その頃はまさか自分がID論とこれだけ深く関わるなんて思ってもみなかったし、
疑似科学関連記事がこのブログのメインコンテンツの一つになるなんて想像も出来なかった。
それが一年の間に色々あって、何故か周囲からはID論批判の急先鋒と目される状況に。
違うのになあ。
そりゃ相手が大ボケをかませばキビシク突っ込みを入れますが、
私はただ、ID論者、ID論信者を観察して、たまにつついて反応を見てみたいだけなのに。
(サイエンスに携わるものとしてはまた別の行動指針を取りますが)
まあ、そんなこんなで過去一年間には色々あったわけですが、2ヶ月間ブログを空けて自分でも何を書いたか記憶があいまいになってきたし、この一年の間に新規の人も増えたので一度記事を一通り振り返ってみようかと。
自分の過去を振り返るというのは怖いですけどね。
今見ると悶絶したくなるような文章も一部あるしw
◆インテリジェント・デザイン論関連記事集
<First Stage>
ID論に言及し始めた頃から転換期に入る直前までのエントリ。
この頃は平和だったなあ。
・インテリジェントデザイン理論(ID理論)にはまっちゃった京大名誉教授 2005年06月09日
当ブログの栄えあるID論関連記事第一号にして、疑似科学関連記事の第一号。
内容は有名大学教授の肩書きを利用してイタタな行動をする教授を紹介するというもの。
今にして思えば、これがきっかけで「トンデモウォッチャー」の道に踏み込んだようなものかも。
この記事は後に述べるある明確な意図の下に作成した記事であり、当人の目論見をはるかに上回るレベルで役に立ってくれました。
・進化論に関しての通行人氏へのお答え 2005年06月13日
ID論信者との対話、第一章一節。なぜID論が科学になりえないのかという話。
後に続々突撃してくるID論「信者」ですが、一応想定の範囲内。
この頃の自分の文章は拙いなあと思うのは、多分成長した証拠かな。
・進化のアルゴリズム 2005年06月17日
ID論信者との対話、第一章二節。
進化と確率論的な偶然はイコールじゃないと言う話を誰にでも分かるよう簡単に解説したエントリ。進化論のビギナー向けです。
「ダーウィン主義を攻撃する人たちの大多数は、ダーウィン主義にはでたらめの偶然以外には何もないという誤った考えに、ほとんど見るに耐えないほどの熱心さで飛びつきたがる傾向がある。」 By S. ドーキンス
多いんですよね、本当に。うちに突撃してくるビリーバーのほとんどがこれに引っかかってるし。
・ラエリアン的インテリジェント・デザイン理論 2005年07月03日
たまにはちょいとキワモノも、ということでラエリアンのインテリジェントデザイン論について言及。
結論から先に言うと新しい地球の創造論と大差ないトンデモな代物でした。
・また馬鹿なことを言っているのか 2005年08月11日
ブッシュ大統領が「IDを学校で教えるべきだ」と失言をして、それをアメリカのキリスト教右派が大歓迎したというニュース。
ブッシュもアホだけど、それに食いつく宗教勢力も大概アホです。IDの支持者が宗教勢力だと自白したも同じだろうに。
そんな感じのニュースへの感想。
スパゲティ・モンスター創造説に初めて触れたのもこのエントリかな?
