2009年06月04日

もし水が記憶を持つのなら、ホメオパシーは○○だ!

via ちょっと下品ですが | 鼬、キーボードを叩く

fullofshit.jpg
s言葉に文字通りの意味と、「うそ八百」という派生的な意味と両方掛けているわけだな。
こんなにハマるとは、と思わず吹いた。

以下のエントリと合わせてどうぞ
幻影随想: ホメオパシーヤバイ
だって普通は水とか記憶しないじゃん。だって自分の尿の中の水分が個人情報記憶してたら困るじゃん。下水道経由して大海原に個人情報流出とか困るっしょ。
だから水道水とか記憶しない。話のわかるヤツだ。
けどレメディはヤバイ。そんなの気にしない。記憶しまくり。ベンベニストが水の記憶のネタでイグノーベル賞2回とれるくらいヤバい。ヤバすぎ。


2009年06月02日

疑似科学ウォッチャーが非ウォッチャーの彼女に疑似科学世界を軽く紹介するための10題

初心者のためのニセ科学入門10題として以前作ったネタがHDDの整理中に出てきた。
既に時期を外すこと夥しいのだが、折角書いたのにこのまま削除するのももったいないので載せておくことにする。
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2009年04月02日

「自分の目で見たものしか信じない」などと言ったり思うのはよしなさい

私は月マガで連載中の海皇紀というマンガのファンなんだが、
そのマンガの中で主人公がこんなセリフを口にする場面がある。
海皇紀6巻P95より
『「自分の目で見たものしか信じない」
などと言ったり思うのはよしなさい…と
おふくろに言われて育ったんだ
見なくとも真実はあるだろうし……
逆に言や…
この目で見たからといって
必ずしもそれが正しいとはかぎらない…とね』

疑似科学ウォッチングをやっていると、ビリーバーの中に
「自分の目で見たものしか信じない」とか
「私は実際に見た/体験した、だから○○は正しい/△△は効く/□□は存在する」
というニュアンスの言葉を口にする人をちょくちょく目にする。
あるいは、これの裏返しで
「お前は見た/試したのか、見も/試しもしないのに否定するな」
というのも結構ある。

もちろん安易な否定者の側にも、「自分の目で見るまで信じない」なんて軽々しく口にする同類はいる。



◆「自分の目で見たものしか信じない」の危うさ
この手の「自分の経験・体験」を絶対視する考え方というのは、ナイーブを通り越して危険ですらある考え方だ。
なんせこの言葉は裏を返せば、それがイカサマだろうが、「一般人の常識」に反する物理化学現象に都合のいい説明をでっち上げただけだろうが、目の前で見せられさえすれば相手の言うままに信じてしまうということと同義なのだから。
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2009年03月22日

グローバルエナジーjpの"超発電機"が面白すぎる

前エントリの関係で色々と調べていたら、木下ファミリーの前の商売ネタである、
グローバルエナジーjpの超発電機が面白すぎて笑い転げた。
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2009年03月21日

毎日新聞がフリーエネルギー詐欺に引っ掛かっている件について

昨日疑似科学関連のニュースをつらつらと見ていたら、こんな記事を見かけた。
毎日新聞は相変わらず疑似科学にまるで免疫がないようだ。
この程度のネタを笑い飛ばせない記者には、特許とか新製品とか取材させないほうがいいよ。>毎日新聞

発電装置:太陽光や風力より効率良く、電磁力で電力供給−−木下さん開発 /神奈川 - 毎日jp(毎日新聞)
 電磁力を応用した高効率な小型発電装置を、相模原市の「ソフォス研究所」代表の木下博道さん(74)が開発した。川崎市の住宅展示場で19日から実用運転の公開展示をする。木下さんは「装置は使う場所に置くのでロスが少なく、電線などのインフラ整備が一切不要。太陽光発電や風力発電に比べて格段と効率が良く、電力供給の分散化が図られる。地球環境にやさしく、低炭素社会にふさわしい装置だ」と話している。【高橋和夫】

