2006年06月28日

毎日新聞がまたやってくれちゃっている件について

毎日新聞は結構精力的に科学関連のニュースを記事にしており、朝日のように格調高くNatureScienceのネタをというのでなく、生活に即した視点から捉えた記事が多い点には好感が持てる。
しかしその一方でトンデモ科学を好意的に取り上げちゃった記事もまた多いのが困りもので、「ゲーム脳」をはじめとして最近では胎児記憶に関する与太や血管に野菜汁を注射するというトンデモ医療などなど、毎日新聞がやっちゃったトンデモ記事は枚挙に暇がない。
「ゲーム脳」を批判する記事と、その過去が繋ぐ「毎日新聞の記事」::マスコミ関係:不可視型探照灯
メモ:「ゲーム脳」記事を書いた毎日新聞記者の所感::マスコミ関係:不可視型探照灯
胎内記憶:NATROMの日記
ファイトケミカル〜野菜汁を注射して白血球を活性化しよう:NATROMの日記

よく言えば純真な人達が記者をやっているんだろうが、トンデモ科学に対する批判能力を持たない人間、クリティカル・シンキングを満足に出来ない人間が科学記者をやるのってどうなのよ?と思うわけだ。


さて、前置きはこのくらいにして本題に入る。
以前から何度もネタにしているが、「市民派」毎日新聞は遺伝子組み換え作物(GMO)問題においても「市民運動」と密接に連携して動いている。
しかし、やはりというか何というか、やっぱりこの「市民運動」もあんまりまともじゃないのだ。
前から与太記事書いているとは思っていたが、まさか一番トンデモ度の高い所と組んでいたとはなぁ。 
 
 
とぴっくす:遺伝子組み換え食品考える講演会−−あす、佐賀で /佐賀
 遺伝子組み換え食品の問題を考える講演会が26日午前10時、佐賀市兵庫町藤木の市保健福祉会館ほほえみ館で開かれる。講師は科学ジャーナリストの天笠啓祐さん。グリーンコープ生協さがの主催だが、組合員以外でも参加できる。無料。

この講師の天笠啓祐という人は「ト」の方面ではそこそこ有名なので知っている人もいるかと思う。
主に週間金曜日を根城にアヤシゲな言説を吐いていて、「買ってはいけないPart2」の著者陣の一人でもある。
(この本のトンデモ度はこのサイトが詳しい>買ってはいけないのか?

電磁波関連でも結構な電波を飛ばしているので、そっちで知った人もいるかもしれない。

どうも「買ってはいけない」関連で遺伝子組み換え食品に触れてから反対運動に関わりだしたようなんだが、
そちらでも「買ってはいけない」で培ったトンデモ言説を余すところなく発揮してくれている。
彼の主張のステキさ加減はその著書に如実に現われている。
まだトンデモ耐性が高くなかったとは言え、学部の頃にたまたま手にした私が思わず思考停止した位にスバラシイ。

さて、そんな天笠氏が講演をするというのだからその内容はいかにも楽しげだ。
生憎週末に家を空けていたせいで気が付くのに遅れたが、どこかにこのレポートとか出てないだろうか?
とりあえず去年のは見つけたんだが、残念ながら今年の分はまだないようだ。
はじめまして:自生遺伝子組み換え(GM)ナタネ汚染調査報告会

ついでにこのグリーンコープ内の記事を見ていたら、7月にはこんなのもあるのかw
グリーンコープのトンデモ汚染は深刻だなw
はじめまして:遺伝子組み換え食品
「遺伝子組み換え大豆、ラットの出産に影響!」
日時:06年7月4日(火)10:30〜 場所:大博多ホール(大博多ビル12F)
講師:イリーナ・エルマコバ博士
遺伝子組み換え大豆(ラウンドアップレディ大豆)を与えられたラットの出産に
重大な影響が出たという衝撃的な研究結果が報告されました。
GM(遺伝子組み換え)大豆の摂取と生物の子孫との関係性を明らかにした初めての研究です。

