2005年11月09日

テレビから出る超音波

昔からテレビの近くによると「キーン」と耳障りな音がして頭が痛くなる。
それもあってかテレビはあまり好きではなかった。
PCを使うようになっても、やはりCRTディスプレイだと耳鳴りがするので
できる限り液晶モニタのものしか使わないようにしている。

昔からあれは何なのだろうと気にはなっていたのだが、
医学都市伝説のこの記事を読んで長年の謎が解けた。
医学都市伝説: クソガキ駆逐システム
このシステムが高出力の超音波複合信号を流すものだと言うことと、一般に人間は25才を過ぎると可聴域が狭くなり、これが発する超音波は聞き取れなくなるという説明があるだけである。FAQ欄には、「品物を買いに来た子供には悪影響はないのか」という質問が紹介されているが、長い時間超音波にさらされていないと不快感が出ないので大丈夫とある。

同じ経験がある人は多いと思うが、ブラウン管TVは水平同期用に約16KHzの高圧電流をトランスで昇圧していて、昔の製品は作りが悪かったためか、TVの裏からはトランスから出る(?)16KHzの超音波がガンガン放出されていて、子供の頃はそれが気になったこともあったものだ。私の場合は30才を過ぎた頃、突然それが聞こえなくなった。あれは自分の耳が鈍くなったのか、TVの作りが良くなったのか、どちらなんだろう。

そうか、あの音はブラウン管のトランスから出ていたのか。
25歳くらいを境に聞こえなくなるというのであれば、私もそろそろあの音が聞こえなくなるのだろうか?
最近左耳の可聴域が高音側で狭くなったように感じるのもこのせいかも知れないな。続きを読む
posted by 黒影 at 16:17 | Comment(4) | TrackBack(0) | サイエンストピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月29日

Google Scholar

最近Google Scholarが論文検索に意外と使えるということが判ってきた。
Google Scholarは昨年11月にGoogleが開始した論文検索サービスで、分野横断的な論文インデックスを持つことが強みだ。
論文間の引用関係を調べて被引用数の多い論文を重要な論文として上位に表示する。

Citationなんかも同時に調べられるのでPubMedよりも使いやすいかも。
新分野に首を突っ込むときには普通の検索よりも使い勝手がいい気がする。
posted by 黒影 at 17:58 | Comment(2) | TrackBack(4) | サイエンストピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月06日

日経バイオのメールマガジン

以前にも何度かネタにしたことがあるが、私は日経バイオのメールマガジンをとっている。
しかしこのところどうも微妙な内容が続いていて、どうしたものか迷っている。
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posted by 黒影 at 11:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | サイエンストピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月05日

メディアリテラシーの練習問題

面白い記事発見。
メディアリテラシー、科学リテラシーに関する話なのでこちらで。

メディアリテラシーの練習問題;室井尚の奇妙な反・嫌煙運動プロパガンダ論

実に爽快な切り口だ。
はてなブックマークを見ると既に随分注目を集めている模様。
こんなトンデモ理論でアンチ嫌煙を唱える人間にはさっさと退場願いたい。

posted by 黒影 at 16:13 | Comment(3) | TrackBack(0) | サイエンストピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月29日

30億文字のスパゲッティコード

スパゲッティコード
それはプログラマーにとっての悪夢。
しかし分子生物学者が格闘しているゲノムという怪物は、まさにこのスパゲッティコードなのだ。続きを読む
posted by 黒影 at 05:49 | Comment(11) | TrackBack(2) | サイエンストピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月16日

よくある統計の勘違い−相関関係と因果関係は別物−

「嘘には三種類ある。
 ただの嘘、大嘘、そして統計である。
   By ベンジャミン・ディズレーリ」



昔の政治家がこんな名言を残しているくらいで、統計というものはよく嘘に利用される。
というよりも、統計データは簡単に曲解できると言うべきか。
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2005年09月10日

科学に対する共和党の闘い−The Republican War on Science−

ブッシュがインテリジェントデザインを支持するという馬鹿な声明を出して
科学界から大ひんしゅくを買ったのは、確か一月ほど前のことだったか。
このブログでも記事に取り上げた記憶がある。
直接関係ない我々日本人からすると「馬鹿じゃねーの?」で済む話なんだが米国人にとっては由々しき事態だ。

さらに笑い事で済まないのが、ブッシュだけでなく共和党内の宗教右派勢力が
こぞって米国の科学教育内容、科学研究内容に干渉しようと画策し続けていることだ。
その辺の裏事情をまとめた本を、HotWiredの記事で紹介していた。
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posted by 黒影 at 01:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | サイエンストピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月12日

ナイトサイエンス

「大発見はナイト・サイエンスから生まれる」
これは筑波大学名誉教授、村上和雄氏の言葉。
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2005年05月16日

太古の地球に存在した天然原子炉

現在人類は原子炉を用いてウランの核分裂からエネルギーを取り出している。
しかし時を遡ること17億年、太古の地球には自然に生まれた原子炉が存在した。続きを読む
posted by 黒影 at 08:25 | Comment(10) | TrackBack(1) | サイエンストピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月03日