以下解説。続きを読む

2009年01月18日

大槻先生、アポロ陰謀論ごときにあっさり引っ掛かるようでは困ります

昨年末に放送された「ビートたけしの禁断のスクープ大暴露!!超常現象[秘]Xファイル」でアポロ陰謀論が取り上げられたそうです。
私はテレビを見ない人間なのでこの番組も見ておらず、ゆえに言及も控えていたのですが、番組に関するあちこちのブログでの言及の中で一つ看過できない情報がありました。
大槻先生と「月の石」
大槻義彦先生についてはいろいろ思うところはあり、「ニセ科学批判のパイオニアとして偉大だが、頑固な科学者像を自演するところは見ていて気分がよくないし、批判対象に対して不勉強にすぎるケースが目立つ」というのが僕の基本的な評価です。僕も不勉強ですけど、レベルが違う(^^;

しかし、単に不勉強なだけではなく、明らかにまずい発言もあります。
その最たるものが「月の石」問題で、どうも以前から「アポロが持って帰ったと称する月の石は、地球の石ではないか」という発言を繰り返しておられるようです。昨日放映されたビートたけし司会の超常現象番組でも、同趣旨の発言をされていたようです。
アポロが月面に置いたレーザー反射板についても疑念を表明しておられ、要するに明確には言われないものの、アポロ月面着陸捏造説にかなり傾いているのかな、と思わせられます。

真意はわかりません。どうしたいのかもわかりません。
しかし、まずいことは間違いない。

アポロ陰謀論は私も以前から懸案事項の一つとして捉えていたものであり、このテレビでの発言が事実なら確かに問題だと感じました。
そして、これはもう看過することは出来ないレベルに達していると感じたのが、大槻氏のブログでの以下の記述です。

大槻義彦のページ ―大槻義彦公式ブログ― powered by ココログ: 1月 第5回 【読者の方からのメール】2009/01/18魚拓
月の石の研究成果は十分行われている、ということですが私はまったく違った考えを持っております。
年代測定は誤差が大きく決定的な結論は出せないでしょう。鉄、カリウムの含有量が少ないということですが、これもばらつきがあり決定的な証拠にはならないですね。この程度の研究ではあてにはなりません。
<中略>
東大の月の石の展示は2007年10月でした。しかもこれは東大物性研の展示ではありません。東大の『総合博物館』の展示でした。
私が、当の東大物性研では月の石の在り処も知らない、と発言した後のことでした。おかしな動きを感じます。

レーザー反射鏡のことですが、現在その反射鏡でレーザー反射実験ができないのはなぜでしょうか。また、やろうともしないのは何故でしょうか。

アポロ陰謀論は、数ある陰謀論の中でも最も稚拙な論の一つであり、
その主張は「ことごとく」証拠を元に反論されています。

無論のことながら月の石に関する話も木っ端微塵にされていますし、
月のレーザー反射器を使った実験も、一度しか行われていないどころか、現在でも世界各地で毎年行われているものです。
仮にも疑似科学批判を行おうという人間が、ろくに事実確認もせぬままに、この程度のちゃちな陰謀論に引っ掛かるようでは困るのですよ。
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2009年01月11日

駆け出し研究者が科学のために立ち上がる方法のガイド

悪質なニセ科学の主張に遭遇して怒りを覚えるというのは、科学に関わるものであれば一度や二度は必ず遭遇するものである。
そういった情況に遭遇したときには、どのような行動を取ればよいのだろうか?
2007年、イギリスの若い科学者らがこの疑問に対し一つの答えを出した。
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2009年01月02日

フュージョンエクセル社、スカラーエネルギーというキーワードにご用心

ニセ科学商売のことは、その商売を行っているものに直接聞くのが一番よい。
現在何が流行っているのかというリアルタイム性の面から、そして情報量的にも、ニセ科学商売の教祖のサイトなんかは格好の観測ポイントとなる。
ゆえに私に限らず疑似科学ウォッチャーには、こうしたサイトを定期的にチェックしているものが多い。