そのネタはすでに去年の内にネタばれしてるしw
一体どんなホラを吹いてくれるのか楽しみだ。
食品安全情報blog:新生ラットに与えるGM大豆の影響に関するACNFPの声明
http://www.acnfp.gov.uk/acnfppapers/gmissues/acnfpgmsoya
2005年11月24日の会合において、ACNFPはロシアでIrina Ermakova博士により行われた予備的試験の報告について検討するよう依頼された。コメントは以下。
http://food.gov.uk/multimedia/pdfs/acnfpgmsoya.pdf
<中略>
遺伝子組換え(除草剤耐性)大豆に関するIrina Ermakova博士による報告を検討した。この報告ではGM大豆粉を与えたラットから生まれた子どもは、非GM大豆や対照餌を与えたラットの場合に比較して死亡率が高く成長が遅いことが述べられていた。
この報告には結果を評価するのに必要な情報が欠けており、特に試験飼料に関する重要な情報がない。さらにこれは予備的実験でありピアレビュー過程も経ていない。
<中略>
結論として、この予備的研究の結果を説明可能な理由はGMか非GMか以外にもたくさんあり、そうした重要な情報がない限り何ら結論は下せない。委員会はErmakova博士に接触してさらなる情報を得ることを試みており、この研究についてはピアレビューされて雑誌にフルレポートが発行されたら評価を行う。

まーた連中お得意の「結論ありき」の実験の臭いがプンプンする。
誰か7月の講演を聞きにいって「ACNFPに突っ込まれた実験の不備はちゃんと再実験しなおしたのか」とか「ピアレビューはもう受けたのか」とか突っ込んでみないか?
きっと楽しい反応が返ってくると思うぞ。
(PubMedでサーチしてみた限りでは少なくともPublishされてはいない)


それにしても毎日の科学部に人を見る目を持ったやつはおらんのか?
月に一度はトンデモ記事を出している最近の状態はマスコミとしてやばくないか?
まあトンデモウォッチャーとしてはいいんだけど。

毎日新聞がこの講演を取り上げたら笑うな。
クリティカルシンキングどころか、半年も前の情報すらろくに取材できていないことになる。
ちょっと7月が楽しみだ。


<6/28追記>
7月3日にIrina Ermakova氏の記者会見があることを把握。(詳細はコメント欄参照)
毎日新聞を始めとして各方面が釣られることが予想される。
特に毎日新聞にはどんな記事が来るか期待出来そうだ。

◆続編エントリ
さて、今日は例の記者発表があるわけですが
毎日新聞、またしても遺伝子組み換え作物ネタに踊らされてガセを掴む
目黒で電波浴
イリーナ博士東京公演レポート


◆参考図書
クリティカルシンキング (入門篇)
クリティカルシンキング・実践篇
クリティカルシンキング 不思議現象篇
クリティカルシンキング―研究論文篇

◆関連ニュース
FOOD・SCIENCE:GMOワールド●データだけの一人歩きは困る〜ロシアのGMダイズRat Study
posted by 黒影 at 02:09 | Comment(16) | TrackBack(1) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
  1. わたしの読んだ新聞記事では、ロシアの研究者とだけ紹介されていたのですが、イリーナ・エルマコバ博士といわれるのですね。参考になりました。
  2. Posted by meineko at 2006年06月28日 12:33
  3. こんにちは。
    Irina V. ErmakovaさんのHPに資料が追加されていたので見てみました。
    グリーンピース主催の反GM会議の議事録、らしいです。
    http://www.oeko.de/oekodoc/277/2006-002-en.pdf
    41-47ページにIrina V. Ermakovaさんの実験の内容があります。
    以下に翻訳がありました(日本の反GMサイト)。出典は違うけれど内容はほぼ一緒です。
    http://www2.odn.ne.jp/~cdu37690/gmdaizutoratsinseiji.htm
    対照群のことをpositive controlと呼んでいたり、ヘンなところはたくさんあるのですが、なにより問題なのは使った材料です。
    ラウンドアップの元系統が入手できなかったのでその辺で売っている大豆(Arcon SJ 91-330, ADM, the Netherlands)を使ったとあるのですが。