流氷の大きさ

春休みに知人が流氷を見に行ったらしい。
先日そのときの話を聞く機会があったのだが、
「とにかく予想以上に大きいので驚いた」と言っていたのでどの程度のものなのか気になっていた。
そうしたらたまたま前エントリで取り上げた「資源・環境観測解析センター」に流氷の写真が置いてあったのでどの程度のものか見てみた。続きを読む
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2005年02月11日

大地のハミング

地球の「ハミング」検出による地震予知の試み
 地球は「ハミング」している。人間の耳には聞こえないが、力強い海の波が、地中で「ハミング」するような音のハーモニーを生み出すのだ。地震計を用いれば、この音は至るところで検出できる。

 地震学者から長年「雑音」扱いされてきたこの絶え間ない「ハミング」を新たに調べたところ、海の活動を知る手がかりになるほか、地球の構造に関する理解を深めるのに役立つ可能性があることがわかった。いつの日か、地震の予知にも利用できるかもしれない。

「ハミング」というWiredNewsの表現は中々洒落ている。
地球全体に広がるこうした「ハミング」の変化を観察すれば、
地球の内部構造を探ったり地震の予知をしたりする事ができるかも知れないという。

研究はまだ始まったばかり。
本当に役に立つのかどうかはこれからの研究成果を待つ必要があるが、面白い研究だと思う。
posted by 黒影 at 20:34 | Comment(1) | TrackBack(0) | サイエンストピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

地球の内部構造を探る

ちきゅう 最新鋭の地球深部探査船、報道陣に公開
 海底下7000メートルまで掘削できる最新鋭の地球深部探査船「ちきゅう」(約5万7500トン)が10日、長崎市の三菱重工業長崎造船所香焼工場で報道陣に公開された。9割以上完成し、夏までに三菱重工から発注元の独立行政法人・海洋研究開発機構(神奈川県)に引き渡される。総建造費約582億円。
 同機構によると、水深2500メートルの深海域で厚さ約6000メートルの海洋地殻の下にあるマントルまで掘ることができる。今の科学掘削記録は海底下2111メートル。白い船体に掘削機器をつるすやぐらが搭載され、科学掘削船としては世界一となる海面からの高さ約116メートルを誇る。船内には、採取した地層を解析するX線CTスキャナなどを備えた研究区画もある。

地球の内部構造は、地震波などで間接的に調べることは出来ても
その詳しい組成などはほとんど分かっていません。
直接産業に繋がるような研究ではないので、
科学者としてこういう研究が通ることを素直に喜びたいと思います。続きを読む
posted by 黒影 at 19:48 | Comment(0) | TrackBack(1) | サイエンストピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月02日

トンデモ本「買ってはいけない」とその著者の近況

◆トンデモ本「買ってはいけない」
「買ってはいけない」という本がかつてベストセラーになった。
著者は船瀬俊介・三好基晴・山中登志子・渡辺雄二の4名。
週刊金曜日の連載を書籍化したもので、累計で200万部ほどは売れているはずだ。
しかしこの本、実は捏造・歪曲・事実誤認だらけのトンデモ本だったのである。
おそらく史上もっとも売れたトンデモ本ではなかろうか。続きを読む
posted by 黒影 at 23:17 | Comment(9) | TrackBack(8) | サイエンストピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年01月28日

朝日が出した安部氏への回答ですが

これが本当に自称一流報道機関の文章か(爆笑)

取材結果を総合し報道、と安倍氏に本社回答 NHK問題
 朝日新聞社はNHK番組改変問題を報じた記事について、安倍晋三衆院議員側に対して26日付で再び回答書を送った。安倍氏が事実関係としては認めている行為が、NHK側にとって圧力と感じるものだったことを、関係者からの取材結果を総合して報じたことなどを説明している。

問題なのがこの一文「関係者からの取材結果を総合して報じた」
つまり取材結果を総合して圧力があったと判断したのは朝日の人間だということですね。
やはり松尾氏の圧力発言は無かったと。
あったらちゃんと「関係者からの証言を得て」と書くはずですよね?

それと安部氏は報道の「具体的な根拠・事実を示すよう」求めたわけですよね?
なのに判断の根拠をはぐらかすのは誠意ある回答とは到底言えないと思うのですが。

「呼びつけた」ことについて否定の見解を示していなかった。

自分が当事者であることを忘れていませんか?
都合のいいところだけ抜き出したかもしれない要約など証拠能力がありません。
そんなに安部氏が呼びつけたことにしたいんですか?
質問と回答の全文を示さないとそんなもの何の証拠にもなりませんが。
それどころかたった一回のインタビューだけで裏づけも取らず、補強証拠も集めずに記事を書いた
はじめに結論ありきの朝日の杜撰な取材姿勢がますますはっきりしたわけで。
またしても壮絶な自爆記事ですね。

