2005年06月10日

新種菌株に付けられる名前

「微生物の名前で‘独島は韓国領’知らせる」
韓国生命工学研究院のユン・ジョンフン博士研究チームは独島で、これまで学界に知られていない新しい微生物バクテリア(2属3種)の菌株を発見し、国際学界に登録したと、9日、明らかにした。

菌株の名前にはすべて「独島(Dokdo)」が含まれた。各バクテリアは「独島韓国(Dokdonella koreensis)」、「独島東海(Dokdonia donghaensis)」、「ヴァージバシラス独島(Virgibacillus dokdonensis)」、「マリバクター独島(Maribacter dokdonensis)」、「マリノモナス独島(Marinomonas dokdonensis)」と名づけられた。 これら名称は、微生物分類学分野で権威がある学術誌「IJSEM」に登録された。

…なんとコメントしたものやら。
読んだだけで軽く疲労を覚えるようなニュースだな。 
 
 
新属新種の細菌が発見された場合、その名前に発見地の地名が付く事はそれほど珍しいことではない。
しかし環境中には無数の細菌が存在するため新属はともかく新種というのは結構簡単に発見できたりする。
極端な話、新属新種を取ることを目的として細菌採取を行えば余程運が悪くない限り新種の発見が可能だ。

うちの研究室にも環境細菌のライブラリーがあるが、その気になれば10や20は新種として登録できるだろうし、ひょっとすると新属も一つくらいはいけるかもしれない。
手間もかかるし余程特殊な菌でもない限り登録したところで意味が無いからまずやらないけど。

政治主張を込めた名前をつけるためにわざわざ新種細菌を取りに行くとはよくやるよ。
島の名前を学名に付けたいがためにわざわざ新属新種を探しに行くその発想の貧困さには正直泣けた。
相変わらずな斜め上っぷりだ。
そんなことをしてる暇があるなら論文の一本でも書けっての。
論文検索エンジンPubMedに記事中の菌名を入力してもヒット0件というのは寒過ぎるぞ。
菌名一覧
Dokdonella koreensis
Dokdonia donghaensis
Virgibacillus dokdonensis
Maribacter dokdonensis
Marinomonas dokdonensis
Donghaea dokdonensis
Polaribacter dokdonensis
Porphyrobacter dokdonensis



ちなみにこの菌名を登録したユン・ジュンホンという学者は以前も東海という名称を新種細菌に付けるということをやっている。
Porphyrobacter donghaensis sp. nov., isolated from sea water of the East Sea in Korea.
イデオロギーに染まっちゃった科学者の典型例としていい見本ですね。
posted by 黒影 at 13:50 | Comment(4) | TrackBack(0) | 時事問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
  1. ウリナラ風解釈をすると、「予算取りの点数稼ぎ」ないしは「いずれ選挙戦に出馬する気がある」当たりかと。

    前者は如何にもという疑念ですが、まぁ目先の研究費のためなら判らないでもない。
    プライドはあまり無いと言わざるを得ないけど。
    後者は、向こうの学者は政治家になる人が凄〜く多いと聞き及んでいるので。
    ま、伝聞ですが。

    ・・・それとも彼の科学的思考力は、顕微鏡でしか見えないというオチか。
  2. Posted by 佐倉河 at 2005年06月10日 22:50
  3. 竹島は韓国の領土だ! と主張するためにいろんな努力(?)をやってるんですねぇー^^;
    歴史的には韓国が放棄した島を日本が自分のものにしたような感じですが・・・
  4. Posted by hiro at 2005年06月11日 15:07
  5. 実際、竹島に関しては歴史云々ではなく、日韓の国境線は講和条約で強制的に定められている、というのがあるので解釈の余地が全く無いんですよね。

    それまでの併合が合法的に認められていたことも、日韓の二国間条約だけでなく、講和条約でも大前提だったわけですし・・・

    まぁ珍奇な行動で我らを楽しませるのが、韓流科学界の目的ならば完全達成していると認むるところです^^;
  6. Posted by 佐倉河 at 2005年06月11日 21:32
  7. 韓国科学界は現在後継者難に悩んでいるようです。
    http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2005/06/06/20050606000022.html
    > 純粋物理学を専攻するイ某(46)教授は最近、宇宙誕生の秘密を解明する研究を、東京大学と共同で行っている。国内には共同で研究する学者がいないというのがその理由。
    > イ教授は「日本でも医大の人気は高いが、われわれと違うのは科学に対する純粋な知的好奇心を持った学生が今も育っている点」と話した。
    >黄禹錫教授の業績に、国民は「韓国にも最高の科学者がいる」と誇らしげに感じている。
    > しかし、第2、第3の黄禹錫の出現する可能性について問われる時、科学界は首をうなだれるほかないのだ。
    (注)黄禹錫教授:胚性幹細胞の研究者で難病患者の胚性幹細胞培養に成功した他BSE耐性牛の育種にも成功するなど数々の優れた業績を持つ

    頭脳流出が進んで政治と科学を分離できない学者やイデオロギーガチガチの学者が増えたら今後本文のようなこの手のニュースが増えそうな気が。
    悲しむべきところなのか笑うべきところなのか微妙ですね。
  8. Posted by 黒影 at 2005年06月12日 04:04
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