電磁波を吸収するサボテン？

寝る前の定期巡回で面白いものを見つけた。

ライブドアニュースより

電磁波を食べるサボテン!?【神奈川県】
【ライブドア・ＰＪニュース　03月21日　神奈川県】− 巷（ちまた）でちょっと話題になっているサボテンがある。その名はセレウスペルヴィアナス。なんと電磁波を吸収して育つらしい。

　観葉植物が置いてある店に行くと目立つように展示してあった。モコモコとした姿が愛らしい。ＮＡＳＡ（米航空宇宙局）の調査で電磁波を一番吸収することが分かり、ニューヨーク証券取引所での実地試験でも効果が確認されたという。高さ10cmくらいのもので\1000程度。水やりは10日に一度ほどでOK。手間もかかりません。

パブリックジャーナリストの記事らしい。
TBをしているブログも含めて微笑ましいなと思わず和んでしまった。
　
　
　
「電磁波を吸収して育つ植物」というものは存在します。
というか、ぶっちゃけあらゆる植物は電磁波を吸収しないと生きていけません。（例外もありますが）
電磁波のエネルギーを利用して光合成を行なっているからです。


もうお分かりになった方も多いでしょう。
その電磁波とは、光（可視光）のことです。
光も電磁波の一種であるということを踏まえて、上の記事の「電磁波」を「光」に置き換えて読んでみましょう。
記事が一気にギャグになります。


冗談はさておいて、電磁波というものは波長によって大きく性質が異なります。
記者のｓｈｉｈｏｍｉｎｉさんはおそらく電子機器から出る電磁波のことを言いたかったのでしょう。
上記リンクの説明で「電波」にあたる波長領域の電磁波です。

この辺の波長の電磁波ならば水に容易に吸収されるので、肉厚のサボテンが電磁波を吸収するというのは理解できます。
しかしPCと自分の間にサボテンを置くならともかくPCの脇に置いては電磁波の被曝は減らないのでご注意を。
（電磁波は光のように直進します。空気の粒子と違ってそこら辺に漂っているものではありません。）
ぶっちゃけて言うと、このサボテンで電磁波を遮ろうというのは土砂降りの中ハンカチで雨を遮ろうとするようなものかと。

ついでに言うなら植物は電波で光合成をすることは出来ないので、ちゃんと光もあててやること。
電波を吸収するからといって電波を利用できるわけではありません。


そもそも電磁波を遮りたいならこんなサボテンを買わずとも、
単にビニール袋にでも水を入れてPCと体の間に置けばいいのです。

あるいはオーソドックスに電磁波吸収材を使うのも効果的でしょう。

サボテンにインテリア以上の効用を求めるのはやめておきましょう。
このサボテンが特別に電磁波を遮ってくれるわけではないのですから。


＜追記＞
電磁波の害自体、巷で言われている内容が相当トンデモだという事も追記しておきます。
ところで電磁波の吸収率について調べていたらパナウェーブに出くわしてしまって腹筋が痙攣しそうになりました。

もう一つ、このサボテンの面白い広告を発見。
電磁波吸収サボテン（セレウス・ペルービアナス）

電磁波吸収サボテン（セレウス・ペルービアナス）は、電磁波を吸収すると言われている今話題のサボテンです。
このサボテンは植物から発生する波動のチクリンパワーを、発すると言われているので、そのため電磁波吸収を和らげる効果があるという説が有効。今回は２個セットでの販売です。
是非、あなたのパソコンのお側へ置いて、その効果をお試しください。

（大文字は引用者[黒影]によるもの）
NASAの研究はどこへ行ったのか（笑）

NASAやニューヨーク証券取引所なんて固有名詞の使い方が典型的な都市伝説のそれだったので
気になって元ネタを調べてみたら月ナル者のGiraudさんが既に調べていました。
結論は、やっぱり（笑）という感じでした。