番組が取り上げた「民衆法廷」の性格や番組の内容をめぐる批判や議論の経緯については朝日新聞も十分に認識し、既に報じているが

そういえば法廷を全面支援してましたね。

今回の記事は、そうした経緯とは別に、NHKと政治家の距離の問題を問いかけたものだ。

その前に自社の取材姿勢を全面的に見直されることをお勧めします。続きを読む
posted by 黒影 at 04:02 | Comment(0) | TrackBack(1) | サイエンストピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年01月22日

DHMOという化学物質の規制にご協力を

DHMO(DiHydrogen Monoxide)という物質をご存知だろうか?
DHMOは無色、無味、無臭で、ほとんどありとあらゆる環境から検出される化学物質だ。
この物質は様々な問題点を持つにも関わらず、その使用は野放し状態であり
何らかの規制をかける事が望ましいと思われる。

以下にこの物質の問題点を列挙する。
どうか規制が必要かどうかの判断の参考にして欲しい。

・この物質は有機物、化石燃料の燃焼で発生する事が知られており、
 また火山の噴火時にも多量に発生する事が明らかになっている。

・DHMOは温室効果ガスの主要成分であり、その温室効果はCO2の数百倍にも達する。
 また成層圏ではフロンガスによるオゾン層の破壊を促進する効果を持っている。

・酸性雨の主成分であり、木々の枯死や湖沼の酸性化に関わっている。
 また、あらゆる物質を侵食する性質を持ち、金属をはじめ様々な物質の酸化を促進する。

・皮膚に長期間被曝すると皮膚障害を来たし、大量に摂取すると人を死に至らしめる。
 (ネズミでの半致死量LD50は体重1kgあたり25〜190g)

・通常この物質は液体状態で存在するが、固体状態、あるいは気体状態のこの物質に触れると
 細胞の壊死を引き起こし、ひどい場合は手足の切断が必要となる場合がある。

・全世界で毎年1000人以上の人間が、この物質が原因で窒息を起こし命を落している。

・DHMOが酸化されたDHDO(Dihydrogen Dioxide)は発ガン性物質であり、細胞の老化を促進する強烈な酸化剤である。
 そしてDHDOは紫外線を浴びると体内でDHMOから生成される。

などなど、環境面、健康面を含めて実に様々な問題点を持っているにも関わらず
我が国の政府はこの物質に関してまったく規制を行なっていない。
この物質は様々な化学産業で溶媒として大量に利用、排出されており、
さらに工場やゴミ処理場の排ガス、自動車の排気ガスなどからも多量に検出されるにも関わらずである。
現在ではあらゆる環境、あらゆる食品、そして水道水中からもこの物質が検出される。

しかしまだ遅くない
どうかこのDHMOの法的規制にご協力いただきたい。

ご協力いただける方は是非続きを読んでください。
続きを読む
posted by 黒影 at 02:35 | Comment(2) | TrackBack(1) | サイエンストピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年01月05日

環境ホルモン問題

ネタとしての鮮度はかなり落ちている気もするが
いまだに環境ホルモン関連の誤った情報が大量に流れているのでちょっと書いてみようと思う。

環境ホルモン問題は依然として環境問題ではあるものの、もはやヒトの健康問題とはなりえない。
というかまともな研究としてはほぼ終了していると言っていい。
と言ったらこのブログを見てくれている方は賛同してくれるだろうか?続きを読む
posted by 黒影 at 09:48 | Comment(2) | TrackBack(3) | サイエンストピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月11日

光触媒技術

光触媒に関する知識のメモ

◆光触媒とは(What is photocatalyst?)
光触媒とは、光吸収により励起され、酸化および還元反応を引き起こす触媒物質のことである。
光触媒には大別して半導体光触媒と色素光触媒の二種類がある。
半導体光触媒の代表例は二酸化チタン、色素光触媒の代表例は葉緑素である。
現在の量子効率は約10%。

◆光触媒の原理(Principle of photocatalyst)
半導体は伝導帯と価電子帯が禁制帯で隔てられたバンド構造を有する。色素では最低空分子軌道(LUMO)と最高被占分子軌道(HOMO)にそれぞれ相当する。バンドギャップ以上のエネルギーを持った光を照射すると、価電子帯の電子が伝導帯に励起され、その結果として伝導帯に電子が、価電子帯に正孔が生成する。
伝導帯に励起された電子は価電子帯にあるときよりも還元力が非常に強くなるため、暗時では起こらない還元反応を起こすことができる。同様に、正孔も強力な酸化反応を起こす。
この酸化還元能力が触媒として利用される。

◆光触媒の機能例
・抗菌、抗カビ
・防汚
・空気浄化(有害成分の分解、脱臭)
・水質浄化
・光触媒としての産業利用(水素製造もその一つ)

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2001/pr20011206_1/pr20011206_1.html
posted by 黒影 at 21:12 | Comment(0) | TrackBack(1) | サイエンストピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする