2005年01月29日

GM作物の栽培に罰則を科そうとする北海道

<GM作物>実施した場合、懲役含めた罰則科す方針 北海道
 北海道は26日、許可なく遺伝子組み換え(GM)作物を実施した場合、懲役を含めた罰則を科す方針を固めた。無許可で栽培した生産者には1年以下の懲役または50万円以下の罰金になる。道は罰則を盛り込んだ条例案を定例道議会に提案し、来年1月の施行を目指す。GM作物の規制に関する条例化は全国で初めてとなる。

GM作物に否定的な毎日新聞。
今回もなかなか正直な記事タイトルを付けてくれています。
「実施した場合、懲役含めた罰則科す方針」
許可さえ降りれば栽培できるようなふうに書かれていますが
道庁農政部に許可を出す気なんてないのはこれまでの経緯から分かりきってます。
さすがは毎日新聞、「許可無く」なんて付け加える必要が無いことをよく理解しています。


昨年の記事で触れたように、北海道では研究機関による遺伝子組み換え作物(GM作物)の栽培試験は
国の規定を守り、道庁に届出さえ出せば出来ることになったのですが、
農政部はよっぽどこの結果に不満だったのかあの手この手でGM栽培を潰そうとしました。
その辺りの経緯は下記関連記事の1〜3辺りにも少し書いていますが、
結局北海道でGM作物の栽培をしようとした人は政治圧力で潰されました。
それでもなお不安だったのかこうして法的に禁じてしまうつもりのようです。


以下、私が日本のGMO反対運動に対して思うことです。

◆GMO反対運動はモンサントを利するのみ
日本でもGMO反対運動が各地で起こっていますが
運動の中身を見る限りモンサントのような多国籍アグリビジネスを利することはあっても
GMOの栽培阻止には何ら有効力を発揮しえません。せいぜい導入を少し遅くするだけです。

彼等はGM作物の研究すら忌避し、猛烈な反対運動を展開していますが
それが何をもたらすことになるかまでは考えていないようです。

GMO反対運動がモンサントのような多国籍アグリビジネスを利する理由は以下のとおりです。
まず、現在のGMO反対運動の科学的根拠は既にほとんど崩れきっており
消費者の不安を煽ってGMOを忌避させているだけです。
しかしそのおかげで国内ではGMOの研究すらまともに行う事が出来ません。
一方で多国籍アグリビジネスはその間も着実に海外でGMOの開発を進めています。
GMOの安全性は科学的根拠があるものなので近い将来必ずGMOが大規模に栽培されるようになります。
GMOの食品としての安全性は既に科学的に証明されています。
多国籍アグリビジネスのGMOに対抗しうる国産の品種が存在しない場合
いざGMO解禁となったときには、一気に海外製GMOがなだれ込んでくるでしょう。
彼等にとっては別に多くの取引国家の中でたった一つの市場に特別急いで参入する理由はありません。
その国の企業が研究を進められない間にも他所で着実に成果を積み上げ、解禁を待てばいいだけです。
国内で彼等のGMOに対抗しうる品種が開発されない限りは。

今現在主流となっているGM作物は、第一世代のGMOです。
第一世代のGM作物は、病害虫耐性や除草剤耐性など、農家側のメリットを主とした改良品種です。
手間=コスト削減による価格競争力はありますが、作物の品質としては従来のものと変わりません。
そして現在研究が進められているのが第二世代のGM作物。
これは味や形をよくしたり、栄養価を高めたりといったような
食品の高付加価値化を進めたGM作物の発展形です。
これから先数年のうちに、第一世代のGM作物は第二世代のGM作物に取って代わられて行くことになります。

第二世代のGM作物は栽培に手間が要らず、おいしく、栄養価が高く、しかも安い。
GM作物の食物としての安全性は既に確認されているのでいずれは日本でも大規模に栽培され始めます。
そのときにもし国産のGM作物が存在しなかったら?
次のようなシナリオが待っています。