さて、先日江本勝のブログを読みに行ったら、こんな記事を見つけた。
水からの伝言 : マニラセミナーフュージョンエキセル社は、マレーシアに本部を持つ国際ネットワークシステム企業です。その商品がスカラーエネルギーを基本としたもので、いわゆる未知のエネルギーを商品化したものですから、私どもの結晶写真撮影技術に注目し、商品の撮影依頼などが過去にありました。
その結果、マニラ、バンコク、クアランプール、ジャカルタにおいて、そのディストリビューターを集めての大会が今回開かれることになったのです。

私のトンデモセンサーがびんびんに反応したため、FusionExcel社のサイトを訪問してみた。
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2008年12月29日

「身土不二」を題材にしたTOSSの食育教材がダメダメな件について

今日疑似科学系のはてブをつらつらと眺めていたら、こんなものを見かけて思わず噴き出した。

身土不二 65歳のときに健康か
TOSS系の教材で食育を題材にしているという、通にはこれだけですぐピンと来る地雷だ。
早速読みにいってみたら、これが予想以上のトンデモ教材だった。

おそらく信頼性の低い本やWebの記述を、ろくに検証もせずに使っているのだろう。
文章中に出てくるキーワードを元に軽く調べてみただけでも、TOSS系のサイトで同様のトンデモ記述を行っているサイトが他に二件、それ以外のWebサイトでも何件かヒットした。
「大腸がん」を防ぐためのポイント3
タヒチ・トンガ◆タヒチ・トンガの食生活◆
教師がこの程度のトンデモに易々と引っかかるようでは困るので、ちょっと取り上げておくことにする。
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2008年11月17日

藤田センセのトンデモ血液型本が素敵すぎる件

数ヶ月前にこんな記事を書いた。
幻影随想: カイチュウ博士こと藤田紘一郎センセが、水商売だけでなく血液型健康商売に手を広げたようだ

カイチュウ博士でおなじみの藤田センセが、血液型健康商売に手を出してZAKZAKに与太記事を書いていたのを取り上げたものなんだが、その関連でちょっと気になることがあった。
関連情報を色々集めていて分かったんだが、藤田センセは大体2000年あたりを境に、こうした「水商売」やら「血液型商売」やらに手を染めるようになったようだ。
Amazonで著書を調べていたら、2000年あたりを境に急激にアレげな本が増えている。
今年の九月には「血液型の暗号(仮)」とかいういかにもそれっぽいタイトルの本が出版されるようなので、要注意だな。

タイトルからしていかにもアレゲで、買うかどうか迷っていたんだが、
どうやらこっちの予想をはるかに超えるレベルで斜め上にぶっ飛んだ内容の本だったようだ。
やさしいバイオテクノロジー」のyoshiさんがレビューを書いておられたので紹介してみる。

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2008年10月28日

ニセ科学の総合商社としてのEM

トンデモは連鎖する

これは数多のトンデモ、疑似科学を観測した上での経験則に過ぎないが、自分の論理に不誠実な主張者ほど、節操無く自分の主張のつっかえ棒となる何かを手当たり次第に取り込もうとする傾向がある。まるで拾った羽で自分を飾り立てた童話のカラスのように。
#もちろん取り込むものがアレなので、ニセブランドで全身固める様な滑稽な結果にしかならない訳だが


そんな「ニセブランドで全身固めた典型的なニセ科学」の一例として、今日はEMにご登場願おうと思う。
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2008年10月22日

ニコニコ動画で学ぶ疑似科学2―ABOFAN fools abofans―

ニコニコ動画で学ぶ疑似科学のシリーズ第二作として、
先日「忘却からの帰還」のKumicitさんが作成した"ABOFAN fools abofans"を取り上げてみる。



