記事を読んだ時は思わず自分の目を疑った。シーケンス技術の進歩速度はムーアの法則どころじゃないな。
1時間で1000億塩基読める、
米PacBio社が2010年製品化を発表したDNAシーケンサーが
2月19日のゲノムネットワークシンポでも話題に
ヒトゲノム2倍体(60億塩基)の塩基配列解読に要する時間はわずか4分間、10倍読んでも1時間足らず──。米Pacific Biosciences社(PacBio社、カリフォルニア州Menlo Park)が、2010年に製品化する計画を表明した超高速1分子DNAシーケンサーが注目を集めている。1時間で1000億塩基という解読能力は、米Helicos BioSciences社が今月初受注したHeliScopeシステムに比べて100倍以上に相当する(関連記事1、関連記事2、BTJジャーナル07年12月号P.8-11)。BTJが先週金曜日(2月15日)夕方に発信した「BTJ /HEADLINE/NEWS 2008/02/15 THE PRIME MAIL 第1099号」にも記載した通り、PacBio社は1月末に成果を論文発表した(Proc Natl Acad Sci USA. 2008 Jan 29;105(4):1176-81.)。
先日紹介した次世代シーケンサーと比べても、解析能力がまさに桁違いだ。
まだきちんと見ていないが、さすがにまだ1000ドルゲノムとはいかないものの、
従来のシーケンサーと比べた場合コストパフォーマンスも段違いに高いようだ。
これはいよいよ「扉が開く」な。
扉が開けばインフォマティシャンも忙しくなる。
なんせ膨大なゲノム情報を自在に取り扱おうと思ったらペタバイト級のストレージ、
テラバイト級の主記憶装置とそれに見合った演算能力を持つ計算機がいるからな。
そこら中で解析システムの更新が始まる。
参考資料(Oracle OpenWorld San Francisco速報)ライフサイエンスを戦略的市場と位置付けるオラクル
ハイパフォーマンスコンピューティングのパワーを生かし、瞬く間にヒトゲノムを解読したセレラ・ジェノミックスは、コンパックコンピュータのAlphaServer上でOracleを走らせ、100テラバイトを超えるデータベースを構築しています。ストレージも提供しているコンパックでは、ゲノムのデータベースは6カ月から8カ月で2倍に膨れ上がると予測しており、これはムーアの法則の2倍にあたります。
セレラ社のベンター博士は、「ゲノムデータだけでも250テラバイト必要で、これが創薬に必要なプロテオーム(たんぱく質)のデータになるとペタバイト級になり、さらに個人のゲノム情報から薬を作ろうとするとエクサバイト級に膨れ上がるだろう」と話しています
無論解析ソフト、データベースやプラットフォームなんかの開発やSIも付いてくる。
おそらく2〜3年後くらいには大波が来る予感。
さあ、面白くなってきた。
◆関連記事
・幻影随想: 次世代ゲノムシーケンサの本命は?
・幻影随想: Genomic Era ―ゲノム情報の時代―
専門外なので、きちんと読めているか自信が無いのですが、DNAポリメラーゼの固定と一分子蛍光イメージングが中心となる技術のようです。
一度に読める配列は長くできそうなので、現在実用化されている次世代シーケンスより、筋は良いかなともいました。
えっと、meinekoさんですか?
>DNAポリメラーゼの固定と一分子蛍光イメージングが中心となる技術
既にタンパク質なんかでは実現している技術なのでいずれはDNAも一分子単位で解読できるようになるとは思っていましたが、まさかこんなに早いとは、と感無量です。
確かにこの方法ならSOLiDあたりに比べても筋が良さそうです。