2007年07月03日

ピロリ菌の先祖は海洋細菌

Yahoo!ニュース - 時事通信 - ピロリ菌先祖、深海に=熱水環境の細菌、ゲノム解読−海洋機構
 胃かいようや慢性胃炎の原因となる細菌の一種「ヘリコバクター・ピロリ」(ピロリ菌)の祖先が、深海底に広く分布する微生物であることを、海洋研究開発機構の研究グループがゲノム解析によって突き止めた。これらの細菌が人の体に住み着くようになった進化の過程解明につながるという。3日付の米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載された。
 研究グループは沖縄本島の北西約200キロ、水深約1000メートルの海底から熱水が噴出する場所で、「イプシロンプロテオバクテリア」と呼ばれる微生物2種を採取。ヒトの1000分の1以下の小さなゲノムに、それぞれ2466個、1857個の遺伝子が見つかった。解析の結果、ピロリ菌には残がいしかない、二酸化炭素から有機物を作り出す遺伝子を、微生物は完全な形で持っていた。

へえ、どういう経路で動物の胃に住み着いたんだろう?
脊椎動物の進化の過程に一緒に付いてきたんだろうか?

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キメラサバにマグロを生ませる

Yahoo!ニュース - 時事通信 - 「サバからマグロ」実現へ本腰=精子のもとを移植−将来は量産化も・東京海洋大
 「サバがマグロを産む」−。マグロの精子のもととなる細胞をサバに移植し、サバの自然受精によってマグロを誕生させる研究を、東京海洋大学の吉崎悟朗准教授が年内に本格化させる。研究が成功し、将来の量産化につながれば、世界的な乱獲を背景に進むマグロ資源の減少に一定の歯止めが掛かる可能性がある。
 マグロとサバは同じサバ科に属し、遺伝子的にも関係が近い。研究ではまず、クロマグロの精巣から精子のもととなる細胞「精原幹細胞」を取り出し、卵からかえったばかりのサバの稚魚の腹に移植。オスの稚魚はサバとマグロ両方の精子を作り、メスも両方の卵を作る。成長したサバのオスとメスで受精卵を作れば、サバに加えマグロも産まれる、と見込んでいる。

面白い研究。
マグロ好きの日本人ならではの研究と言おうか。
他の魚種にも応用が利きそうだ。
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2007年07月01日

合成生物学 ―生命を理解し、分解し、再構築する―

ちょっと前にID論ネタで産経新聞がトンデモ記事を書いた時に、
こんな事を書いたのですが…
幻影随想: インテリジェント・デザイン論(ID論)にはまっちゃった?筑波大名誉教授
「合成生物学」という文字通り人工生命の合成を研究する学問領域がある。
ここ10年ほどで成立した新しい学問分野だが、既に細胞様の構造物の合成に成功したり、代謝を行わせたりすることに成功している。今は自己増殖というところでつまっているらしいが、おそらくあと10年もすれば微生物のパーツからの再構成が可能となり、生物の1からのデザインが可能となっているだろう。
今はまだ小さい領域で人も金も足りていないから、「世界中のお金を集めて世界中の科学者を総動員」なんてやったら
案外あっさりと人工生命体が誕生するかも知れない。

合成生物学 - Wikipedia

最近こんなニュースが相次いで出されました。
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飼い猫の起源

ネコかわいいよネコ。
イエネコの祖先はリビアヤマネコ、遺伝子解析で判明 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 ペットのイエネコの祖先は、中東の砂漠などに生息するリビアヤマネコであることが、世界の1000匹近いネコの遺伝子を解析してわかったと、米英独などの国際チームが、29日の米科学誌サイエンス(電子版)に発表した。
 イエネコの祖先はこれまでも、体の形などからリビアヤマネコと考えられてきたが、遺伝子で裏付けられた格好だ。

Technobahn ニュース : ネコのルーツは中東、国際研究グループによる遺伝子調査で明らかに
 研究グループはネコの遺伝子の解析を進めることで、ネコの起源がエジプトからメソポタミアまで半月状に広がるFertile Crescentと呼ばれる中東の肥沃な地域であることを確認した。

 研究グループでは、イエネコの祖先は今からおおよそ10万年前以上前に、ヒトによって野生から切り離され、その後は中東の農業を営むコミュニティーで家畜としての進化を遂げたのではないかと見ている。
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2007年06月28日

無酸素状態で60日間生きられる魚

仮死状態で耐えるんだろうけど、卵(胚)の状態とはいえよく生きていられるな。
Killifish can survive without oxygen for 60 days - life - 27 June 2007 - New Scientist
How long can you hold your breath? For even highly trained humans, it's a few minutes, tops. Compare that with the killifish, which can survive without oxygen for more than 60 days, by far the longest of any vertebrate.