    ADMはArcher Daniels Midland Companyのことで、Arcon SJって大豆じゃなくて大豆蛋白濃縮物らしいのです。
    http://www.admworld.com/euen/productdb/details.asp?code=696
    製品カタログだとページ番号で54ページ、PDFで29ページ目
    http://www.admworld.com/mktcolpdf/FoodCatalog.pdf

    Arcon SJは水分6%蛋白質68%脂質3%食物繊維19%炭水化物20% 100gあたり290Calのヒト用食品のようです。
    普通の大豆は蛋白質35%脂質20%くらいで当然レクチンなども含みますから全く違うものです。
    これだとすると実験結果が非常に納得のいくものなのです。単純に生の豆は体に悪いという実験結果です。
  4. Posted by uneyama at 2006年06月28日 18:31
  5. >meinekoさん
    いつ頃の記事でどんな内容だったか覚えておられますか?
    もしWEB上にあるなら紹介していただけるとありがたいのですが。

    それはそうと、どうやら生協系のつながりで全国各地で講演をやるようですよ。
    筑波でもあるようなので興味があったら是非レポートを(幸い日曜だし)
    記者会見で釣られるマスコミが出たらまたネタにでもしてやりますか。

    イベント紹介 : イリーナ・エルマコヴァ博士講演会のお知らせ
    http://www.pofa.jp/db_web/event2.nsf/54c44b5ab8c66b92492566cc00274515/b80a1c08b191aa3949257170003134d5?OpenDocument
    >7月3日(月)  記者会見 飯田橋・セントラルプラザ(未定) 14:00〜
    >7月4日(火)  福岡会場 大博多ホール             10:30〜12:30
    >7月6日(木)  大阪会場 大阪NPOプラザ大ホール     10:30〜12:30
    >http://www.onp.or.jp/contact/index.html

    >7月7日(金)  徳島会場 ふれあい健康館            14:00〜16:00
    >7月8日(土)  東京会場 目黒区中小企業センター      13:00〜15:00
    >7月9日(日)  つくば会場 春日公民館              13:30〜15:30
    >7月10日(月) 札幌会場 札幌市民会館             10:00〜12:30

    http://homepage3.nifty.com/watage/afile/a109.htm
    >日程 : 平成18年7月9日(日)
    >時間 : 13:30〜16:00
    >場所 : つくば市 春日公民館 ホール
    >内容 : ◆ 講演 「遺伝子組み換え食品の安全性と問題点」
    >       講師:イリーナ・エルマコバ博士  13:30〜15:30
    >    ◆ 質疑応答 15:30〜16:00
    >資料代 : 500円

    http://www.kirari.coop/modules/news/article.php?storyid=225
    >■日時 2006年7月6日(木)
    >    午前10時30分〜12時30分
    >■場所 大阪NPOプラザ3階大ホール
    >■講師 イリーナ・エルマコヴァ博士
    >    (ロシア科学アカデミー高次機能・神経行動学研究所)
    > 助言 金川貴博教授(京都学園大学)


