使ったデータはこの辺から取ってきました。
文科省>中央教育審議会大学分科会(第11回)議事要旨>基礎データ
調べるのは博士卒の就職率およびどんな仕事についているか
参考にしたデータはこのあたりです。
・大学院在学者数の推移
・博士課程の進路別卒業者数,進学率・就職率(経年)
・博士課程修了者の職業別就職者数(経年)
◆博士卒の内訳
一口に博士といってもその内訳には医学、理学、工学の理系博士の他に
人文系、社会学系の文系の博士号を取った人もいます。
内訳(2002年度)を図にしますと、こんな感じになります。

卒業者の分野別内訳が見つからなかったので、在学者数のデータで代用です。
年度ごとの変化はそれほど大きくないので修了者の比もそう大きくは変わらないはず。
理、工、農、医のいわゆる理系博士が三分の二を占めており、文系の博士は少数派です。
分野別に見ると最も多いのが医学系の博士。3割近くを占めています。
次に多いのが工学系で2割弱。理学、農学はやや少なめで1割、7%弱です。
文系では人文系、社会学系にそれぞれ10%程でそれ以外はたいした数ではありません。
◆博士の就職状況
次に進路別博士課程修了者の年次推移を表にして見ました。

博士号取得者は年々増えており、博士卒は現在毎年14000人程度誕生してます。
そして博士卒の就職率ですが、博士卒はここ20年ほど国の政策もあってか順調に増え続けており
それに伴って就職数も増え続けています。
しかし就職率で見た場合は15年程前にピークをうった後、バブル崩壊と共に落ちる一方で、
一時は65%まであがったものが現在では56%程度に下がっていて
博士を増やしたはいいが雇用先がそれに伴っていないという現状が見えてきます。
それにしても、3割以上存在する「それ以外」とされている人間の存在が気にかかります。
おそらく進路未決定あるいは無職ということになるのでしょうが彼らのその後はいかに?
◆博士のお仕事
気を取り直して次にいきましょう。
博士修了者で就職を決めた56%の人たちはどんな仕事に就いているのか。

技術職(主に工学系の人が就く仕事)の就職者数は約1200人(博士卒の8.8%)。
教育者というのはおそらく主に助手などだと思われます。これが約2200人(同16%)
保険医療従事者はほとんどが医者でしょう。これも2200人(同16%)。
その他の専門職が1500人(同11%)と続きまして、合計で7100人ほどが専門職に就きます。
しかし自分の専門と関係ない職に就く人もやや増えてきており、8%程の人は事務職や営業職などに就いています。
博士号別の就職状況のデータも多分捜せばどこかにあるでしょう。
◆「博士が100人いるむら」との整合性
「博士が100人いるむら」では
博士100人中
16人が医者
14人が大学の研究者
20人がポスドク
8人が民間企業の研究者
11人が公務員
7人が一般職
16人が無職
8人が行方不明・死亡
とされています。
医者、大学民間の研究者、一般職については大体数が合います。
公務員というのは数からしておそらくその他専門職に含まれるのでしょう。
ポスドクはどうやらグラフで就職に含まれておらず、無職と合わせて2番目の図の「下記以外」になるようです。
問題は「行方不明・死亡」にされてしまっている8人ですね(笑)
確かに卒業後どうなったかわからないというのはあまりまっとうな人生を送っているとは思えませんが
大学での自殺率は自殺率の高い医学部でも0.03%にもなっておらず、
自殺を匂わせるような図はちょっと勘弁して欲しいです。
知り合いで一人院卒で引きこもっている人がいるので、そういう感じの人が増えているのでは?
直接関係はありませんが大学や大学院の中退が結構な数になるということも書いておいたほうがいいかな?
日本の大学の中退率は11%。
これはOECD諸国でもトップクラスに低い退学率ですが、それでも9人に1人はやめてしまう。
手元に資料がありませんが大学院になると中退率はさらに上がるんじゃなかったかな?
大学院中退、それも文系だと結構就職に響くようです。
院進学を考えている人は気をつけましょう。
教授との相性、いいテーマがあるかどうかはかなり重要ですよ。













論文博士の廃止で確かに院の中退率は減りそうですね。
>在学中に助手に採用という例もありますので
私は周囲で在学中の助手採用という話を聞いたことがないのですが
これは良くあることなのでしょうか?
博士課程修了後の助手採用の内定、ポスドクの助手採用というのなら何人も知っているのですが…
>私は周囲で在学中の助手採用という話を聞いたことがないのですがこれは良くあることなのでしょうか?
最近の状況は判らないのですが10年くらい前の例では身近で3例助手あるいは技官に採用というのがありました。その他、工学・合成化学分野では企業から即、人が欲しいということで企業研究での博士号取得を前提に中退・就職という例も知っています。
また、通常の年限で仕事がまとまらなかった場合に留年せずに、単位拾得後卒業として1,2年以内に仕事をまとめるという例もあります。
というわけで数%はこのような道をたどっているのかなと思います。
助手が4例、技官が1例でした。
直接指導をしていた助手・助教授が昇進して学校を移ったり、自分の部屋を持ったりしたときに戦力になりそうな指揮下の学生を採用という例が2例あったことを忘れていました。
最近は,博士号がないと助手になれないらしいですよ!
まあドロップアウトする人はどこでもいますけど、博士卒の方が自殺率は高いんですよね。
多分ここを念頭に置いて居るんだと思います。
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Labo/5828/
昔なら全員教授が職を紹介できたんでしょうけどね。
私も修士時代にはまったく別な面で大変な思いをしましたが、貴殿のおられた大学の教授達の人間性のレベルの低さは・・・。でも、きっと驚くには値しないのでしょうね。日本の現状、地球の現状がそれを如実に表わしているのでしょうから。私も長い間うつ・引きこもりの傾向がありましたが、今アメリカで問題になっている進化論以前の、原子形成過程・地球誕生過程などについて独学するうちに改善されました。