折角なのでこのブログでも取り上げておこうと思う。
理系白書’07:第1部 科学と非科学/1 万能うたう「波動」
理系白書’07:第1部 科学と非科学/2 教室にニセ科学
理系白書’07:第1部 科学と非科学/3 根拠ない血液型性格判断
理系白書’07:第1部 科学と非科学/4 効果未確認の「マイナスイオン」
これまでの記事の題材の選び方を見れば、どこからネタを仕入れたか手に取るように分かるw
多分apjさんやkikuchiさん達も同じような気分ではと思いつつ、ニヤニヤしながら見守っているところだ。
まあやせても枯れても5大紙でこういったネタが取り上げられれば、その影響度は大きい。
ちょっと歯切れの悪い部分もあるが、とりあえずこの件に関しては毎日新聞GoodJob!
【疑似科学・ニセ科学・オカルト・トンデモの最新記事】
細胞表面のA/B抗原の糖脂質だか糖修飾だかが神経細胞の受容体蛋白質とか神経伝達物質の分子動力学に影響を与える(受容体の活性が変化するとか)なーんてことはないって断言していいんですよね?
少なくとも私はそういった類の話は聞いた事がありません。
また、特定の血液型だけ目に見えて分かるほどの影響があれば、
それが正負のどちらの方向かはともかく間違いなく選択圧がかかるはずです。
ゆえに現状から逆説的に、そういった面では血液型は優劣のない多型だと言えると思います。
#表現型としてはO型は劣勢ですけどね。
また、分子量が違うので分子動力学に与える影響がゼロという事は無いでしょうが、
生体レベルへの影響はignorableである。というのが無難な回答になるでしょうか。
これで納得しない人には、
「血液型の多型が持つ影響なんて、もしあったとしてもそれ以外の数十万の多型の影響力の総和の前では塵みたいなもの」という感じの説明ではどうでしょう?
さらにその後
「大体どこをどうすれば、神経細胞を形成する遺伝子や神経伝達物質の生産や調節に関わる遺伝子の影響度を、たかが血液型の遺伝子が上回るなんて考えに行き着く訳?あんまし遺伝学なめんな」
てな感じのコンボにつなげて小一時間説教するとなおグッドかと。
ただしもうちょっとオブラートに包んだ言い方にしないと相手を逆切れさせる危険がありますが。
ついでに。
ABOローカスの影響が云々している時点で既に相手の土俵に引きずり込まれかけているのでご注意を。
生命というのは多数の遺伝子の複雑なネットワークによって構築されているので、たかが一つや二つの遺伝子だけを取り出して全体の話に還元するなど出来るはずもありません。
ましてや現実には「環境」という厄介極まりない要素まで絡んでくるのですから、敵は恐ろしく強大です。
遺伝子のスパゲティコードと格闘している分子遺伝学者の苦戦を甘く見るわけにはいきません。
まあだからこそ、こういった要素を軒並み無視している血液型性格判断なぞ容赦なくトンデモだと断言できるわけですけどね。
それ以外の数十万の多型…>むかーし、女の子とデートしたとき、血液型を聞かれたので、「信じてるの?」と聞き返したら、「『ワンオブゼム』だろうけど…」と言うので、「ワンノブゼムですら無いよ」、「クレッチマーの体型分類のほうが、性格が体型に影響すると考えればまだ合理的」とか切り捨てて話の接ぎ穂を失ったことを思い出しました(笑)。知り合ってまもなくの「時候の挨拶」を切り捨てちゃあイカンよなあ。
そういった類の話は聞いた事がありません> それはそうでしょう。だって、私の思いつきですから(笑)。
…と、妄想してた時期に、たまたまTV番組で似た様な解説をしてるのがあって、そういう研究でもあるんかいなと心配した次第(にがわらい)。
あ、お仲間がこんなところに。
実は私も似たような事をやったことがありますw
いや、あの頃は若かった。
TVといえば、近頃世間を騒がしているあるある大辞典なんかは血液型に関してもやってくれてましたよね。
「いんちき」心理学研究所 | 「血液型と性格が関連している」という差別
http://psychology.jugem.cc/?eid=41
正直な話、番組が潰れて清々しています。
でもあの業界は変わらんだろうなぁ。
すみませんけど、コメントを見た後、質問があります。
そういう意味は、A/B抗原の糖脂質は神経細胞の分子動力学に影響を与えますか。
ありがとうございます。