ABOFAN氏はある意味有名人なので、このブログを見ている人なら知っている人が大部分だと思うけれど、一応知らない人のために簡単に説明しておこう。
彼は血液型と性格の関係 - ABO FAN Home Page -の管理人で、血液型性格判断と言うニセ科学の擁護者?である。
過去にはkikulogで独自論理を振りかざして周囲を困惑させたり、彼の心理学に対する理解の欠如を指摘するメールに対して、謎返答珍返答を連発したりと色々やらかしているので、時間のある人はそのログを読んでみるのもいいだろう。
#かなり膨大なログなので休みの日に行うことを勧めるが

kikulog:血液型と性格
畜大心理:ABOFANへの手紙

Kumicitさんのこの動画の趣旨は、ABOFAN氏の主張をそのまま受け取るとどれほど愚かしいことになるかを分かりやすく図示することにある。
動画と同様の内容を文章化したものはこちら。
忘却からの帰還: ABOFAN says personality does not depend on blood type.
忘却からの帰還: ABOFAN fools abofans.
一昨日のエントリと動画バージョンで示したようにABOFAN氏は自ら、血液型性格判断はまったく役に立たないと言っている。

表面的には、ABOFAN氏は、「心理学研究者たちによる論文で、有意差がないか、あっても系統性があまり見られない」ことと、「血液がと性格に関係がある」という主張を整合させようとした。その結果、「有意水準5%で有意差あり+サンプル数1000=エフェクトサイズが0.1〜0.2という小さすぎる差異」かつ「その差異は、年齢・地域・性別・社会的地位などによって違う」と主張することになった。すなわち、血液型性格判断はまったく役に立たないと。

自分で自分の頭をぶち抜いたことにすら未だに気が付かず、「有意差有意差」と鸚鵡返しのように繰り返す亡者と化した哀れな彼に、誰か止めを刺してやってくれないか?

沖縄の中学校でおはらい騒動

思わず「また沖縄か」と言いたくなったニュース。
20年ほど前にこっくりさんやらキューピッドさんで散々やらかした問題を、また繰り返すとは。
霊能者ユタのおはらいで体調不調? 沖縄の中学生5人が病院へ - MSN産経ニュース
 沖縄県の宜野湾市立真志喜中学校で、民間の霊能者として知られるユタの女性を招いておはらいを行った際、女子生徒5人が体調不良を訴え病院へ運ばれていたことが22日、分かった。

 同校によると、数年前から吹奏楽部で「練習中に気分が悪くなる」「霊が見える」などと話す生徒がおり、一部の保護者からの提案でおはらいをした。

 部活終了後の21日午後7時すぎ、音楽室や廊下に生徒約60人と7、8人の父母、顧問の教諭が集まり、ユタが酒と塩をささげておはらいを開始。20〜30分ほどして、女子生徒約20人が「気分が悪い」「息苦しい」と訴え、うち5人が過呼吸状態になり病院に運ばれた。全員、その日のうちに回復し帰宅したという。

どう見てもただの集団ヒステリーです。本当にありがとうございました。

学校の怪談なんてどこにでもあるし、霊が見えるなんてそれこそ典型的な中二病の症状だろうに。
普通の学校だと先生が叱り飛ばしてそれでおしまいなんだがなあ。
この学校ではもうこっくりさん騒動の教訓は失われたのだろうか?
それとも保護者からの突き上げで断れなかったのか?
先日のホメオパシーの一件といい、沖縄にはこういうスピリチュアル的なものを受け入れやすい土壌でもあるのかね?

2008年10月13日

江本勝のブログが面白すぎる件

先日書いた関東女性校長会の水伝講演の派生ネタ。

幻影随想: 関東地区女性校長会が激しくやばい件
幻影随想: ミヤネ屋が校長会の水伝騒動の一件を取り上げたようです
この一件がブロゴスフィアでかなり大きく取り上げられ、とうとうテレビネタになるところまで行ったというのは以前書いたとおりだが、これに焦ったのか江本勝が自分のブログでこんな反応を示していた。

水からの伝言 : 日テレが「水からの伝言」の批判番組を放映しました。
私は海外出張中で、見れなかったのですが10月8日の日テレ系番組「みやね屋」で、私の「水からの伝言」を一方的に批判する番組が放映されたそうです。
昨日日本に帰ってそれを見ましたが、確かに批判だけの内容で、当然私としては面白くありません。

