「この世に毒でないものはない。あるものが毒になるか薬になるかはその用いる量によるのである」
via 毒性学 - Wikipedia
この世のあらゆる物質は――そう、水でさえも――毒になりえます。
最近巷で流行っている健康食品もまた例外ではなく、量を過ぎたために、また酷い場合は毒にしかならないものを薬と偽って売られて健康障害を起こす事例が多々あります。
疑似科学ウォッチャーをやっているとトンデモ健康商法に絡んでこの手の被害に言及する事もあるので、先日資料のついでにこの本を購入しました。

Amazon.co.jp: 健康食品・中毒百科: 本: 内藤 裕史
この本は健康食品によって引き起こされた健康被害のデータベースで、1000本以上の臨床論文を元に健康食品が引き起こした中毒症例をまとめた力作です。
「よくぞこれだけの量を」と思わず感嘆する程のデータ量が載せられています。
各症例毎にきちんと報告論文が記載されているのが素晴しいです。
内容は大きく3つに分かれており、第一部「痩せ薬」、第二部「健康食品」、第三部「漢方・生薬」の三部構成になっています。
痩せ薬、アマメシバ、アガリクス、クロレラなど、そこいら中に広告があふれている有名健康食品の被害事例に加え、漢方の健康被害を独立項目として集めているのが特徴でしょうか。
実際のところ、漢方薬の中毒事例はかなり多いです。
「漢方薬=安全=副作用が無い」という困った勘違いがかなり広がっていますが、はっきり言ってそんなもの嘘っぱちです。
漢方薬も薬である以上、量や使い方を間違えれば体に害を与えますし、適量を用いても体質が合わなければ副作用が出る事もあります。
それどころか、酷いものになると許容量を超えるレベルの重金属汚染を受けていたり、合成薬物が混ぜられていたりします。
中国産の出所の怪しい漢方薬で、朝鮮人参の重さをごまかすために鉛の粉末が混ざっていたり、砒素や水銀が検出されたり。
副腎皮質ホルモンや女性ホルモン、消炎薬が混ぜられていたり。
私は出所不明の漢方薬は絶対口にしない事にしています。
ちょっと脱線しましたが、要は健康食品を盲目的に信じるのは危険であるということです。
被害にあわないためには、一人一人がアンテナを張って自衛する必要があるでしょう。
本書は健康食品によって引き起こされうる危険を知り、対処法を学ぶための格好の指針になると思います。
◆関連記事
・幻影随想: 毒の話1 ―毒性学―
・幻影随想: 毒の話1.5―水の致死量10リットルのネタ元を調べる―
・幻影随想: 毒の話2 ―食物の中の毒―
いいかげんその3を完成させないとorz












http://www.cm.kj.yamagata-u.ac.jp/blog/index.php?logid=4306
の方で書きましたが、私もこの本買いました。
ちょうど、一般教養の講義でゲルマニウム水の話をする予定なので、昔何があったか顛末を説明するのに使います。
私の場合、購入に踏み切ったのはこの本に昭和電工のトリプトファン事件の顛末が詳しく書いてあったからでした。
ネットを見回したところ、この事件についての誤解やデマが大半でまともな既述がごく少数のようなので、私もそのうちこの事件について何か書こうかと思っています。
私事で恐縮ですが、アレルギー性鼻炎なもんでエフェドリン系薬品を結構服用(月に2回ぐらい)します。使った後腹痛や下痢に悩まされることが結構あって、今までは鼻汁を飲み込むせいだと思ってたんですが・・・虚血性大腸炎ってwwちょww
思いましたのは、さすがにこれ一家に一冊とは言えないだろうから、病院の待合室に置いてほしいですね。暇つぶしにもいいし、薬の量を減らすのにもいいんじゃないでしょうか。
あとそれと人間って健康のためなら何でも食いますね。鯉の胆嚢を生で食ったり、ウシガエルを煮込んだり、そりゃなんの罰ゲームだ?と思いますけど。
漢方薬もそうですが、アジアやアフリカや東欧の伝統的な治療法が先進国に(移民とともに)代替療法として普及して、あちこちで問題になるさまなども興味深いですね。ある種SARSやエボラの伝染性疾患にも似ています。
本来なら、マスコミ特にNHKに取り上げて欲しい一冊ですが、中国大好きですから難しいですね。ただまあネットのおかげでこういった本が手軽に手に入るのはありがたいです。特に薬を服用する機会の多い方には副作用の入門書として得がたい本だと思います。
>さすがにこれ一家に一冊とは言えないだろうから、病院の待合室に置いてほしいですね。
そうですね。あと医薬学系の学生にも是非推薦図書として読んでおいて欲しいです。
漢方薬をはじめとする代替医療は今結構問題を起こしているので、この手の類書でもっと一般向けに噛み砕いたものが出てくれるといいのですが。