2008年02月18日

マクガバン・レポートとは

健康や医療系の疑似科学を追っかけていると、しばしばマクガバン・レポートという言葉が出てくる。
しかしながら、この言葉で検索を行ってみても怪しげな宣伝や伝聞情報ばかりヒットして全然実態が見えてこない。

典型的な例としては、こんな感じの記述内容。
マクガバン・レポートとは - はてなダイアリー
1975年にジョージ・S・マクガバンを委員長に提出された「栄養と人間の必要物に関する報告」。3000人以上の医師や科学者の協力を得て5000ページにも及ぶもの。脂質・糖質を減らして、和食を心がけ、生活習慣病を回避すべきだとした最初の文献。1953年の朝鮮戦争での兵士たちの異常な病死の多さ(→300人解剖し、70%が動脈硬化が原因だった)に端を発する。

検索上位に出てくるサイトを数十件見て回っても、どこもこれと大差ない情報量で、一向に元情報をリンクしたものが見つからない。
仕方がないので英語圏に出かけることに。
 
 
 
日本語圏にはまともに情報が無いと見切りをつけ、マクガバンのスペルを調べてアメリカの政府系サイトを探したところ、ようやく見つけることができた。
マクガバン・レポート(McGovern Report)って、英語圏じゃ全然知名度のない呼ばれ方らしく、検索してもまるでヒットしなかったが。


余談だが、英語圏の情報を調べるときはGoogleの言語を英語に切り替えておかないと、ノイズが多いわ変なフィルタはかかってるわで目的の情報がヒットしない。
下に日本語Google、英語Googleでそれぞれ"McGovern Report"を検索した結果をリンクしておくので興味のある方は確かめられたし。
"McGovern Report" - Google 検索
"McGovern Report" - Google Search


閑話休題。さて、話をマクガバン・レポートの内容に戻そう。
結局のところマクガバン・レポートとは何かと問われれば、アメリカの食生活ガイドラインのプロトタイプだ、という答えになる。
以下、米国保険福祉省のサイトの記述。
2005 DGAC report - Part G. Appendices, Sect. 5. Brief History of Dietary Guidelines
In early 1977, after years of discussion, scientific review, and debate, the Senate Select Committee on Nutrition and Human Needs, led by Senator George McGovern, recommended Dietary Goals for the American people. The Committee recommended that the American diet.
・Increase carbohydrate intake to 55 to 60 percent of calories
・Decrease dietary fat intake to no more than 30 percent of calories, with a reduction in intake of saturated fat, and recommended approximately equivalent distributions among saturated, polyunsaturated, and monounsaturated fats to meet the 30 percent target
・Decrease cholesterol intake to 300 mg per day
・Decrease sugar intake to 15 percent of calories
・Decrease salt intake to 3 g per day

1977年前半に、何年もの議論、科学的評価および討論を経て、上院議員ジョージ・マクガバン率いる栄養学と人間の基本的要求に関する上院特別委員会は、アメリカ人のための食生活の目標を勧告した。委員会は、以下の内容をアメリカ人の食生活として推奨する。
・炭水化物摂取量を、総摂取カロリーの55〜60%に増やす
・脂肪の摂取量を、総摂取カロリーの30%未満に減らし、中性脂肪の摂取も減らす。そして飽和脂肪酸、単価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸をほぼ同量ずつ、30%程度を目安に均等に摂取する事を推奨する。
・コレステロール摂取量を、一日300mgまで減らす。
・砂糖の摂取量を、総摂取カロリーの15%まで減らす。
・塩分の摂取量を、一日3g減らす。

当時のアメリカは肉食中心脂肪たっぷりな食生活が標準的で、それが様々な病気の元になっていた。
その状況を改善するために出されたのがこの報告で、これをもとに何度も改訂を重ねて現在のアメリカの食生活ガイドラインがあるというわけだ。


ちなみに、本家アメリカではまるで知名度のないマクガバン・レポートという言葉が、日本ではやたらともてはやされている理由は何かというと…
つまらん話だが、この食生活ガイドラインの中で、望ましい食事の例として日本食が挙げられた(というかマクロビの中の人がねじ込んだ)らしく、それに喜びはしゃいであちこち触れ回ったから、というのが真相らしい。1)
現在健康医療系の疑似科学でやたらとマクガバン・レポートという言葉が登場する理由がここにある。


1)マクロビオティックとは?
マクロビオティックは、米国やフランスなど一部のヨーロッパの諸国では、病気治しに有効な食事療法として一般に知られている。これには、第二次世界大戦後アメリカに渡りマクロビオティックの普及運動に尽くしてきた 久司道夫が、大きな功績を果たした。彼はマクロビオティック教師を養成するかたわら、何千何万もの人々の食事指導をてがけ、がんを始めとする難病の治癒実績を数多くあげた。こうした久司氏の活動は、やがて国を動かし、米国の食事指針を方向転換した歴史的報告書、いわゆる マクガバン・レポートにおいて策定された合衆国の食事目標に、マクロビオティックの主張を反映させることに成功した。

この記事へのコメント
  1. NATROMさんとことマルチポストで申し訳ないのですが

    マクガバン・レポートの真実 - 火薬と鋼
    http://d.hatena.ne.jp/machida77/20090808/p1

    で実際にマクガバン・レポートの日本語訳を読まれた方が、記事を書かれています。

    日本食に対する言及は(日本人移民と癌との関係を除いて)無いそうです。
  2. Posted by att460 at 2009年08月30日 20:02
  3. W9>%bKMh, www.chatladyweb.com, �g�у`���b�g���f�B���lWEB, http://www.chatladyweb.com/
  4. Posted by �g�у`���b�g���f�B���lWEB at 2011年04月20日 02:30
  5. 実は、今年アメリカに行き、ジョージ・s・マクガバン氏ご本人の講演を聞いて来ます。
    マクガバンレポートについて、色んなことが語られていますが、本人の話が何よりの真実と、今から楽しみにしてます。
  6. Posted by ちっぴ at 2012年02月02日 16:19
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[医学]マクガバン・レポートから考えた日本の食生活
Excerpt: 皆様はマクガバン・レポートをご存知だろうか。マクガバンレポートで検索してみると、いろいろ怪しげなサイトが引っかかってくる。典型的なのは、こんなの。 ■なぜ昔、日本人はタンパク質をあんまり摂ってなかっ..
Weblog: NATROMの日記
Tracked: 2009-07-27 13:06
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