Amazon.co.jp: ラボ・ダイナミクス: 本
原題:Lab Dynamics : Management Skills for Scientists
この本にはタイトル通り、理系人間が組織の中でうまくやっていくために必要なセルフコントロールスキル、コミュニケーションスキルや、理系人間を管理する側が注意すべきマネージメント上の問題例などが書かれています。
理系の研究者が陥りがちな心理的陥穽、コミュニケーションの問題事例を取り上げ、問題を解決するにはどうすればよいのかを解説しており、私も読んでいて「ああ、これは直さないと」「こうならないよう気をつけないと」と頷かされる部分がいくつもありました。
取り上げている「理系人間像」がちょっとステロタイプすぎる感じはしますが、原題が示すように科学者のためのマネージメント本として結構いい本だと思います。
ラボの運営責任者や研究プロジェクトのチームリーダーをやっているような人にはぜひ一度読んでみて欲しい本です。
理系人を部下に持つ会社の管理職の人にとっても役に立つのではないでしょうか。
コミュニケーション不全から来る問題は文理の別なく発生します。
にもかかわらず理系のコミュニケーション問題がことさら取り上げられるのは、科学技術が大きく進歩して次々に新しい会社や組織ができたために、マネージメントのノウハウ蓄積が不足している若い組織が多いせいじゃないかとこの本を読んで感じました。
この本を読んで自分の体験とも照らし合わせてみて思ったことですが、こういうコミュニケーショントラブルの事例って、マネージャーの力量が十分であれば、あるいは組織の構成員が自己管理ノウハウを持っていれば回避できる様な物がかなり多いと思うんですよね(だからこそこういう本ができるんでしょうが)。
うちの会社の新人研修でこの本を読ませることを提案してみようかなあ。