フェーズ1.GM作物解禁
201X年、とうとう日本でもGM作物の栽培が部分的に解禁され大きく報道されます。
モンサントやシンジェンタなどの多国籍企業のGM作物を導入した農家がクローズアップされ
メディアは賛否両論といった様相を見せるでしょう。
一方多国籍アグリビジネスは資本力に物を言わせて宣伝活動、販促活動を大規模に行い
宣伝の頻度とボリュームで反対派の声をかき消す作戦に出ます。
そして品質が良くしかも安いGM作物を受け入れる消費者が現れ始めます。

フェーズ2.GM作物栽培の拡大
GM作物が一旦消費者に受け入れられると、GM作物を栽培したがる農家が続々と出てきます。
多国籍アグリビジネス側も種子の値引きなど大規模な販促キャンペーンを打ちGM作物栽培の推進を進めます。
価格競争力と品質に勝るGM作物は市場を席巻していきます。
消費者も徐々にGM作物を受け入れていくことになります。
一方で従来種を栽培している農家は価格競争に負けて徐々に経営が悪化していきます。
国内種苗会社も多国籍アグリビジネスの攻勢に負け、軍門に下るか廃業を余儀なくされるところが出てきます。

フェーズ3.多国籍アグリビジネスによる農業市場の占有
最短で15年後には国内市場の半分以上がGM作物に占められる時代がやってきます。
GM作物との競合分野では、一部の作物、高級商品を除き従来種は市場からほとんど姿を消してしまいます。
大半の農家がGM作物を使用せざるを得なくなります。
キャンペーン期間を終えた多国籍アグリビジネスは通常のライセンス料を取るようになりますが
農家側も既に元の栽培方法に戻す気は無くなっており、多国籍アグリビジネスのGM作物を使い続けます。
高くなったライセンス料分を負担するのは消費者です。
一方国内の種苗市場の多国籍アグリビジネスによる寡占化が進み、
野菜類の多くがGM作物の独占状態になります。


◆多国籍企業との品種改良競争に敗れることの意味
「別にわざわざGM作物なんて開発しなくてもいいじゃないか」と考えている人もいます。
確かに平時ならお金さえあればそれほど問題にはなりません。
今日本が高いお金を払って米国製のソフトウェアを買ったり、
様々な特許のライセンス料を外国に支払っているのと同じ事になるだけですから。

普通の国では農作物や画期的な改良品種、特に穀物は重要な戦略物資として位置付けられています。
新品種の開発能力が劣るということは、他国の品種が入ってくるということ。
自国の食料、あるいは栽培品種を他国に握られているというのは、
その国に自国の命運を握られているというのと同じです。
今日ではモンサントのような巨大多国籍企業はほとんど国家並の力を持っています。
少数の海外企業に日本の食糧供給を牛耳られるなど私はごめんです。
公的機関で多国籍アグリビジネスに対抗できるGM作物を用意しておけば
あるいは国内の種苗メーカーが良いGM作物を開発済みであれば
多国籍アグリビジネスを正面から迎え撃つ事が出来ます。
このような余計な負担を強いられることもありません。

モンサントやデュポン、シンジェンタといった多国籍アグリビジネス企業は既に多数の品種を実用化しています。
手がかからず、多収量で質もよい、値段も安いとなるとGM作物を受け入れる農家、消費者も大勢出ます。
国内市場はかなりの速度でGM作物に席巻されていくでしょう。
国内の種苗会社が対抗できる品種を持っていない場合、市場のかなりの部分を海外企業に持って行かれ
零細の種苗メーカーでは競争に耐え切れずおそらくつぶれます。
国内の農業市場を急速に多国籍アグリビジネスが独占していくことになります。
さらに農家は多額のライセンス料を支払うことになります。
(それでも農家は元を取れるのですが、その負担は消費者に転嫁されます)
もう一つ憂慮すべきことは食の根幹が自分達の手から離れてしまうことです。
一旦種苗市場を多国籍企業に押さえられてしまうと、作物の値段は相手の意のままです。
モンサントのような巨大企業に資本力で対抗できる種苗メーカーは日本には存在しません。
多国籍アグリビジネスがその気になれば日本の市場を独占することすら不可能ではないのです。
GM作物の開発競争にはこのような側面もあるということをご理解下さい。
盲目的な反対運動は自分達の首を締めるだけなのです。
是非外に視野を広げてください。


◆本日のまとめ
・GM作物の食品としての安全性は既に科学的に証明されている。
・GMO反対運動は多国籍アグリビジネスを利することはあってもGMOの廃止には結びつかない。
・近い将来農業市場はGM作物に席巻されることになる。
・そのときに国産のGM作物が存在しなければ国内市場は多国籍アグリビジネスに牛耳られることになる。


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追記:GMOの環境への影響はまた回を改めて書きたいと思います。

◆関連記事
1.生化学者の憂鬱 ―遺伝子組換え作物の裏話― 
2.北海道、遺伝子組換え作物騒動途中経過
3.北海道、遺伝子組み替え大豆騒動のその後
4.遺伝子組み換え作物がもたらす恩恵が顕著に

◆関連書籍
アグリビジネス論有斐閣ブックス
posted by 黒影 at 01:26 | Comment(13) | TrackBack(6) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
  1. おっしゃることは非常にごもっともと思います。うちの家内などは、国内の反対運動はモンサントの差し金ではないかという穿った(ともいえない?)いいかたをするぐらいです。

    北海道のことは、全てを知っているわけではありませんが、道庁で暴走しているのは副知事とそれをとりまくわずかとききます。あとは、ホクレンが最悪です。以下のアンケートの協力依頼を全国の都道府県に出しましたが、北海道知事室は好意的でした。https://www.net-research.jp/airs/enquete/000023/0000232724/YnAUhx2XFq/
    アンケートは途中ですが、行政担当者も想像以上によく分かっています。こんなことやって世の中が変わるのかどうかはわかりませんが、少しでもなんとかならないかと思っています。

    HPへの投稿ですが、学会誌ではなくて、意見投稿は誰でもできます。植物の多くの研究者よりよほど黒影さんは、よく物事をおわかりです。
    http://www.jspcmb.jp/idenshi/sub04.html

    日本の種苗会社の人と話をしても危機感は持っていますが、国が腰砕けなので、どうしようもないと嘆いています。

    ご指摘のように、国内からは技術が無くなりかねないことを懸念しています。多くの企業は研究開発を断念しました。特に食品メーカーはイメージを重視して、撤退が相次ぎました。農水も、組換えからは逃げようとしています。イネゲノムの成果は結局、中国を含む海外に持っていかれるでしょう。
    国益、食糧安保を考えれば、なんでこんなにどいつもこいつも馬鹿なんだとうんざりします。多くの「食べてはいけない本」の類は、言論の自由とは言っても犯罪に近いと思います。
    やる気のある農家はGMを試したいと思っています。そういう人は沢山いますし、私もよく知っています。当たり前のことです。海外で許されていて、日本が大量にその技術の産物(すなわちGM作物)を輸入消費しているのに、何故その技術の検証さえも許されないのか。国内で消費されている大豆の約8割はGMです。国内自給率は5%ですから。

    北海道で栽培されている飼料用トウモロコシにはおそらくGMが混入しているでしょう。基本的に種子は全て輸入ですから。それが明るみになったとき、北海道は、そして種子を流通させていた農協はどうするのか見物です。

    食糧安保の問題は、武力による安全保障に劣らず重要なはずです。武力を持っても、食糧を止められたら終わりです。

    それでは、また。
  2. Posted by あかかげ at 2005年01月29日 18:05
  3. >あかかげさん
    >道庁で暴走しているのは副知事とそれをとりまくわずかとききます。
    研究目的の栽培も許可制が望ましいと言っているのはこの辺りですね。

    国の姿勢がしっかりしていれば少しは違うというのに、信念を持たない風見鶏のような態度にはうんざりします。
    日本の技術水準なら数年で有用なGMOを開発可能なはずなんですけどね…
    技術が絶えてしまったらそれこそ多国籍アグリビジネスの思う壺です。

    >北海道で栽培されている飼料用トウモロコシにはおそらくGMが混入しているでしょう。
    河田先生かどこかのGMO反対団体辺りをけしかけて遺伝子テストでもしてもらいましょうか(苦笑)
    彼等がどういう反応をするか見物ですね。

    意見投稿もいずれもう少し考えをまとめた上で是非させて頂きたいと思います。
    今後ともよろしくお願いします。
  4. Posted by 黒影 at 2005年01月31日 23:10
  5. >河田先生かどこかのGMO反対団体辺りをけしかけて遺伝子テストでもしてもらいましょうか(苦笑)

    彼らがやる可能性はあると思います。
    今年彼らのテーマの1つは、(ナタネの)こぼれ種でしょう。春から調査を始めて7月に発表といっています。(彼らは、調査するから金をくれと行政に言ってきているらしいですが)
    環境省はそれに対応するための研究を始めるようで、研究員の募集もおこなっています。どこかの省よりは対応が早いですね。

    いずれ、北海道も自己矛盾に陥るでしょう。

    >日本の技術水準なら数年で有用なGMOを開発可能なはずなんですけどね…

    おっしゃるとおりです。問題は育種目標です。これを真面目に考えている研究者が殆どいないです。「消費者メリット」などという言葉に流されていてはだめですね。良いプロジェクトも少しはありますが、採択されません。そもそも国の研究機関がGMOから腰が引けていますから。
    なんとか画策していますが、既得権益の壁は厚いです。

    この問題は、結局は日本の農業行政に突き当たります。補助金漬けの日本農業は、変革を望まないのです。全農の体質が変わらないとだめだと思います。北海道でもホクレンの会長がGMに反対していますから。

    国の行政の腰が据わらないのは、日本の食糧をGMOに頼らざるを得なくした(食糧自給率をここまで下げた)責任を追及されたくないということもあるのかもしれません。そこまで深くも考えていないかもしれませんが。

    日本農業を真剣に国が考えていないのが一番の問題と思います。農水族はバラマキをするだけで、将来のビジョンがありません。日本に農業問題に関するシンクタンクが無いのも問題と思います。私も農学部出身ですが、農学部の責任も大きいと思います。

    それでは、また。

    あかかげ
  6. Posted by あかかげ at 2005年02月02日 10:28
  7. 前にTBを頂き、ありがとうございました。GMの専門家でもありませんので、また、反対の運動を採っているわけではありませんが、どうも納得できません。「有機栽培が必ずしも安全ではないし、GMが危険ではない」とは消費者が正しく理解すべきだとは思います。日本の農業の戦略として、日本ではどう考えてもアメリカとかの大規模低コスト型を目指して、海外と対抗できるわけがないと思っています(農水省は目指していますが)。農業の多面的機能やスローフード等、消費者を巻き込んだムーブメントが大切なんではないかと思います。だから、環境・安心(安全ではなく)で差別化を図ることが大切なのではないかと思います。あえてGMを避けた方が賢い選択ではないかと思います。環境に与える影響については、後日とありますのでまた、参考にさせていただきたいと思っておりますが、アメリカ追随の企業中心主義は、いずれ破綻するのではないかと、特に京都議定書に批准しない態度を見ると思ってしまいます。むしろ、大きく舵をきって、EUと強調をとるのがベターではないでしょうか?遺伝子組みかえの研究をしている友達にも、書いてあるようなことを言われるのですが、どうも話がかみ合っていないような気もするので、また、教えて下さい。
  8. Posted by 気ままです at 2005年02月04日 00:47
  9. >気ままです さん
    アメリカほどの大規模農業は確かに日本では無理です。
    しかし日本ではデフレと海外産の安い農作物に押され、農作物の価格低下が深刻です。
    http://www.hakusyo.maff.go.jp/books_b/WN01H150/html/fb1.2.3.htm
    これに伴い農家の収入も年々減少しています。
    このままでは農業が産業として成り立たなくなるのは時間の問題であり、
    ・農産物の高付加価値化
    ・単収の増加
    ・一戸辺りの栽培面積の増加
    ・コストの削減
    等のような解決策が必要となります。
    3つ目の栽培面積の増加は正に農水省が今行なっていることであり
    これは外国への対策というよりも日本で農業という産業を存続させるための必要条件です。
    単収増加と高付加価値化は現在の品種改良技術ではほぼ限界まできており、コストの削減も難しい。
    しかしGMOならば(ある程度の規模が必要という制約はありますが)現状でもコスト削減は可能です。
    また、将来的には高付加価値化や単収の増加が可能になる事が確実です。
    別に使う品種がGMOでなければならないというわけではありません。
    単に従来種では高付加価値化やコスト低下がかなり難しいというだけです。
    理論的には従来の品種改良法でもGMOと同等の品種を作ることは出来るはずですが、
    ただしその時に必要な手間とコストは遺伝子組み換えの数十倍に及ぶでしょう。
    そしてそれだけのコストとリスクを背負う事が出来る組織は今の日本には存在しません。

    >農業の多面的機能やスローフード等、消費者を巻き込んだムーブメントが大切なんではないかと思います。
    GMOは別段スローフード運動と対立するような存在ではありませんよ。
    むしろ私は非常に親和性の高い組み合わせじゃないかと思います。
    モンサントやらが農薬とのセットで売り込んでくれたおかげで大分イメージが悪くなりましたが
    GMOの方向性の一つとして、病害虫に対する耐性を上げるという研究も存在します。
    有機農法に適し、なおかつ高収量のGMOを作るという研究の方向性も有り得ます。
    まあスローフード運動のグループがGMOを受け入れられるならという仮定付きですが(汗)

    http://www.hakusyo.maff.go.jp/books_b/WN01H150/html/index.htm

    全部の質問に答えようと思うとかなりの長さになりそうなので、
    改めて別エントリーとしてまとめ直すということでもよろしいでしょうか?

    今後ともよろしくお願いします。
  10. Posted by 黒影 at 2005年02月05日 01:40
  11. 回答ありがとうございます。私自身の考えがはっきりとまとまっていないからぶれたことをコメントしてしまうかもしれませんが、読ませて頂いて、GMOを一くくりにして話すから、おかしくなるのかもしれないなあと思いました。
    確かに、有機農法に適し、なおかつ高収量のGMOを作るという研究の方向性や、低アレルゲン米等の開発する方向等があり、これらのGMOは賛成です。今までに育成できなかったことが、低コスト・短期間で開発していけると思います。
    でも、危惧するのは、環境に与える影響だと思います。コメントにありましたBTの遺伝子が入った作物や、除草剤耐性の作物など、対人間ではなく、対環境に影響を与える物は、よくよく考えて導入しないとえらいことになるのではないかと思っています。
    農薬の開発においても、非標的生物への影響を十分考慮されているのか疑問であるのに(ラットやコイ位しか評価されていないのでは?)、GMOが十分環境への影響(BTの鱗し目への影響だけでなく、それ以外への生物への影響)を考慮されているのか不安です。いったん取り入れたら、いまのブラックバスのようにもとに戻せないのではないかと思っています。
    私自身としては、上記のようなことが配慮されるのであれば、研究や栽培を含めて実施してもいいのではないかと思っていますが(消費者への理解が進むことが前提ですが)、そのように進めることができないのでしょうか。
    また、別のエントリーでとありましたので、教えていただけますか?よろしくお願いいたします。

  12. Posted by 気ままです at 2005年02月08日 23:42
  13. アメリカ大使館に行き、農業担当者と話す機会があり、アメリカでは有機栽培作物は安全とは
    認めない! ではだれが?消費者個人です。

    地元長沼町でTVに反対派を紹介したのは私です。収録では反対!と言い、収録後は手を出し
    GM大豆の種をくれ
    本当?
    本当です。だって北海道で私を知らない農家は
    いません。
  14. Posted by 長沼町の生産者 at 2005年02月14日 08:00
  15. >長沼町の生産者さん
    ひょっとして宮井さんですか?
    もしご本人なら非常に興味深い内容を書かれていますが、
    このブログ上で公開することを前提にメールで詳しいことをお聞きしても構わないでしょうか?
  16. Posted by 黒影 at 2005年02月14日 18:46
  17. 長沼町の生産者、宮井能雅?
    否定も肯定もしません。

    昨日、道庁 食品安全対策室に北海道がGM作物における、交雑等の試験をすみやかに実施して公開して
    いただきたい。また北海道のGM大豆育種開発の要望書を提出いたしました。

    会話の中で食品安全対策室の参事は国内で流通しているGM作物は 安全です!
    と発言、このことは政府も認めているからだいじょうぶです。
    画期的なことです。いままで道は安全性に関してはアイマイな態度でしたが、
    今回報道機関の前で安全宣言をしてしまいました。

    ただ、食品安全対策室、Tさんの収穫した大豆が
    こぼれ、翌年その畑から大豆が発芽する可能性があり、交雑の恐れが心配である。 との発言には正直
    アキレました。
    そのような一般畑で、越冬して発芽、成長、開花、する大豆があればGM技術以上の発明ですと伝えましが、ご本人はゼロ%ではないでしょう?と役人笑いをするだけでした。
    まことに、すばらしい発想力です!

    参事になぜ道は試験研究をしないのですか? と質問
    材料がないから
    材料がない?
    では何のためにGM条例を作成するのですか?
    一般企業や生産者のためです。
    まったく、知りませんでした。

    独り言
    北海道は寒冷地でも栽培可能なNON GMのコシヒカリの栽培をめざすようです。
    同時期に、国が今回発表したスギ花粉症対策のコメ、たぶん 茨城のコシヒカリの可能性が大でしょう。
    はたして消費者はどちらに興味をもつのでしょうか?
    2.000/60kg安い北海道コシヒカリ?  2.000高い機能性のコシヒカリ?
    2007年が来るの楽しみです。

    今回はスギ花粉症対策のコメのみですが将来、糖尿病、リュウマチ、コレステロール
    骨粗しょう症などのGMで同じコシヒカリの品種を用いた場合マーケットは混乱するのでしょうか?
    たとえば、糖尿病の方達が本来、糖尿病対策のコシヒカリを食べるところをリュウマチ対策のコシヒカリを食べ続けたらどうなるのか?
    興味が尽きないGMである。

    GMの里、遺伝子の香りのする町
    宮井能雅
  18. Posted by 長沼町の生産者 at 2005年02月18日 14:25
  19. GMOというのは安全なのでしょうか?証明というのはどういったレベルの安全性証明なのでしょう。BSEもアメリカはアメリカのやり方で安全であると言ってますが、日本に比べればずいぶんずさんな体制でも安全であると言ってます。ずっと使ってきてみて実は深刻な問題を引き起こしているものも、多くあります。アスベスト、ホルムアルデヒド、塩化ビニル、血液製剤。水道管内の塗装もそうですね。国が安全と言ったから安全というのは妄想とも思えてしまう状況です。在来生態系への影響というのもあります。ブラックバスのようなことや、アライグマ。おおかみをいなくしたことによって鹿が繁殖し鹿害増加。在来種との交雑によって、どういうものができてくるのか。人為的な遺伝子変異と自然変異とでは淘汰の時間の流れが違います。何百年後の子孫に対してもこの判断は間違いではなかったといえる証明内容なのでしょうか?
    ところで、世界的食料事情は予断を許しません。日本が買わないというのであれば、別に買ってくれなくてもいいよという時代になります。日本の人口はせいぜい1億。それも減ります。中国インドをあわせただけで日本の30倍の市場になっていくんです。アセアンもいれていくと、50倍規模になっていくでしょう。食料に関していうと安心への関心が高い日本なんてニッチ市場になっていくんです。そんなところ多国籍企業は別に相手にしなくてもいいということ。そうするとシナリオは大きく崩れます。中国・インドの経済成長率は高く、中国はもはや食料輸入国です。食料事情の改善も級数的になってきます。この5年で一般大豆、NONGMO大豆、砂糖、コーンなどの商品取引価格は平均すると1.5倍程度になってきています。去年あたりからは急上昇です。日本はデフレだったのにですよ。砂糖の特売なんて見なくなったでしょう。

    もしかしたら、日本は逆に有機が抱える安全性の問題も取りざたされ、さらに自然に即した農法への回帰が進むのかもしれません。日本という国が、自給自足農業を必要とする時代はそう遠くないと思います。そうすると農業補助金というのもいらなくなりますが消費者にとっては高い食料費を出さないとならないことになり、他の面での収入を増やさないとやっていけなくなります。
    農業を他国と差別化できれば、上級層とかナチュラリスト等を対象とした輸出産業に変えていくこともできるかもしれません。

    渇水でも荒地でも生育する安全なGMO作物でも出てこないと食糧危機はやってきます。日本にとって考えないとならないことは、遊休農地活用、農林水産業後継者、農業生産性、飼料も含めた食料国産化、残飯削減、利水といったほうが重要だと思います。仕事しない人も多いんですから、一番自然の恵みが感じられ、達成感が感じられる農業に人手を入れてもいいんじゃないですか。
  20. Posted by deldel at 2006年03月05日 13:23
  21. >deldelさん
    コメントに気付くのが遅れました。
    >GMOというのは安全なのでしょうか?
    既に評価が済んでいる物でいえば、既存の作物と同程度以上に安全です。
    >証明というのはどういったレベルの安全性証明なのでしょう。
    ・挿入遺伝子の安全性
    ・挿入遺伝子により産生される蛋白質の有害性の有無
    ・アレルギー誘発性の有無
    ・挿入遺伝子が間接的に作用し、他の有害物質を産生する可能性の有無
    ・遺伝子を挿入したことにより成分に重大な変化を起こす可能性の有無
    以上5点について審査を受け、問題がないものがGMOとして認められます。
    遺伝子組換え食品Q&A
    http://www.mhlw.go.jp/topics/idenshi/qa/qa.html#C−3

    >ずっと使ってきてみて〜
    それはもうGMOと関係のない問題ではありませんか?
    どうも将来に対する行き場のない不安をGMOにぶつけているだけに見えます。

    >ところで、世界的食料事情は〜
    今後世界の食糧事情が逼迫するというのはその通りですが、当然それは日本にも輸入作物の価格高騰という形で跳ね返ってきます。
    購買力で言えば日本は今後も多国籍企業のお得意様です。
    日本は外国で作らせたGMOを高く買い取らされる立場になるのですよ。
    ニッチ市場も何も、多国籍企業は元から日本を種苗マーケットとしては重視していません。
    GMOを使うにしろ使わないにしろ、日本の農業は改善を要する問題をいくつも抱えています。

    >もしかしたら、日本は逆に〜
    日本の食料自給自足可能な人口は6000万人程度と言われています。
    第二次大戦前の食生活水準に戻せるなら8000万くらいまでは大丈夫でしょうが、完全有機農業を目指すのであれば5000万程度がせいぜいでしょう。
    現在の人口レベルで自給自足というのは不可能です。
    さらに日本の農業は今後ビジネスとして成立するレベルまで大規模集約化に向わざるを得ません。
    耕地面積が小さすぎて専業農家で食べていける農家が半数にも満たない為です。
    そのため「自然に即した農法への回帰」というのも難しいかと。
    ちなみに果物をはじめ高級食材の輸出は既になされていますよ。

    >渇水でも荒地でも〜
    以降の部分は賛同します。
  22. Posted by 黒影 at 2006年03月19日 21:45
  23. はじめまして。
    今更ながらですが(時間が経過している記事と言う意味で)、TBさせて頂きました。

    端っこを齧っただけですが農業高校で微生物触ってた経験を持っています。
    今はすっかり忘却しているただの主婦ですが、若かりし日、各種市民団体に多く声を掛けられた経験も持っていまして..
    公私問わずいろんな機関のやり口と内情、人の欲というやつを詳しくは分からないなりに垣間見てきてます。

    なんといいますか、やりきれないですね、こういう話。
    私は単純にしか思考できないのですが、『大事なことはなんですか?』 と常々思います。
    綺麗ごとだけじゃない世の中ともう知ってる年ですが、生存に関わる本質は目先の事で見失いたくないと思います。


    かといって、何かしようとも思わないので私もクズの一人です。
    (見続けて人の欲がいやになり疲れ果てて関わらなくなった口です)。
    だけど、それでも黙っていられないこともあり..
    思うことを人目に触れるとこで書くことが、今のささやかな抵抗です。

    私はもう自分から多くに関わる熱は失ってしまってますが、投げる小石の一つとして久々にBlogを起こしTBさせてもらいました。
    お目汚しですみません。 では失礼いたします。
  24. Posted by 久遠 at 2006年10月17日 10:49
  25. 検査してると言っても、どんな方法で検査してる
    のか。そしてその検査結果が正しく行政に反映されるのか疑問ですね。

    作る側は売れればそれで良いわけですから。
  26. Posted by 銀次郎 at 2010年03月14日 12:53
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