2006年08月04日

酸化防止剤神話:医学のおとぎ話

New Scientist Premium- The antioxidant myth: a medical fairy tale - Featuresより
久々に翻訳ネタでも。

If popping pills to stave off the ravages of ageing sounds too good to be true, that's because it is, says Lisa Melton
「老化の影響を食い止めるために錠剤を常用するという話がうますぎるように聞こえるならば、それはまさしくその通りだからです」−リサ・メルトン。

CRANBERRY capsules. Green tea extract. Effervescent vitamin C. Pomegranate concentrate. Beta carotene. Selenium. Grape seed extract. High-dose vitamin E. Pine bark extract. Bee spit.
クランベリーのカプセル、緑茶抽出物、活性ビタミンC、ザクロ濃縮液、ベータカロチン、高用量ビタミンE、松皮抽出物、ハチミツ。

You name it, if it's an antioxidant, we'll swallow it by the bucket-load. According to some estimates around half the adults in the US take antioxidant pills daily in the belief they promote good health and stave off disease. We have become antioxidant devotees. But are they doing us any good? Evidence gathered over the past few years shows that at best, antioxidant supplements do little or nothing to benefit our health. At worst, they may even have the opposite effect, promoting the very problems they are supposed to stamp out.
その他何でも、それが酸化防止剤であるならば、我々は大量にそれを摂取します。いくつかの需要見通しによると、合衆国の約半分の大人は、それが健康を促進して病気を食い止めると信じて毎日酸化防止剤の錠剤を飲みます。我々は、酸化防止剤ファンになりました。しかし、これらの錠剤は本当に効いているのでしょうか?
ここ数年にわたって集められた証拠が示すものは、良くても酸化防止剤サプリが我々の健康のためにほとんど何の利益にもならないという事実です。最悪の場合、酸化防止剤は逆の影響を与え、彼らが何とかしたいと思っているまさにその問題を促進するかもしれません。

It's little surprise that antioxidants have acquired a reputation as miracle health supplements. As long ago as the 1950s, scientists discovered that many diseases - including heart disease, strokes, cancer, diabetes, cataracts, arthritis and neurodegenerative ...
酸化防止剤が奇跡の健康補助食品としての評判を得たことは、別段驚くべきことではありません。その昔1950年代に、科学者は多くの病気を発見しました - 心臓病、脳卒中、ガン、糖尿病、白内障、関節炎、そして、神経変性である...


続きが読みたければNewScientistのサイトで5ドルを払うか、その内日経サイエンスか日経ヘルスあたりで記事になるのを待って下さい。
大きめの総合大学なら図書館に置いてあるかも知れません。
 
 
 
この記事を訳す気になったのは、昔こういうサプリメントにはまっている友人がいたからです。アトピーの気がある友人で、健康食品は片端から試すようなやつでした。
こんなサプリメントに金を使うくらいなら、バランスの取れた食生活を心がけるほうが余程体にいいんですけどね。素人が用量もろくに考えずに大量のサプリを摂取したところでろくな効果が得られるはずもなく…

当時からどれだけの費用対効果があるのやらと呆れつつ世の中の健康食品ブームを眺めていた訳ですが、最近サプリメントの過剰摂取の有害性を示す報告が続々出ている(下記参照)のを見るにつけ「やっぱり」と思うことしきりです。
一部の医者がこのムーブメントを煽ったり便乗していたりするから性質が悪いんだよなあ。

◆一例としてコエンザイムQ10やビタミンEの事例
コエンザイムQ10の過剰摂取は有害かもしれない Medical Tribuneから
内科開業医のお勉強日記 : ビタミンE使用は・・・心不全悪化、入院増加


「健康に生きたい」という欲求は誰しもが持つ当然の欲求だと思うけれど、
縋ろうとしているものが本当に役に立つのかどうかはちゃんと見抜ける目を持たないといけないと思う今日この頃。
面倒だからとリテラシーを放棄すれば、行き着く先はイリーナおばさんやら「買ってはいけない」やらに騙される人と同じ場所だからなあ。
posted by 黒影 at 01:33 | Comment(1) | TrackBack(0) | サイエンストピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
  1. ネイチャーメイドのマルチビタミン(凄い臭いです、マトモに嗅ぐと吐きそうになりますww)を毎日1錠飲んだり飲まなかったりしています。2錠が適量らしいですが、日ごろ食べている物を考えれば1錠でも十分過ぎます……。効果?あるんでしょうかね?ま、健康状態はいろいろ生活を見なおしたおかげでしょうが、良くなっているので飲んでいます。

    実は、AmWayのサプリを買ったがために販売員に押しかけられた知人がいます。いや、凄いですね、アムウェイ信者。知人が心配だったので、実演日は横で陰険なツッコミを入れながら御高説を拝聴させていただきました。

    さり気なく、トライガンのウルフウッドが銃でビシッときめてる巻を目に付くところにさり気なく置いて、「最近の若者は何考えてるか分からないよ」感を演出しましたが、効果無しww 恐るべき商売根性でしたね。

    知人には後から販売員から電話アタックが来たようですが、「たとえ万が一、AmWayの商品がデパートや量販店より安くても絶対に買うな。引き込まれるぞ!」と念を押しておきました。どうやら撃退できたようで安堵しました安心しました。

    結局、何をいいたいかと言うと――。厚生省の認可を受けていない輸入サプリの栄養量は異常なので飲む際は十分に注意してください、サプリ狂の皆様。適正量と限界量の幅が狭い栄養素もありますんでね。
  2. Posted by MyWay at 2006年08月14日 00:26
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