この頃日本では「ID論?なにそれ?」という人がほとんどで、私も完全に対岸の火事のつもりで眺めてました。
アメリカでは既にかなり深刻な社会問題になっていたんですが、まさか日本に飛び火するとは思っていなかったので。
今からしてみれば渡辺センセその他の国内勢力を過小評価してたんでしょうね(笑)
そして物語は佳境に…
<Second Stage>
季節は秋を迎え、セカンドステージではとうとうID論が日本に飛び火します。
火元は産経と統一協会とプラスα。
まあ気が付いたら爆散していた気がしますが…
と可燃物と指向性爆弾をセットで仕掛けた張本人がつぶやいてみる。
・科学に対する共和党の闘い−The Republican War on Science− 2005年09月10日
アメリカの科学界が晒される攻撃を詳細に書き記したドキュメンタリーの紹介。
取り上げているのはIDに代表される宗教側からのアタックだけではありませんが。
多分この頃にアメリカのID論者の活動がピークだったのでしょう。
日本で産経が妙なID論ヨイショ記事を書いていたのも確かこの頃だったはず。
きな臭い感じはしていたのですが、国内から臭っているとは思わずシグナルを見落としてましたね。
・Struggle for creationism−創造論を巡るあれこれ− 2005年09月18日
この頃には度重なるニュースのために日本でもそこそこID論の知名度が上がりつつあり、言及する人も少しずつ増えてきていました。
そこでそういったブログで良質なものを一つ紹介する記事。
そして1週間後に産経が例の爆弾を放り込んできたわけです(笑)
・やけにインテリジェントデザイン関連の検索が多いと思ったら 2005年09月27日
ID論関連の記事は私にとって世の中の動向を知るためのセンサーでもあります。
妙な動きが引っかかるときは大抵何かが起こっているわけで、この時も案の定でした。
この時産経の出した記事というのがまた話にならないくらいお粗末なレベルで、
この時ばかりはさすがに呆れたので、徹底的にこき下ろす記事を翌日アップ。
間抜けにも渡辺―統一協会ラインを証明する物証までネット上にそろっていたので同時に公開したら、それはそれは楽しい結果が出ました。
・インテリジェントデザイン理論(ID理論)にはまっちゃった産経新聞 2005年09月29日
・幻影随想 別館: ID論ネタで調べもの中 2005年09月27日
↑指向性爆弾&燃料。
産経の記事を滅多切りにしたエントリ+日本のID論団体の裏暴き。
幸いにしてというか狙い通りというか、この記事はかなりの反響を呼びました。
おかげでネットのこの界隈ではID論に引っかかる人はまずいなくなったようです。
ついでに今でも時々ビリーバーな人が引っ掛かっては散っていきますが。
・幻影随想 別館: ウォッチに止めるべきか、弄り倒すべきか、それが問題だ。 2005年09月29日
・ID論+反ジェンフリ+純潔教育=???? 2005年10月25日
・幻影随想 別館: ネットで工作員をやるときは気をつけろと 2005年11月14日
そんな散っていった人達の一例。
この頃ブログに突撃して来た人は統一教会とかそっちのほうに関わりのある人が多かったようです。
・We are still evolving―我々はまだ進化を続けている―
この記事はトンデモカテゴリではないけれど、進化つながりということで一緒に。
人の進化の研究について知りたい人はご一読ください。
・ID論関連クリップ 2005年11月11日
ID論関連の情報を追っている「忘却からの帰還」さんのエントリ特集。
ブログ主のKumicitさんは、毎日欠かさず向こうの事情を翻訳記事付きで詳述されているすごい人です。
欧米でのID論の動きを知りたい人は一度行ってみることをお勧めします。
私もよく勉強させてもらっています。
・ID論違憲判決を受ける 2005年12月23日
アメリカのID論勢力が段々と劣勢に追いやられ始めた頃の記事。
日本で記事になることも少なくなった頃に来た駄目押しです。
<Third Stage>
年が明けて、2月の初め頃からまた新たなチャレンジャーが出現。
管理人が修論で中々相手を出来ない間に、電波さんが猛威を振るってくれました。
そこでちょっとまじめな長文記事を何本かと、電波さんと遊ぶ記事を何本か執筆。
いや〜この頃は忙しかった。
・ID論の創造論内における分類学的位置付け 2006年03月11日
・創造論とID論の分類フローチャート 2006年03月11日
まず最初にID論がどのような背景を元に生じたか、そして他の創造論とどういう関連にあるかについて説明した記事。