    >uneyamaさん
    貴重な情報をありがとうございます。
    これはかなり決定的な情報ですね。
    やっぱり結論が先にある実験でしたか。
    ああ、仕事がなかったら自分で聞きに行ってツッコミまくってやるのに…
  6. Posted by 黒影 at 2006年06月28日 19:31
  7. >ああ、仕事がなかったら自分で聞きに行ってツッコミまくってやるのに…
    有給とっていいよ。7月だし。
  8. Posted by at 2006年06月28日 23:31
  9. ん〜、さすがに有給を使ってまでというのはちょっと…
    ひょっとすると土曜の東京である講演を聞けるかも知れないのでいろいろ調整してます。
  10. Posted by 黒影 at 2006年07月01日 15:16
  11. 天笠さん。。。すばらしすぎてコメントできない。
    毎日新聞は深く取材をしない、というのがポリシーらしいから。
    これらのクリシン本を読むという人はそもそもクリシンの素養があるということですから。。。
  12. Posted by アマサイ at 2006年07月06日 16:08
  13. はじめまして。イリーナ・エルマコバ博士の実験について調べていて、こちらを見つけました。

    本日、毎日新聞、大阪本社版、第3面に、黒枠で囲んで「遺伝子組み替え大豆 子ラット6割死ぬ」と大きく書いて記事が出ていました。

    上に出ている金川貴博教授(京都学園大学)のコメント付きです。

    まさか、(中立を装った)お仲間のコメントを載せるほど、毎日新聞が落ちぶれているとは思いもよりませんでした...

    #記事中には、中立などという記述はありませんが。

    FOOD・SCIENCE 「科学」の名に値しない遺伝子組み換え毒性試験(1)
    http://biotech.nikkeibp.co.jp/fsn/kiji.jsp?kiji=660
    によると、4日の時点で、何やら、面白いやり取りがあったようですのに。
  14. Posted by att460 at 2006年07月06日 18:24
  15. >アマサイさん
    素養のある人間はそもそも引っ掛からないし、素養の無い人間は問題点に気づかない。
    科学記者をやる以上、こういう素養も身に着けておいて欲しいと思うのは贅沢な要求なのかなあ。

    >att460さん
    期待通り来ましたね。
    記者は自分が正しいことをしている気満々、社会の木鐸のつもりなんだと思いますよ。
    「地獄への道は善意で敷き詰められている」という諺もありますが、「正義」に目が眩んだ人は周りが見えないものですから。
  16. Posted by 黒影 at 2006年07月09日 00:52
  17. 天笠さんや、週間金曜日や、グリーンコープを批判している人は、いかにも遺伝子組み換え作物の推進側の回し者という感じで、誠意のない書き込みにとても不快です。遺伝子組み換え作物を推進して、メリットのあるのは、推進している多国籍企業であるから、その側についている人は、必死になって反対派を攻撃したいのでしょうと。それは自分の関係する企業がもうけるかどうかなのですから。遺伝子組み換え作物が地球上にはびこったとき、どんなリスクが生じるのかも正直に公表できないのはいかにも怪しげに見えます。わたしは、遺伝子組み換え食品を自分の大事な人には食べさせたくないので、そのリスクの部分を、推進側の妨害に遭いながらも真摯な気持ちで丁寧に実験したり、情報を集めたり、学習会を開催してくれたりしている人たちを応援します。人間は、いくら叡智があってもそれを自然に対する横暴のような使い方をしてはいけないと思うのです。
  18. Posted by りんりん at 2006年08月09日 15:14
  19. >りんりんさん
    グリーンコープからようこそ。ひょっとして職員の方ですか?
    悲しいほどに天笠氏らのお題目そのままのコメントをありがとうございます。

    まずひとつはっきりとさせておきたいのですが、私達が天笠氏らを批判するのは
    彼らが「嘘と偽り」を元に反GMO活動を繰り広げ、欺瞞を指摘されても一向にそれを改めないからです。
    「それは嘘だ!嘘をつくな!」という批判が「攻撃」に見えるのだとしたら、
    あなたは自分の信じるものに対して少々盲目になっているのではありませんか?