Annual killifish, Austrofundulus limnaeus, live in temporary ponds in arid regions of Venezuela. Their embryos ride out seasonal droughts buried in mud, where microbial action often uses up all the oxygen.

この一年生のメダカの一種、Austrofundulus limnaeusという魚は、ベネズエラの乾季には干上がってしまう池に生息している。この魚の卵は、乾季には干上がった池底の泥の中に埋まり、次の雨季が来るまで無酸素状態の中たくましく生き延びるらしい。
60日間無酸素状態においても半数の卵が孵るとか。
カブトエビみたいな魚だ。

脊椎動物でこれだけ無酸素状態に耐えられる動物は他におらず、次点の亀や金魚でも数日が精一杯。研究者らによると、このメダカの卵は嫌気代謝を非常にゆっくりと行っており、どうもこれが嫌気耐性の秘密らしい。現在はこの特性をもたらす遺伝子を特定中であり、メカニズム解明のあかつきには医療分野で様々な応用が期待できるそうだ。
posted by 黒影 at 23:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

遺伝子組換え作物の世代交代始まる

もう一年半ほど前になるのかな?
以前私はGMOに関してこんなことを書いたのですよ。
別に特別な事じゃなくて、バイオ業界にいるちょっと詳しい人なら誰でも知っているレベルの話ですけど。
幻影随想: GM作物の栽培に罰則を科そうとする北海道
今現在主流となっているGM作物は、第一世代のGMOです。
第一世代のGM作物は、病害虫耐性や除草剤耐性など、農家側のメリットを主とした改良品種です。
手間=コスト削減による価格競争力はありますが、作物の品質としては従来のものと変わりません。
そして現在研究が進められているのが第二世代のGM作物。
これは味や形をよくしたり、栄養価を高めたりといったような
食品の高付加価値化を進めたGM作物の発展形です。
これから先数年のうちに、第一世代のGM作物は第二世代のGM作物に取って代わられて行くことになります。


そしてここ一月ほどの間に出たニュース。
Yahoo!ニュース - 時事通信 - バラの香りのトマト=遺伝子組み換えで開発−イスラエル
 バラやレモンに似た香りのするトマトを遺伝子組み換え技術で開発したと、イスラエルの農業研究機関や米ミシガン大などの研究チームが25日、米科学誌ネイチャー・バイオテクノロジーの電子版に発表した。微生物への抵抗力も強くなるため、店頭での日持ちも良くなるかもしれないという。
 研究チームは、料理に使われるハーブ類、レモンバジルの「ゲラニオール」合成酵素遺伝子をトマトに組み込んだ。その結果、ゲラニオールからバラやレモンに似た香りのさまざまな物質が生み出された。ただ、健康に良い抗酸化作用がある赤い色素「リコピン」は減り、赤みが薄くなった。
 一般の37人に普通のトマトと比べてもらったところ、7割が食べた際の香りが強いと答え、6割がより好きだと回答したという。

asahi.com: 「ワクチン米」を開発 まずは対コレラ 東大医科研 - サイエンス
 東京大学医科学研究所の野地智法研究員、清野宏教授らのグループが、コレラワクチン入りの米を遺伝子組み換え技術で開発し、動物で効果を確認した。米科学アカデミー紀要電子版に今週発表する。冷蔵や注射を必要としない「次世代ワクチン」が米を利用して登場しそうだ。

 グループは、腸の粘膜からワクチンを吸収させて、免疫を獲得させる方法を探ってきた。

 今回、ワクチンとなるコレラ毒素の一部をつくる遺伝子をイネに組み込み、ワクチン入りの米をつくった。この米を粉末にして与えたマウスでは、コレラ毒素を与えても下痢になるなどの症状が出ず、ワクチン効果を確認できた。


大方の予想通り、順調にGMOの世代交代が進みつつあるわけで、
ブラインドテストを行ったら多数がそっちを選ぶ品質のGMOが出現しつつあります。
今はまだ試験段階ですが、そのうちさらに完成度を上げた次世代GMOが続々登場してくる事でしょう。

栽培に手間が要らず、おいしく、栄養価が高く、しかも安い次世代GMO作物が市場を席巻したとき、今のまま行くと米以外の穀物と野菜では日本の農業は海外に太刀打ちできなくなります。
だからそうなる前に対抗策を取っとけと日経バイオ辺りは盛んに警告してるんですが、こういう危機感って一般にはほとんど伝わっていないのが実情でして。
どうしたらいいんでしょうね?

