ひょっとすると本当に新属が採れたかも。
新属新種の細菌が発見された場合、その名前に発見地の地名が付く事はそれほど珍しいことではない。
しかし環境中には無数の細菌が存在するため新属はともかく新種というのは結構簡単に発見できたりする。
極端な話、新属新種を取ることを目的として細菌採取を行えば余程運が悪くない限り新種の発見が可能だ。
うちの研究室にも環境細菌のライブラリーがあるが、その気になれば10や20は新種として登録できるだろうし、ひょっとすると新属も一つくらいはいけるかもしれない。
手間もかかるし余程特殊な菌でもない限り登録したところで意味が無いからまずやらないけど。
まさか本当に出るとは思わなかった。
海洋細菌ではアルファプロテオバクテリアというグループの菌が優勢なんだが
このグループの菌の研究はあまり進んでいないため、まだまだ未知の属や種が存在すると考えられている。
今回見つけたクラスターもこうしたアルファプロテオバクテリアの新規クラスター。
メソリゾビウムとかスタッピアなんかが多少近いようだ。
16Sの系統解析結果を見る限り、一応完全に独立したクラスターで複数の株が存在する。
まだ7〜800塩基対程度のデータで議論しているだけなので
本気で言おうと思えば最低でも1500程度は読まないとダメだろうけど、新属の可能性は結構あるな。
問題はその菌にこれという特徴がないこと。
ボスに調べる必要無しと蹴られそうな気がする。