    「批判者は敵!」「批判者は多国籍企業の回し者」という短絡思考も良くありませんよ。
    相手がどういう人間で何故批判しているかも理解しないうちにそんな決め付けをしては
    「反GMOってこんな人間ばかりなのか?」と中立的な人間まで呆れさせかねません。

    >遺伝子組み換え作物が地球上にはびこったとき、どんなリスクが生じるのかも正直に公表できないのは
    健康リスクも環境リスクも既存の農作物と何ら変わらないというレポートは既にたくさんあるわけですが、多分あなたはそれを認められないでしょうね。
    真面目にリスク評価を行っている大勢の科学者には目もくれないくせに、お馬鹿なマスコミと市民運動家相手におべんちゃらを振りまく学者崩れを本物と有難がる様子は実に滑稽です。
    あなたのような人にぴったりな言葉をある人が既に書いていますので、それを引用しておきます。


    森羅情報サービス連載(295)遺伝子組み換え作物
    http://www.kenji.ne.jp/2006/060709.html
    > 生協などで「食に関する問題」を取り上げるのは結構なことです。しかしこうした「非科学」が横行するようになるのは困ったことだと考えています。生協関係者が科学に弱いからだまされてしまうのか、それとも確信犯的にでっち上げをやっているのか、判断に苦しむところです。
    >
    > 私の経験から考えると、たぶん前者だろうと思います。エスコープの専務理事の顔を思い浮かべたりすると、そう思うのですね。いい人なんだけど科学に弱いというのが生協職員に共通する特徴です。
    >
    > 生協では組合員といいますが、消費者側もあまりにもだまされやすい体質があります。政府やメーカーの言うことは疑うのに、消費者側に立っているというポーズだけで疑うことをやめてしまいます。議論は事実と論理に基づいておこなうもので、人の立場を考慮するのは間違っているのに、先に敵味方を区別してしまうため、あとはだまされ放題です。
    >
    > 「いい加減目覚めなさい。」といいたいところです。
  20. Posted by 黒影 at 2006年08月09日 20:59
  21. わたしも、りんりんさんに賛同しますよ。アホな部類でしょう。まじめにリスク評価を行なってい・・・・目もくれないくせに、お馬鹿なマスコミと市民運動家に・・・・・・学者崩れを本物と有難がる様子は実に滑稽です。という、人をバカにした書き方、あなたの品位を疑います。リスク評価をちゃんとしているといいますが、リスク評価で、即、人間が食べても安全、生態系にも影響ないと、結論付けられるのですか?
    遺伝子組み換えを推進するのは、企業の儲けに何ら関係がないとでも言うのですか?
    何の目的で、そんなに遺伝子組み換えを支持されるのかお答えください。結論ありきで、遺伝子組み換えに
    待ったをかけている人たちを批判しているのは、あなたたちではありませんか?騙されやすいアホナ消費者でごめんなさい。騙されやすい利口な科学者かぶれの方、人を馬鹿呼ばわりする下品な表現は止めたほうがいいと思いますよ!そういう書き方では、真面目に実験されリスク評価をされた科学者さえ品位が疑われ、一般の消費者は、オヤッと思いますよ!
  22. Posted by トントン at 2006年08月12日 01:05
  23. 「一般の消費者」のひとりです。

    黒影さん「現在の反GMO論者による検証にはおかしな条件の実験があり、それを論拠にした主張は科学的に問題だし、愚かしい」
    りんりんさん「批判者は誠意がない。GMO推進の回し者だから批判するのだ」
    トントンさん「品位がない。GMO推進は企業の儲けに関係がある。結論ありきは批判者の方だ」

    いつもながらなのでしょうが、話が噛み合ってませんね。
    反GMOの方々は「実験がおかしい」という批判に反証し論破できないと説得力が乏しいかと。
    私も危険な食べ物を自分が食べたりや周囲の人間に食べさせたりしたくはないですが、そのためには正当な根拠が必要です。