アンチGMOな人達も、こんな風↓にピント外れの批判をして自己満足に浸っているだけでなく、もっと先を見ないと時代に取り残されるぞ〜
幻影随想: 毎日新聞がまたやってくれちゃっている件について
幻影随想: イリーナ博士東京公演レポート
posted by 黒影 at 02:05 | Comment(7) | TrackBack(1) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月26日

生化学若い研究者の会 夏の学校2007

突然ですが、北大にいた頃私は「生化若手の会」というものの北海道支部に所属していました。
正式名称は「生化学若い研究者の会」と言って、
名前通り研究者の卵が集まって飲んだり勉強会を行ったりと楽しくやると言う趣旨の集まりです。
今も友人のT君を中心にまったりやっている事でしょう。


で、この生化若手の会ですが一応全国規模の組織でして、年に一回泊りがけの交流&勉強会を行ってます。
院にいた頃は行く機会が無かったのですが、今年は丁度休みが取れたので参加してみようかなと。
もしこのブログを読んでくれている人で「私も参加する」と言う人がいたら会場でお会いしましょう。


一応今週末まで参加申し込みを受け付けてます。
別に会員でなくても自由に参加できるので、よろしければ皆さんもどうぞ。
生化学若い研究者の会 - 2007夏の学校topページ
2007年 生命科学 夏の学校
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日時: 2007年 8 月 3 日(金)〜 5日(日)
会場: 国立女性教育会館(埼玉県・池袋駅から一時間強)
主催: 生化学若い研究者の会
後援: 日本生化学会、 科学技術振興機構
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posted by 黒影 at 00:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月10日

オポッサムの全ゲノム解読完了

関連ニュースをまとめてクリップ
有袋類のゲノムを解読した事で、また一歩進化系統樹の解明が進んだな。

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2007年05月04日

PCR増幅装置の革命

5号館のつぶやき経由、
Mini DNA replicator could benefit world's poor - health - 01 May 2007 - New Scientist
A pocket-sized device that runs on two AA batteries and copies DNA as accurately as expensive lab equipment has been developed by researchers in the US.

The device has no moving parts and costs just $10 to make. It runs polymerase chain reactions (PCRs), to generate billions of identical copies of a DNA strand, in as little as 20 minutes. This is much faster than the machines currently in use, which take several hours.

小型DNA複製装置が世界の貧困層に恵みをもたらす
単三電池二本で動き、高価な実験室の装置とおなじくらい正確にDNAを増幅するポケットサイズの装置をアメリカの研究者らが開発した。

この装置には駆動部は存在せず、製作にかかる費用はわずか10ドルである。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によりわずか20分で数十億のDNA配列の複製を作り出す。これは現在使われている装置――数時間かかる――に比べて格段に早い。

わずか10ドルで作れて、一回20分で終わるPCR装置か。
駆動電力も少なく、コンパクトで正確。
実にすばらしい。

これを使ったら医療検査装置の革命が起きるぞ。
記事の表題どおりに、高価すぎて貧困層がこれまで受けられなかった医療検査なんかにも価格破壊をもたらすだろう。
posted by 黒影 at 21:52 | Comment(4) | TrackBack(0) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月01日

ウジ虫に壊死した組織を食わせて治療する

この治療法、元はどこかの古い民間療法だったはず。
確かアジアかアフリカのどこかじゃなかっただろうか。
近代でも戦場の経験則から現場では知られていたみたいだが。

Yahoo!ニュース - 産経新聞 - マゴットセラピーで効果 糖尿病など患者9割が足切断回避
 糖尿病などで足が壊死(えし)する「難治性潰瘍(かいよう)」で切断しか治療法のない患者に、岡山大の三井秀也講師(心臓血管外科)が「マゴット(ハエ幼虫)セラピー」という治療法を行ったところ、9割の患者が足を切断せずにすむなど高い効果が認められていることが30日、分かった。

