2007年09月06日

メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学

久々に本の紹介。
今年の4月に出版された、松永さんの本です。
買ったのはいいもののずっと積読になっていたので、先日出張の際に新幹線の中で読破しました。

Amazon.co.jp: メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書 (298)): 本: 松永 和紀


まずはじめに、
この本がターゲットとする読者は、根拠の無い健康情報やニセ科学に免疫のない一般の人達だと思われます。
本書の中で取り上げられているネタは、いずれも(この界隈では)良く知られたものばかりであり、疑似科学ウォッチャーとしてこの本を読んだならば「見慣れたネタを元に当たり前のことが書いてある」という感想がまず浮かぶことでしょう。
しかしこの本の価値は「見慣れたネタを元に当たり前のことが書いてある」ことにこそあります。
 
 
 
我々のような疑似科学ウォッチャーにとっては、世の中に疑似科学が氾濫していることや、新聞やテレビが当てにならないこと、うまい話は眉に唾付けて聞かなければならないことは最早常識と言って差し支えありません。
しかし世間の大多数がこの認識を共有しているかというと、答えはNOです。
最近では主にネットを通じてこの手の情報も大分広まってはいますが、情報があちこちに分散しているため入手にかなりの時間と労力を必要とします。また、玉石混交のネットでは、情報を探す人があらかじめある程度の判断基準をもっていないと情報の価値真贋を見極められないという問題もあります。
負の方向に確証バイアスがかかっている人だと、目の前に証拠を出されても理解を拒んだりしますからね。


この本は我々にとっては「見慣れたネタを元に当たり前のことが書いてある」本ですが、「いくつものネタをわかりやすい形にまとめ」、「科学の素養がない人でも理解できるよう平易な文章で書き綴った」得難い本でもあります。
おまけに、かなりの分量があるにもかかわらず、意外とすんなり読み通すことができます。
一般の人が疑似科学や報道の問題をひも解くには、ちょうどよい入門書になると思います。
まったりとしてコクがあり、それでいてしつこくない、口当たりの良い本でした(嘘)


個人的には、本書の第一章で触れられている「全国紙の科学部記者が執筆している新聞企画と連動したウェブサイト」は具体名を出してほしかったところですが。
どう触れられているかは是非本書を手にとってお確かめください。
本書の中で取り上げられたネタのウェブ上のリソースへのリンクを愛・蔵太さんがまとめているので、ついでにリンクを。
愛・蔵太の少し調べて書く日記 - 『メディア・バイアス』と「科学報道を見破る十カ条」


◆関連リンク
松永和紀のページ
FoodScience--食の機能と安全--


◆関連書

Amazon.co.jp: 踊る「食の安全」―農薬から見える日本の食卓: 本: 松永 和紀


Amazon.co.jp: 食卓の安全学―「食品報道」のウソを見破る: 本: 松永 和紀
posted by 黒影 at 23:44 | Comment(5) | TrackBack(0) | Books | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
  1. 「理系白書ブログ」は移転してましたね。

    http://blog.yahoo.co.jp/rikei55
  2. Posted by 名無しさん at 2007年09月07日 01:17
  3. この本はすごくよかったです。問題は、この本を必要とするような層に、いかに読ませるかですね。
  4. Posted by NATROM at 2007年09月07日 08:55
  5. >名無しさん
    この九月から移転されたそうですね。

    >NATROMさん
    やはりそこが一番のネックですよね。
    とりあえずこうやってエントリを起こしてはみましたが。
  6. Posted by 黒影 at 2007年09月07日 22:00
  7. ところでこの本、Amazonでは現在マーケットプレイスのみの扱いになってますね。bk1では普通に買えたので問題なかったのですが、どうしたんでしょう。。。
  8. Posted by 名無し at 2007年09月24日 12:26
  9. >名無しさん
    私がこの記事を書いた時点ではまだ在庫があったので、この一月ほどで売り切れたみたいですね。
  10. Posted by 黒影 at 2007年09月24日 14:38
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