナノは10億分の1)の酸化鉄粒子の表面を加工し、プラスの磁気を帯びさせた。ウイルスを無毒化したベクターという遺伝子の“運び屋”に遺伝子を組み込み、表面に酸化鉄粒子をくっつけて“新型ベクター”をつくった。
 培養皿に細胞を敷き、底に強力なマイナスの磁石を置いた状態で、新型ベクターを入れた。磁力で引き寄せられるため、粒子を付けていないものと比べ、遺伝子が10倍以上細胞に取り込まれた。酸化鉄粒子は貧血薬に使われており、人体に悪影響はないという。

ベクターとは文字通り"媒介"のことで、この場合は遺伝子を運ぶ媒介の役割を果たすものです。
標的となる細胞に遺伝子を導入するために用いられます。
現在良く用いられるベクターは、プラスミドと呼ばれる環状DNAや無害化したウイルスなど。続きを読む
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2005年02月21日

国連総会にて「ヒト」クローン禁止宣言採択

クローン禁止宣言採択 国連総会第6委員会
 【ニューヨーク18日共同】国連総会の第6委員会(法律)は18日、治療目的も含むクローン技術を禁止するよう加盟国に求める政治宣言を賛成71、反対35、棄権43の賛成多数で採択した。宣言に法的拘束力はなく、日本や英国、中国、ベルギーなど採択に反対した国の多くは無視するとみられる。
 採択をめぐっては、イタリアや米国、中南米諸国などクローン技術の全面禁止を求める諸国と、治療目的に限り認めるよう主張してきた日本など部分容認派が激しく対立した。宣言は早ければ3月にも総会で正式に採択される。
 宣言は「生命科学の適用において、人間の生命保護に必要なあらゆる方策を講じるよう加盟国に求める」とし、治療研究目的のクローン胚(はい)づくりも禁止。加盟国にこれに基づく法律の策定も求めた。
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絶滅植物復活プロジェクト

絶滅植物、湖底から復活 霞ケ浦で東京大成功
 護岸工事などで水辺の生態系が破壊された茨城県の霞ケ浦で、絶滅したと考えられていた植物を、湖底の土砂の中に眠っていた種子を利用して復活させることに、東京大保全生態学研究室などのグループが21日までに成功した。
 同研究室の西広淳助手は「湖の植生は駄目になっても湖底には底力が残っていた。こうした『土壌シード(種子)バンク』に蓄えられた種子の活用は自然の再生に有効な方法だ」と話しており、ほかの地域の再生事業にも応用できそうだ。

植物の種子の寿命は通常長くても10年程度だが、条件次第では非常に長期間仮死状態で休眠し続ける事がある。
その一例がこうして湖底の泥の中に閉じ込められた種子だ。
最高で2000年前のハスの種を蘇らせた例がある。(大賀ハス)
うまく利用できれば過去の植生を再現できるかもしれない。
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2005年02月20日

猫も杓子もバイオベンチャー

私は日経バイオテクノロジーが出しているメールマガジンをとっている。
このメールマガジンはバイオ業界のニュースをいち早く伝えてくれ、
さらに様々なトップ研究者のオピニオンを読む事が出来るので中々面白い。
登録はフリーなのでバイオ業界に興味がある人は登録してみてはどうだろうか?

話を戻そう。
16日付の記事で、編集長の小崎氏が「バイオクラスターの青い鳥論」と言う題で
安易なバイオビジネスへの取り組みに警鐘を鳴らしている。続きを読む
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2005年02月14日

クローン猫特価セール実施中

クローンネコの代金36%安 米企業、顧客拡大狙いか
 【サンフランシスコ13日共同】1匹当たり5万ドル(約530万円)でペットのネコのクローンづくりを請け負ってきた米ベンチャー企業が12日、今後は代金を大幅に値下げし3万2000ドル(約340万円)で販売すると発表した。

以前取り上げたペットクローンビジネスの会社が、販促セールに出ているようだ。
36%OFFとはなかなか思い切ったことをする。続きを読む
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2005年02月01日

特定外来生物被害防止法(外来生物法)規制第一陣リスト決定

<特定外来生物>規制する第一陣に37種指定 環境省が選定

すったもんだの挙句、ようやく特定外来生物被害防止法の規制生物リストが決定した模様。
以下第一陣のリストです。
《ほ乳類》タイワンザル、カニクイザル、アカゲザル、アライグマ、カニクイアライグマ、ジャワマングース、クリハラリス(タイワンリスを含む)、トウブハイイロリス、ヌートリア、フクロギツネ、キョン
《鳥類》ガビチョウ、カオグロガビチョウ、カオジロガビチョウ、ソウシチョウ
《は虫類》カミツキガメ、グリーンアノール、ブラウンアノール、ミナミオオガシラ、タイワンスジオ、タイワンハブ
《両生類》オオヒキガエル
《魚類》オオクチバス、コクチバス、ブルーギル、チャネルキャットフィッシュ
《昆虫類》ヒアリ、アカカミアリ、アルゼンチンアリ
《無脊椎(むせきつい)動物》ゴケグモ属の4種、イトグモ属の3種、ジョウゴグモ科の2属全種、キョクトウサソリ科全種
《植物》ナガエツルノゲイトウ、ブラジルチドメグサ、ミズヒマワリ

リストの3分の1くらい名前が分かりません(笑)
最後まで揉めに揉めたブラックバス(オオクチバス)も結局規制対象になるようです。
釣り業界の反発は必至でしょう。
現在公的に認められている湖以外にもいくつかバス釣りの追加承認が行なわれそうな感じです。続きを読む
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2005年01月31日

DNA鑑定でカキの産地を見分ける

カキDNA産地で違い 東北水産研データ解析 偽装識別へ期待

何でまたわざわざそんな面倒なことを、と思ったら産地偽装を解決するためのようです。
安い韓国産のカキを国内産と偽って流通させる不届き者がいるとか。続きを読む
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2005年01月29日

GM作物の栽培に罰則を科そうとする北海道

<GM作物>実施した場合、懲役含めた罰則科す方針 北海道
 北海道は26日、許可なく遺伝子組み換え(GM)作物を実施した場合、懲役を含めた罰則を科す方針を固めた。無許可で栽培した生産者には1年以下の懲役または50万円以下の罰金になる。道は罰則を盛り込んだ条例案を定例道議会に提案し、来年1月の施行を目指す。GM作物の規制に関する条例化は全国で初めてとなる。

GM作物に否定的な毎日新聞。
今回もなかなか正直な記事タイトルを付けてくれています。
「実施した場合、懲役含めた罰則科す方針」
許可さえ降りれば栽培できるようなふうに書かれていますが
道庁農政部に許可を出す気なんてないのはこれまでの経緯から分かりきってます。
さすがは毎日新聞、「許可無く」なんて付け加える必要が無いことをよく理解しています。続きを読む
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2005年01月26日

正しい種類の油脂を選べば心臓病のリスクは減少する

Scientific Amerikanより

正しい種類の油脂を選べば心臓病のリスクは減少する
健康的な食事を作り続ける事は、何を食べればいいか次々と相反するアドバイスを浴びせられる多くのアメリカ人にとって大きな難題だ。少なくとも望ましいとされる油脂の摂取量は、ゼロから無制限までの範囲にわたっている。
一体何が正しいのか?
最新の研究成果は、少なくとも中年男性にとって最も重要なのはどれだけの油脂を摂取したかではなく、どんな種類の油脂を摂取したかであると示唆している。
これまでの研究によって、飽和脂肪の摂取がLDL(悪玉コレステロール)の増加に寄与するのに対して、多価不飽和脂肪の摂取がLDL(悪玉コレステロール)の濃度に有益な影響を与えることが示されている。
そのため、多くの患者は心臓病のリスクを減らすため、動物性脂肪や植物性固体ショートニングなどの飽和脂肪を不飽和脂肪である天然植物油に置き換えるようにアドバイスされる。
しかしこの仮説を確かめるために利用可能な病院外での個人の長期間データはほとんど存在しなかった。
フィンランド、クオピオ大学のデビット・E・ラークソネン氏と彼の同僚達は1551人の中年男性を15年に渡って追跡調査し、彼等の食習慣の情報を集め、コレステロール濃度を測定した。
研究チームの調査の結果、タバコ、年齢、体重、家系といった他の要因を考慮すれば、脂肪の全摂取量は心臓病リスクの増加と関連していなかった。一方で、比較的多量の不飽和脂肪を含む食事をするグループは、不飽和脂肪の摂取量がもっとも少ないグループに比べ、心臓病で死ぬ率が3分の1程度であった。前者のグループに属する者は後者のグループに属する者のほぼ2倍の不飽和脂肪を摂取していた。

中年男性にとって、心臓病の危険を減らすためには食物脂肪の量よりも質がより重要なようであると筆者は結論付けている。「心臓病の第一の防止策として飽和脂肪を多価不飽和脂肪に置き換えるという勧告を成し遂げれば、大幅に心臓病を減らし、総合的な死亡率を低下させることができるだろう」--サラ・グラハム

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2005年01月24日

有酸素能と循環器系危険因子の関係

Scientific Americanより

走るラットは心血管系危険因子を浮き彫りにする。(翻訳)
「有酸素能が低いことはジムでもっとも遅いランナーであるよりもさらに大きな問題である」ということを最新の研究が示した。ラットによる研究の結果によれば、有酸素的作業能が先天的に高いラットに比べ、有酸素能に障害を持つ動物は心臓病に関連するより多くの危険因子を示す。

ミシガン大学ヘルスシステムのスティーブン・L・ブリトンと彼の同僚達は、実験のために11系統の実験用ラットを選抜育種し、各系統で酸素を効率よく利用する能力がまったく異なるようにした。
「基本的に、私たちはミトコンドリアの機能にかかわる低濃度のタンパク質をコードする遺伝子を育種しています。私たちの仮説は、ミトコンドリア機能の欠損が低有酸素能と病気を結びつけるものであるかもしれないというものです。」とブリトン氏は説明する。彼等がラットをトレッドミルテストにかけた結果、あるグループは14分で疲労したのに対し、酸素利用能のもっとも高いグループでは42分間も走り続けた。酸素受容能力の低いグループは長距離を走れるグループに比べ、疲れやすいのに加えて高脂血症、インスリン抵抗性、腹部脂肪の多さ、高血圧、血管障害を持つものが多かった。


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