 日本では壊死による足切断は3000例を超えるとされる。三井講師は秋にも医師主導臨床試験に取り組む予定。英国では保険医療が認められ、年間数百人が治療を受けている。

 マゴットセラピーは、壊死した皮膚にハエの幼虫をガーゼとともに固定して行う。幼虫が腐敗した部分を食べ傷をきれいにするとともに、幼虫の唾液(だえき)に含まれる物質が微生物を殺す役目を果たし、傷の回復を早める。週に2回ほどガーゼを取り換え、2〜3週間で効果があらわれる。

ウジ虫というと普通は汚いものの代名詞のように言われているが、実際のところは、どんな汚いところでも生きていけるだけの高い免疫力を持ったすごい奴らなのだ。
だからこんな風に治療に使う事も可能で、しっかりしたサバイバルの本なら怪我の処置の項目にこの方法が出てきたりする。


もっとも、皮膚の上をウジ虫が這いまわるのは万人が受け入れられる治療法では無いと思うけどね。
私は子供の頃釣り餌としてさんざん使っていたのであまり抵抗感無いんだが。
この治療法を聞くと小学校の頃に読んだ"はだしのゲン"を思い出すな。
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2007年04月27日

遺伝子組換えによるアルカリ土壌耐性イネの作出

もういっちょバイオネタ。
バイオウォッチャーとしてこの手のネタは見逃せない。

Yahoo!ニュース - 産経新聞 - 「不良土壌」で育つイネ 東大開発、温暖化防止貢献に期待
 植物の生育に不可欠な鉄分の吸収力を強化し、アルカリ性の土壌でも鉄欠乏にならずに成長するイネを、東大大学院農学生命科学研究科の西澤直子教授らが開発した。生産性が極めて低いアルカリ土壌は、地球の土壌の約3分の1を占めるとされ、この不良土壌でイネなどが栽培できれば、途上国の食糧不足解消や緑化による地球温暖化防止にもつながることも期待されるという。

イネ科植物の遺伝子組み換え技術も、もう完全に実用段階だ。
後はアプリケーションか。
まだまだ感情的な反発が根強いからねぇ。
posted by 黒影 at 01:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

中国の親子鑑定センターは修羅場製造所か?

ちょっと古いニュースだが、インパクトが強かったので紹介してみる。
Yahoo!ニュース - Record China - DNA親子鑑定で「否」、2006年は28%にも−北京
2007年3月8日、北京第一遺伝子鑑定センターは3年分の親子鑑定数を公表した。それによると、2004年の鑑定件数約600件、うち15.6%が親子関係のない「否」の判定だった。2005年は約3000件の22.6%、2006年は約4000件の28%が「否」となった。
鑑定で親子関係がないと判断されるケースが年々増加傾向にあり、このまま歯止めがかからなければ、いずれ危険な結果を招くことは言うまでもないだろう。


親子鑑定が行われるのは、主に親が自分の子に疑いを抱くときである。
つまり疑うに足る何らかの理由があるときに行われるわけで、
当然鑑定結果が「否」となる率も相当高まるわけだが…
それでもこの28%という数字は高すぎじゃなかろうか?


血のつながりを重視する中国人がこんな結果を受け取ったら、それこそ血を見るまでおさまらんのじゃなかろうか。
日本の数字もどの程度か知りたいものだ。
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2007年03月30日

本当にクローンオオカミを作っていたらしい

昨年始めに例の幹細胞騒動で世間をにぎわしていた韓国のファン教授。
彼は捏造が暴かれた後で、言い逃れのネタにクローンオオカミだのクローン虎だのという胡散臭いネタを持ち出してきた。
当時はそれこそ「またオオカミ少年が何か言ってるよ」と聞き流していたのだが、どうもクローンオオカミについてはマジだったようだ。

ようやく日の目見た「クローンオオカミ」
 ソウル大学獣医科の李柄千(イ・ビョンチョン)教授チームは韓国でのクローンオオカミ<写真>の誕生に成功し、論文も作成していたが、ES細胞問題の影響で世界的な雑誌への掲載ができなかったことが分かった。

 李教授チームは雌オオカミの皮膚細胞を核が取り除かれた犬の卵子と融合させてクローン受精卵を作り上げた。その後代理母となる犬の子宮に着床させ雌のクローンオオカミ2匹を誕生させた。

 李教授チームはクローンオオカミの論文をクローン犬・スナッピーの研究を発表したネイチャー誌に投稿したが、ES細胞論文捏造事件の影響で同誌が掲載を拒否した。クローンオオカミの論文に黄禹錫(ファン・ウソク)氏の名があったからだ。当時論文を審査した編集委員は一部を修正すれば掲載を検討するとしたが、編集長の職権で掲載不可の方針を決定したという。


