2006年11月07日

再生医療の二つのニュース

最近再生医療関連で二つほど見逃せないニュースがあったので、
忘れないうちにフォローしておく事にする。

一つ目がこれ
asahi.com: ES細胞から人工肝臓、マウス実験で成功 岡山大助手ら?-?サイエンス
 いろいろな組織や臓器に育つ可能性があるマウスの胚(はい)性幹細胞(ES細胞)から作り出した肝細胞を袋状のものに組み込んで体内に埋め込む「人工肝臓」を、岡山大大学院医歯薬学総合研究科の小林直哉助手(45)らのグループが開発した。肝臓の9割を切除したマウスに埋め込んだ実験でも救命効果が認められた。ヒトのES細胞の利用には倫理的な課題があるが、将来の人工肝臓の臨床応用に近づく成果と注目される。

幹細胞を利用した再生医療の具体例として、かなり実用に近づいてきた感じ。
肝臓の細胞ならわざわざ幹細胞から作らんでもいいような気もするが、まあそういう突っ込みは野暮というもの。健康な肝細胞を採取できない病人向けの治療という事なんだろうな。
倫理面での問題さえクリアすれば、臨床にも近そうな研究で期待が持てる。

そして、その倫理面での問題をクリアする方法になるかもしれないのがこちらのニュース。
asahi.com: 拒絶反応減る万能細胞 余分な染色体除去 京大助教授ら?-?サイエンス
 病気や事故で傷ついた体を補う再生医療に使った時に拒絶反応が起きにくい「万能細胞」を、京都大再生医科学研究所の多田高(たかし)助教授らのグループが作った。マウスの胸腺細胞に、様々な組織に育つ可能性を持つ胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を融合して「万能性」を持たせ、融合した細胞から拒絶反応の原因となるES細胞側の染色体を丸ごと取り除いた。5日発行の米科学誌ネイチャー・メソッズに発表した。

体細胞とES細胞を融合させて万能細胞化した後で、ES細胞由来の染色体だけうまく取り除こうというコロンブスの卵的な発想。この方法が実用化可能なら、いちいち新しいES細胞を作らずとも幹細胞を得られるわけで、倫理面のハードルをかなり無くす事が可能となる。

どちらのニュースも今日明日にどうこうという話じゃないが、
5年後くらいには臨床に移っていたらといいのにと思う。


posted by 黒影 at 23:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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