一方的なのは取材拒否したせいだろうがとツッコミを入れつつ眺めていたら、この記事ははてブでかなり反響を呼び、現時点で既に129ブクマに達してしまった。
はてなブックマーク - 水からの伝言 : 日テレが「水からの伝言」の批判番組を放映しました。

江本のブログにはコメント欄もTB欄もないので燃える心配はまったくないんだが、相当なトラフィックが流れ込んだはずなのでどう反応するかと思っていたら、先ほどこんなエントリが立って思わず噴き出した。

水からの伝言 : 多数のブログアクセスありがとう!!
どうしたことでしょう!? 今日お昼に自分のブログのアクセス件数を確認したら、なんと1日で3000件になっていました。
きっと、昨日船井オープンワールドにこられた方々からの物だと思います。

いや違うからw
あんた今はてなーの観察対象になっているだけだからw
このずれっぷり、彼は実に天然だなあ。

沖縄県の小中学校にニセ科学注意報発令中―ホメオパシー汚染―

これも先日の女性校長会の水伝話立教女学院高校の911陰謀論と同じ軸線上にある話。
去年沖縄の養護教諭(保健室の先生)の研究会でホメオパシーの講演をやったビリーバーがいたらしい。
こうやってWeb上で話が広がるものなんて氷山の一角だろうから、教育界のニセ科学汚染は相当深刻だな。
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2008年10月12日

ニコニコ動画で学ぶ疑似科学1―奇跡とプラセボ―

ナショナル ジオグラフィックチャンネル:都市伝説 超常現象を解明せよ!という番組があることを知ってる?
NationalGeographicは世界でもトップクラスの科学ジャーナリズムの大御所で、このブログでもよくネタにさせて貰っている。
ここはテレビ番組も作っていて、やはりハイクオリティな科学報道番組を多数放送している。日本でもNHKあたりがよく日本語訳して放送しているので、興味がある人は探してみるといい。

で、ここから本題なんだが、
ナショナルジオグラフィックチャンネルにはニセ科学や超常現象、迷信などを検証する
ナショナル ジオグラフィックチャンネル:都市伝説 超常現象を解明せよ!
というシリーズがあって、ここで「奇跡の治療」を取り上げる報道番組を流していた。
この番組の動画がニコ動に上げてあったので紹介してみる。
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ミヤネ屋が校長会の水伝騒動の一件を取り上げたようです

先日のエントリ「 関東地区女性校長会が激しくやばい件」で取り上げた、女性校長会の関東支部集会で水からの伝言が取り上げられ、各地の学校で配布された問題が先日ミヤネ屋で取り上げられたようだ。
既にkikulog他各所で話題になっているので、遅ればせながら私も取り上げておくことにする。

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2008年10月08日

きくちゆみが立教女学院高等学校で911陰謀論の講演をしたらしい

各種トンデモ方面の活動家として有名なきくちゆみが、立教女学院高等学校で911陰謀論の講演をしたらしい。
事の顛末が本人のブログにアップされていたんだが、あまりの内容に頭痛がしてきた。
立教女学院高等学校には相当度し難い教師が存在するようだ。
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2008年10月02日

ニコニコ大百科の「ゲーム脳」の項が秀逸すぎる件

はてブのFavリスト経由で見つけたネタを紹介してみる。
「ゲーム脳」を小気味良く斬る逸品だ。

ゲーム脳とは (ゲームノウとは) - ニコニコ大百科
ゲーム脳とは、森昭雄さんとかいう日本大学の教授とおぼしき人が2002年に書いた著書、「ゲーム脳の恐怖」上で勝手に定義された、とんでもない造語である。

その正体は、論文すらいまだに存在せず、学会からは総スカン、科学的な根拠がないどころか矛盾だらけの疑似科学(ニセ科学)であり、今やすっかり都市伝説的なトンデモネタとして扱われている。しかし、新聞やテレビがこの造語がさも本当の脳神経学であるかのようにこぞって取り上げてしまったために、本書は10万部以上も売れてしまい、「ゲーム脳」は日本においてとても有名な造語になってしまった。