    企業が収益(儲け)をあげるために事業活動を行うのは当然で、そのこと自体を批判するのは正当な権利の侵害です。
    ただ、その事業活動がどこまで正当なものかについて、消費者等が気をつける必要も当然あるわけですが、それもまた正当な形で検証し、正当な形で批判する必要があると考えます。
    GMO推進にせよ反対にせよ、論拠の薄い情緒先行では理解は得られません。
    科学的根拠と経済的・事業的背景を混同しないような形での議論が必要かと。(情緒だけの意見など、検証においては論外)

    個人的にはGMOについては、判断しかねていますが、それぞれのサイト等で主張を見る限りでは、反GMOの方はGMO推進を批判するだけでなく、自らへの批判にもきちんと答えていただかないと、ちょっと信頼できないな、というところ。(だからといってGMO推進論を無条件に信頼するわけでもないのですが)

    それから、りんりんさんとトントンさんは、黒影さんをはじめ反GMO論を批判する方をGMO推進企業側の人間と決め付けているようですが、そういう経済的・事業的背景とは無関係に世間の事象に科学的検証を加えようとする人々も存在するわけで。これまでの本ブログの記事を見るに、黒影さんはそういう方とお見受けしますが。

    品位云々についてはごもっともですが、はたから見ているとどっこいどっこいです。
  24. Posted by うーん at 2006年08月12日 08:39
  25. 何か本来の安全性の検証というより、「おまえは何々だから信用できない」合戦ですな。
    公の場でイリーナさんと国や企業や一般の専門家で公開バトルすれば問題点は自ずと出てくるはず。やったらどうですか?
    まあやらないでしょうけど。市民団体はそれが怖いでしょうし、国や企業は煩わしいとお考えですからね。
    まー、なんて低レベルなお話なんでしょう。
  26. Posted by えーかげんにせー at 2006年08月12日 09:25
  27. >トントンさん
    >真面目にリスク評価を行っている大勢の科学者には〜
    と言う理由で私が彼らを軽蔑しているのは事実ですので、それをどう評価するかはあなたのご自由に。
    私は過ちて改めぬ人に寛容でいられるほど人間が出来ていませんので。

    質問にもお答えしておきます。

    >リスク評価をちゃんとしているといいますが、リスク評価で、即、人間が食べても安全、生態系にも影響ないと、結論付けられるのですか?
    それは不可能です。リスクが存在しない食品など存在しません。
    そしてリスク評価とはそのリスクの大きさを定量的に分析することです。
    通常の農作物が必ず健康リスクを持ち生態系に大きな影響を与えるのと同程度に、遺伝子組換え作物もまた健康リスクを持ち環境に影響を与えます。どんな農作物にも必ず有害物質が含まれることや、有史以来農業がいかに環境に大きな影響を与えてきたか位はご存知ですよね?
    特定の種類の植物をある地域で栽培すれば、それだけで付近の生態系には大きな影響を与えます。

    遺伝子組換え作物のリスク評価の現状がどうなっているかについては先に書いたとおり、他の農作物と変わるものではありません。遺伝子組換え作物特有の問題として挙げられていたものも、ほとんど追試で否定されたり大したリスクでないことが分かったりしていますし。
    どうぞご自分の目でお確かめください。
    http://scholar.google.com/scholar?q=genetically%20modified%20risk

    >遺伝子組み換えを推進するのは、企業の儲けに何ら関係がないとでも言うのですか?
    >何の目的で、そんなに遺伝子組み換えを支持されるのかお答えください。
    遺伝子組換え作物を使っている企業であれば、当然利益につながるでしょう。
    しかし企業が営利団体である以上、上でうーんさんも書いているようにこれ自体は何も問題ではありません。

    私自身が遺伝子組換え技術の利用に賛同するのは、この技術が品種改良に有効であるのと、一旦遺伝子組換えで作り出した作物を、わざわざ時間と金をかけて通常の品種改良で作り直している現状が馬鹿馬鹿しく無駄であると考えるからです。開発費用は結局我々消費者の負担として跳ね返ってくる上に、資本力が全てのこの開発競争が本格化したら、国内の零細種苗メーカーには勝ち目がありませんからね。

