2005年04月02日

ナノバクテリアは生物か?

みなさんはナノバクテリアというものを聞いた事があるでしょうか?
私は恥ずかしながら少し前に初めて聞きました。
通常、バクテリアはマイクロメートルオーダー(10-6m)の大きさをしています。
しかしこのナノバクテリアと名付けられた「モノ」はサイズがナノオーダー(10-9m)で
通常の微生物の100分の1程度の大きさしかないそうです。

謎の「ナノバクテリア」をめぐる尽きない議論(上)
謎の「ナノバクテリア」をめぐる尽きない議論(下)
この物体の発見以降、これが生物か否かで議論が繰り返されていますが
まだはっきりとした結論は出ていない模様です。 
 
 
◆ナノバクテリア
ナノバクテリアがはじめて発見されたのは1988年。
フィンランドのオラビ・カヤンデル博士が発見者でした。
培養細胞の一部がどんなに注意を払っても死滅してしまうことを疑問に思った彼は
サンプルを電顕にかけて精査してみました。すると見付かったのは変な微粒子だったというわけです。
電顕写真はこちら

何故このナノバクテリアが議論を呼んだかというと
本当に生物かどうかはっきりしなかった上、腎結石、動脈瘤、卵巣ガンなどのヒトの病気への関連性が指摘されたからです。
サイズも通常の最近に比べてはるかに小さい(直径20〜200μm)し、DNAがまだ取れていない。
そんなわけで今に到るも本当に生物なのかどうかはっきりしていないというわけです。

しかし写真を見る限り確かに微生物のように見えますね。
さすがに20nmというのは信じがたいけど、写真に写っているのはどれも0.2μm程度。
マイコプラズマなんかは0.22μmフィルターを通るほど小さいから、0.2μm程度なら別にいてもおかしくないかな。
それに検証グループによって2004年に撮られたというこの写真は確かに分裂中の細胞に見えます。

現在はっきりしていることはナノバクテリアが3日で倍という非常にゆっくりとした速度で増殖すること。
それゆえ研究が難しいこと。石灰質の殻を作ること。そして高熱にも非常に強いことなどで、
これらの特徴からナノバクテリアはアーキア(始原菌)ではないかという説も出ているようです。
そういえばナノアーキオータなんてのも最近見つかったようですね。


<追記>
PubMedで調べたら16Sは解読済みでαプロテオバクテリアだと言っているレビューも出ていましたが
これはかつてコンタミだと証明されたもののようなので現状はよくわかりません。

雲の形成にナノバクテリアが関わっているだとかHIV感染者からナノバクテリアへの抗体が見つかったとか
よく分からん論文もあってどこまで本当なんだか判断しかねる状態です。


posted by 黒影 at 19:39 | Comment(1) | TrackBack(0) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
  1. 最初の写真をぱっと見たときはアーティファクトっぽいなと思ったんですが、
    怪しいながらも結構面白そうな話題ですね。
    しかし、PubMed見てみるとDNAも取れてないのにプロテオミクス絡みの研究が
    進んでいるような・・・・と思ってアブスト読んでみると、プロテオームとは
    全く関係なさげな内容。”J Proteome Res”ってどんな雑誌なんだろう・・・
  2. Posted by 通りすがり at 2005年04月03日 14:08
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