本書には、「自分の主観」と「自分で作った簡易脳波計」の2つをソースに「ゲームやってる奴は脳が痴呆症(=認知症)っぽい」という怪しい定義が書かれている。

なお、本書の著者である森さんは運動学が専門の文学部教授で、脳神経学に関してはまったくの門外漢なのだが、医学博士(筋肉の論文で取った)の肩書きを武器に、各マスゴミの協力を得てさも脳神経学の専門家であるかのように装っているため、注意が必要である。

例によって、事細かに知りたければWikipediaのゲーム脳の項目を見ることを推奨する。さらなるゲーム脳研究の醜態を知りたいなら、著者の項目も見逃すな。

ニコニコ大辞典はこれまで完全にノーマークだったんだが、こんな素晴らしいネタ記事があったなんて。
これだけでも中々ウィットの効いた良記事なんだが、ここからがすごい。
思いつきだけで根拠レスな主張を垂れ流す森を皮肉るかのように、きっちり資料を資料を引きながら膨大なツッコミが展開されている。
私が特に受けたのはこれ。

ただし、全てのゲームが悪いのではなく、森さんによると「太鼓の達人」や「DDR(Dance Dance Revolution)」は手足を動かしてリズムに乗るため、運動などと同じいい影響があるらしい。だからなのか、森さんは突然「太鼓やDDRは2002年に私がゲーム会社に提案したから開発された」と自分起源説を言い出す始末である(音声付きソース)。しかし、太鼓は2000年発売、DDRは1998年発売なのでどう見ても大嘘です、ありがとうございました。

いいよなあ、これ。
以前「サギとマルチと疑似科学」で疑似科学とマルチの共通点を取り上げたが、この記事を読んでもらえた人なら、森昭雄が三種類の人間のどれに該当するかはすぐに分かるよな?
教祖に求められるのは、たとえこんな風にすぐばれる大嘘だろうが、自分の嘘を自分で信じ込める性質だ。

他にも、やる夫ならぬあき夫の、
「あき夫が脳科学者になるようです」というネタがあってだな、これがまた面白い。

       ____      == 2000年 ==
     /      \
   / ─    ─ \    脳波を測っただけで「痴呆症患者の痴呆の進行度合いがわかる」
  /   (●)  (●)   \  っていう理論を新しく考えたお
  |      (__人__)    |   これが実用化されればあき夫も脳科学者の仲間入りなんだお
  \     ` ⌒´     /   さっそくそんな夢の脳波計を作ってみるんだお
 森あき夫 (大学教授・当時55歳)

この「ゲーム脳」の頁はほとんど一人の手によるものなんだが、一体どれだけ力を入れて編集してるんだw
以前アンサイクロペディアの「森昭雄」の頁を見たときも笑ったものだが、こっちのほうがさらに輪をかけて出来がいい。
久々に疑似科学ネタで気持ちよく爆笑した。

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2008年10月01日

「未来を透視する男」―予言者ジュセリーノの使うトリック―

もう結構昔の話になるが、学部時代、私は教職課程を取っていた。
最近のカリキュラムでは、教員免許を取るためには介護実習を行うことが必須となっており、高校なら2日間、中学の教員免許をとるためにはさらに5日間の介護実習が必要となる。
そのため、確か大学3年の春休みの頃だったと思うが、私は介護実習のためにある老人ホームで一週間程働いていた。
そこでの仕事は、デイケアの老人の送迎や食事の用意、入浴介助などで、実習そのものはつつがなく終えたのだが、最終日にお別れ会を兼ねたレクリエーションということで、実習生が各自何か出し物をすることになった。

実習仲間の中には、歌を歌う者がいたりピアノを弾く者がいたり様々だったのだが、私はそこでマジックを行うことにした。
そのマジックが表題の「未来を透視する男」である。

多分初めて書くと思うが、私はマジックがかなり好きだ。
中でも心理誘導や心の盲点を利用したトリックや、種を明かせば「なあんだそんなことか」と言われるような誰でも出来る単純なものでありながら、そのくせ効果が抜群なトリックが特に好みで、自分でも少しかじっている。
「未来を透視する男」はそんなトリックを使った私の持ちネタの一つとなる。
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