かなり長いですが、ID論についてある程度のことを把握するために役に立つと思います。
・ID論者が犯した3つの過ち 2006年03月11日
続いてID論者がどこで道を間違えたか、ID論が抱える3つの問題点を解説した記事。
ID論は理系院卒くらいの人間にならこてんぱんに叩きのめせる程度の代物です。
この記事にもチャレンジャーさんが降臨したのですが…(笑)
コメント欄での自爆の数々には笑い転げました。
コメント欄だけでも一読の価値があると思います。
・インテリジェントデザインの証拠:ヌードルウス・ダブルウスの創出 2006年03月11日
フライング・スパゲッティ・モンスター教はID論をパロった、ID論者の抱える欠陥をことさら強調してジョークにしたジョーク教団です。祈りの文句は「ラーメン」。
・インテリジェント・デザイン論(ID論)にはまっちゃった?筑波大名誉教授 2006年03月13日
人が立て続けにID論関連のエントリを書いていたら、またしても産経がはっちゃけてくれました。
こちらにしてはまさに飛んで火にいる夏の虫。早速料理することに。
村上先生ってば何やってんですかあなたは…
・まとめて眺めてみる 2006年03月20日
・まとめて眺めてみる(2) 2006年03月24日
今回のチャレンジャーさんの言動をまとめたもの。笑いどころ満載、突っ込みどころのかたまりです。
ID論信者がいったいどのような人間かの好例といえるでしょう。
ちなみに対ID論者の想定問答集としても機能します。
こういう記事は分量が溜まれば溜まるほど相乗効果で破壊力が増すんですよね。
そしてチャレンジャーさんたちはみな山のような突っ込みどころを抱えたまま突撃して来る。
今日も一人新規さんが来ていたのですが、尻尾が丸見え。
どうしてもうちょっとうまくやろうとしないのだろう?
君たちにとってうちは鬼門だぞ?
<おまけ>
悪魔に使える牧師の戦略というかスタンスと言うか。
一連の記事はこんなことを考えながら書きましたという一端にちょこっと触れたもの。
・幻影随想 別館: 一件のアクセスログが物語るもの
・幻影随想 別館: 祝大漁
ブログの記事はウォッチャーにとってはアンテナにもなり、トラップにもなり、虫篭にもなり…
悪魔に仕える牧師にとっては意見表明の場になり、トンデモさんへのカウンターになり、トンデモさん格好のサンプルを採取できる場であり、トンデモさんのトンデモ度を晒し上げる場となり、検索エンジン対策にもなり…
二つの立場を両立できるまさに一粒で何度でもおいしい物な訳です。
さらに複数エントリの相乗効果で強度が何倍にも増幅され、突撃してくるトンデモさんたちは来た瞬間からディープトラップに絡め取られるという寸法。
最近はトラップにはまる獲物見たさにこのブログに来る人もいるとかいないとか。
うーむ、やはり観察者というよりも狩人扱いされているのか…
【疑似科学・ニセ科学・オカルト・トンデモの最新記事】
http://www.youtube.com/watch?v=kIV4Mgdi0jM
思えば遠くへ来たもんだ。ギネス飲みたい……
ずっと思っているんです。この方たちに「シュレディンガーの猫」という命題を与えたら、どんな解を拾ってきてくれるんだろうか。
(個人的には「コペンハーゲンあたりで凝縮して前に進めない」に100クレジットですw)
釣師というよりも罠師のつもりです。
今日も毎日新聞相手にいい罠が一つ仕上がりました。
>通りすがりさん
真性の人はバナナですらインテリジェントデザインを語るネタにするようです。
医学都市伝説BLOG別館: バナナによるインテリジェントデザインの証明
http://med-legend.blogspot.com/2006/04/blog-post_25.html
>okudaさん
そういえばその辺でつまづいて量子論否定に走る人は結構いるらしいですね。
ID論信者とも層がかぶるんでしょうか?
倫理や道徳に基づく社会というエトスは、そして人間は、神と宗教を要請します。
しかし、科学はご利益はあっても、神にも宗教にもなれない。
あたりまえだけど。
そこで人間存在を肯定するための擬科学が生まれる。
神は自らに似せてサルを作ったのか。ID説を学校で教えるのは適者生存の過程か、結末か。
進化論とID論QandA
http://blackshadow.seesaa.net/article/25856853.html#more
あたりで、"進化論を全面的に認めたID論"がありうる。と言う指摘をしているのも素敵です。
あー・・・それだと本末転倒ですが。