    ちなみに私自身はこの分野の研究や企業とはまったく関わりがありません。
    バイオを学んだ人間として、他の記事と同様バイオに関連する時事問題兼トンデモネタとして、自分の考えを書いているだけです。

    >結論ありきで、遺伝子組み換えに待ったをかけている人たちを批判しているのは、あなたたちではありませんか?
    これはどこをどう読めばそういう結論に行き着くのかさっぱり分かりませんので、
    何故そう思ったか、該当箇所と理由を明示していただきたいのですが。
    私が批判を行う理由は先のコメントに書いているつもりです。


    >うーんさん
    論点をまとめていただきありがとうございます。
    仰るとおりすれ違いはいつものことなので、あまり気にしてません。
    そのつど軌道修正すればいいことですから。


    >えーかげんにせーさん
    国内でも海外でも既にあちこちで衝突していますよ。
    大抵一方的な展開になりますが。

    毎日新聞、またしても遺伝子組み換え作物ネタに踊らされてガセを掴む
    http://blackshadow.seesaa.net/article/20391430.html
    目黒で電波浴
    http://blackshadow.seesaa.net/article/20469857.html
    イリーナ博士東京公演レポート
    http://blackshadow.seesaa.net/article/20704481.html
    松永和紀のアグリ話●「科学」の名に値しない遺伝子組み換え毒性試験(1)
    http://biotech.nikkeibp.co.jp/fsn/kiji.jsp?kiji=660
    松永和紀のアグリ話●「科学」の名に値しない遺伝子組み換え毒性試験(2)
    http://biotech.nikkeibp.co.jp/fsn/kiji.jsp?kiji=661
    松永和紀のアグリ話●ロシア人科学者の遺伝子組み換え毒性試験を総括
    http://biotech.nikkeibp.co.jp/fsn/kiji.jsp?kiji=667

    反GMOな人たちは質問封じに走ったり、永田元議員の国会答弁みたいな対応を繰り返してきたわけで、
    公開バトルがもし実行されたとしても、到底議論と言えるだけのものにはならないでしょうね。
    それはそれで見てみたい気もしますけど。
  28. Posted by 黒影 at 2006年08月12日 15:44
  29.  議論が全然かみ合ってませんが、反GM運動に関わっている人の心情はよく分かりました。基本は黒影さんのコメントに賛同します。<遺伝子組み換えに問題なし>という主張と<反GM>ではどこまで行っても平行線でしょう。
     反GMの主張をするのは結構です。ただ、今回の一番の問題はデタラメな実験を根拠に自己の主張を正当化することです。
     <目的のために手段を選ばない>ことは許されるものではありません。今回の実験の問題点に言及せずに“遺伝子組み換えの是非”という一般論に話をすり替えるのは論外です。
     あえて言います。“バイオ企業の回し者”と言う言い方が許されるなら、天笠氏は“消費者運動の手先”です。バイオ企業が悪で、消費者運動が善などという単純な図式が成り立つ時代ではもはやありません。事実と道理に立っているかどうかで善悪を判断するのであって、立場が善悪を決めるのではありません。
     無理であることを承知で言いますが、松永さんの文章をきちんと目を通してみてください。自分と対立する立場の人の文章をきちんと我慢して読むことは絶対に必要です。それがいかに不愉快なものであったとしてもです。
  30. Posted by 日日不穏日記 at 2006年08月13日 18:51
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  32. Posted by Fmbesvaa at 2014年02月05日 23:24
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記者の日本語力の低下に憂いを抱く
Excerpt: 毎日新聞の夕刊の記事に、「早い話が:星くずのブーメラン」という記事が掲載された。 (この記事は現在毎日新聞のサイトで読むことが出来る→ここ) 個人的にこの記事を見て思ったのは、論理の稚拙さと、記者の..
Weblog: 私道33号線の四方山話
Tracked: 2007-02-09 15:56