2008年05月29日

産総研が観葉植物型太陽電池を開発

主要紙は取り上げていないみたいだけれど、先日こんなニュースが出ていたので紹介してみる。
産総研で開発された、観葉植物の葉っぱの形をした太陽電池だ。

 
 
産総研:主な研究成果 意匠性と柔軟性に優れた有機薄膜を用いた観葉植物型太陽電池モジュールを試作
 独立行政法人産業技術総合研究所【理事長 吉川 弘之】(以下「産総研」という)太陽光発電研究センター【研究センター長 近藤 道雄】、三菱商事株式会社【代表取締役社長 小島 順彦】(以下「三菱商事」)及びトッキ株式会社【代表取締役社長 津上 晃寿】(以下「トッキ」)は次世代型太陽電池を試作しました。

 産総研、三菱商事、トッキの3者は、共同研究において産総研がデバイス構造の研究を、トッキが製造装置のコア技術の開発ならびにモジュールの製作を行い、三菱商事が研究開発に関する投資とマーケティングを担当することにより、薄くてフレキシブルな大面積・高耐久性有機薄膜太陽電池モジュールの早期の商品化・市場投入を目指しています。

 この試作品は、G8環境大臣会合関連の展示会である“環境フェア in KOBE”(5月23日〜26日、神戸市立体育館)に出展されます。

しまったな、神戸で展示してたのか。
もう少し早く気が付いていれば実物を自分の目で見に行けたのに。
solarcell.jpg

有機薄膜太陽電池のメリットは、こんな感じ。
1.シリコンを使わず、フラーレンやフタロシアニンなど大量に生産されている化学物質を使うため低コスト
2.写真を見てのとおり、プラスチック基盤に作成されるため高い柔軟性を持つ。
3.自由な形に成型可能なため、汎用性に富んでいる。
solarcell2.jpg

有機太陽電池は現在限界が見えてきたシリコン系の太陽電池に変わり各国で先を争うように研究されている分野で、日本もトップ争いに参加している。
昨年はプリンタで印刷可能な太陽電池のニュースが出ていたが、どこもまだ本格的な生産体制には至っていない。
有機薄膜太陽電池の実用化が進まなかった理由のひとつは、発電効率の低さにある。
もっとも発電効率の良いシリコン単結晶太陽電池で18%程度の発電効率を達成しているのに対し、有機薄膜太陽電池の発電効率はまだ4〜5%程度。数年前は1%程度だったのでこれでもずいぶんと改善したほうなのだが、量産耐性が整っていないこともあり、太陽発電を考える事業者の選択肢には入っていなかった。
コストパフォーマンスを考えれば、大量の太陽電池を設置できるような場所なら高価なシリコン太陽電池を設置するよりも投資効率は高いから、後は大量生産体制さえ整えば普及は早いと思うのだが。

ちなみに太陽電池の生産では日本は長らく世界の首位を走っていたのだが、最近の欧州勢の急進で今年の三月に首位から転落している。
日本の太陽電池に陰り 生産量、欧州に抜かれ首位転落 :ニュース - CNET Japan
太陽光発電市場で日本勢に暗雲 “首位”脅かす欧州勢の猛攻|『週刊ダイヤモンド』特別レポート|ダイヤモンド・オンライン

欧州のメーカーは国の優遇措置を受けている上、国家主導でクリーンエネルギーの導入を強力に推進している関係上、日本メーカーに比べ有利な立ち位置にいるんだよなあ。
日本の各家電メーカーも有機薄膜太陽電池の量産耐性をいち早く整えて、ぜひ首位奪回してほしいものだ。
posted by 黒影 at 23:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | サイエンスニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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