クローン犬にしろクローンオオカミにしろ、ファン教授は名前を貸しただけで実際の研究を行っていたのが他の研究者だったため、捏造がなかったのだろう。
しかしファン教授の名前が入っていたばかりにNatureからは論文をRejectされる羽目に。
当時の韓国の研究事情ではファン教授の名前が入っていないと予算が取れなかったという同情すべき点もあるが、そりゃ蹴られてもしゃあないわな。

他のニュースサイトではこの技術成果を元にイヌのクローンビジネスを考えているとか書かれていたが、アメリカのGSC社も結局ペットクローンビジネスの縮小を余儀なくされたし、採算を取るのは難しいんじゃなかろうか?

幻影随想: 韓国幹細胞狂騒曲
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2007年03月16日

生命進化の隠された秘密

種間交雑というのはこれまで考えられていたよりも生命の進化、新種の誕生に関わりが深いらしい。

Interspecies Sex: Evolution's Hidden Secret?
種間交雑−進化の隠された秘密?−
自身と異なる種と交配することは、思ったよりも奇妙な行動でも無分別な行動でも無いらしい。
交雑は自然界で広く見られるだけでなく、これまで考えられていた以上に多くの新種を誕生させている事が最近の研究によって示された。
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posted by 黒影 at 00:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月14日

男性の汗の臭いから女性のホルモン分泌に影響を与える物質を発見

男性の汗の臭いに含まれる化学物質の中から、女性に影響を与えるものが見つかったというお話。
動物にはよくある話で、一番有名なのが異性を惹きつける性フェロモンです。
この化学物質は残念ながら惚れ薬の材料にはなりませんがw

ScienceDaily: Male Sweat Boosts Women's Hormone Levels
男性の汗が女性のホルモンレベルを上昇させる
Just a few whiffs of a chemical found in male sweat is enough to raise levels of the stress hormone cortisol in heterosexual women, according to a new study by University of California, Berkeley, scientists.
カリフォルニア大学バークレー校の科学者達が行った新しい研究成果によると、男性の汗から見つかった化学物質が、ごく少量で女性のストレスホルモンであるコルチゾールの分泌レベルを引き上げる事が分かった。

ストレスホルモンを誘発するというのがちと微妙ですね。
不安感を取り除くようなものなら女の子を口説くにもってこいなんですが。


特定の化学物質のヒトフェロモンとしての働きが明確に証明されたのは、実はこれが初らしいです。
世の男性の夢が見つかったわけではありませんが、この化学物質もそのうち『危険な魅力をアピールするフェロモン』とか何とか適当に理由付けて男性向け香水に含まれるようになるのかも知れません。

フェロモン - Wikipedia
posted by 黒影 at 00:27 | Comment(1) | TrackBack(0) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月07日

アメリカのエタノールフィーバーが穀物の値上がりを引き起こしている件について

ちょっと前に日経ビジネスでも大きく紙面を割いて特集していたが、
現在アメリカでは再生可能エネルギーに大きな注目が集まっている。
中でも特にホットなのがバイオエタノールで、去年の半ばあたりから原料となるコーンの大幅な値上がりが始まっているほどである。

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posted by 黒影 at 00:43 | Comment(12) | TrackBack(2) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月04日

論文捏造を批判するためにパクリ本を書きました

休日出勤した職場で昼休みに読んで、腹を抱えて笑ったニュース。
これはむしろトンデモカテゴリ行きにすべきかもしれない。

黄教授の捏造に警鐘を鳴らした反省本 実は外国本の盗作 ピーノの独り言/ウェブリブログ

もうね、アホかと。続きを読む
posted by 黒影 at 23:45 | Comment(2) | TrackBack(0) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月28日

ミルクが先か、遺伝子が先か?

news @ nature.comより
Ancient DNA solves milk mystery?-?Analysis of fossilized bones suggests milk-drinking mutations emerged after dairy c.
古代のDNAが牛乳の謎を説く
−化石人骨の解析は、牛乳を飲む変異が牧畜開始後に広まった事を示す−
When did ancient populations learn that drinking milk 'does a body good'? A team of scientists in Germany has tried to answer this question by studying ancient DNA extracted from skeletons thousands of years old.

古代の住人が牛乳を飲む事が体にいい事を知ったのはいつ頃だったのだろうか?
ドイツの科学者チームが、数千年前の人骨から抽出された古代のDNAを解析する事により、
この疑問に答える事に挑戦する。

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2007年02月25日

チンパンジーの石器時代

ちょっと前のニュースだが、チンパンジーの道具使用について面白い発表が相次いでいたので取り上げてみる。
あいにく国内では読売くらいしか扱っていなかったが、海外では結構大きな扱いの記事として各紙が取り上げていた。
#残念ながら海外では大きく取り上げられる科学記事も、国内では取り上げられない事が多い。


news @ nature.com?-?Oldest chimp tools found in West Africa?-?Apes could have passed down skills for thousands of years.
Ancient chimps may have used hammers - Yahoo! News
Chimps used tools as early as the Stone Age: study - Yahoo! News

チンパンジーが4300年前に作った打製石器を発見 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 【ヒューストン(米テキサス州)=増満浩志】チンパンジーが4300年前に作った打製石器をアフリカのコートジボワールで発見したと、カナダと米英独の共同研究チームが12日、発表した。

 この地域に現生するチンパンジーは木の実を割る道具として石を使うが、研究チームは「人間をまねて始めたのではなく、人類との共通祖先から受け継がれているのかもしれない」と指摘。近く米科学アカデミー紀要に掲載される。


チンパンジーが道具を使うというのは結構良く知られているけれど、一部の群れが石器を使うというのは私もこのニュースを見て始めて知った。
それも昨日今日使い出したのではなく少なくとも4000年前には使っていたようだ。


でもってもう1つがこちらのニュース。
チンパンジーが木の槍を使って狩りをするというもの。
news @ nature.com?-?Chimps make spears to catch dinner?-?Wooden weapons are a first in animal kingdom.

私は人類学者でも霊長類学者でもないが、これらの記事に目を通したときは興奮したね。
道具を使う文化を持っている群れなら手と頭が進化する方向に淘汰圧がかかるからな。
いわば高度な文化を発展させうる可能性を持つヒューマノイド予備軍といったところか。

ホモサピエンスとは数百万年分くらい差が開いているが、この先どうなるのか実に興味深い。
posted by 黒影 at 02:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月07日

再生医療の二つのニュース

最近再生医療関連で二つほど見逃せないニュースがあったので、
忘れないうちにフォローしておく事にする。

一つ目がこれ
asahi.com: ES細胞から人工肝臓、マウス実験で成功 岡山大助手ら?-?サイエンス
 いろいろな組織や臓器に育つ可能性があるマウスの胚(はい)性幹細胞(ES細胞)から作り出した肝細胞を袋状のものに組み込んで体内に埋め込む「人工肝臓」を、岡山大大学院医歯薬学総合研究科の小林直哉助手(45)らのグループが開発した。肝臓の9割を切除したマウスに埋め込んだ実験でも救命効果が認められた。ヒトのES細胞の利用には倫理的な課題があるが、将来の人工肝臓の臨床応用に近づく成果と注目される。

幹細胞を利用した再生医療の具体例として、かなり実用に近づいてきた感じ。
肝臓の細胞ならわざわざ幹細胞から作らんでもいいような気もするが、まあそういう突っ込みは野暮というもの。健康な肝細胞を採取できない病人向けの治療という事なんだろうな。
倫理面での問題さえクリアすれば、臨床にも近そうな研究で期待が持てる。

そして、その倫理面での問題をクリアする方法になるかもしれないのがこちらのニュース。
asahi.com: 拒絶反応減る万能細胞 余分な染色体除去 京大助教授ら?-?サイエンス
 病気や事故で傷ついた体を補う再生医療に使った時に拒絶反応が起きにくい「万能細胞」を、京都大再生医科学研究所の多田高(たかし)助教授らのグループが作った。マウスの胸腺細胞に、様々な組織に育つ可能性を持つ胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を融合して「万能性」を持たせ、融合した細胞から拒絶反応の原因となるES細胞側の染色体を丸ごと取り除いた。5日発行の米科学誌ネイチャー・メソッズに発表した。

体細胞とES細胞を融合させて万能細胞化した後で、ES細胞由来の染色体だけうまく取り除こうというコロンブスの卵的な発想。この方法が実用化可能なら、いちいち新しいES細胞を作らずとも幹細胞を得られるわけで、倫理面のハードルをかなり無くす事が可能となる。

どちらのニュースも今日明日にどうこうという話じゃないが、
5年後くらいには臨床に移っていたらといいのにと思う。
posted by 黒影 at 23:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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