2005年01月22日

DHMOという化学物質の規制にご協力を

DHMO(DiHydrogen Monoxide)という物質をご存知だろうか?
DHMOは無色、無味、無臭で、ほとんどありとあらゆる環境から検出される化学物質だ。
この物質は様々な問題点を持つにも関わらず、その使用は野放し状態であり
何らかの規制をかける事が望ましいと思われる。

以下にこの物質の問題点を列挙する。
どうか規制が必要かどうかの判断の参考にして欲しい。

・この物質は有機物、化石燃料の燃焼で発生する事が知られており、
 また火山の噴火時にも多量に発生する事が明らかになっている。

・DHMOは温室効果ガスの主要成分であり、その温室効果はCO2の数百倍にも達する。
 また成層圏ではフロンガスによるオゾン層の破壊を促進する効果を持っている。

・酸性雨の主成分であり、木々の枯死や湖沼の酸性化に関わっている。
 また、あらゆる物質を侵食する性質を持ち、金属をはじめ様々な物質の酸化を促進する。

・皮膚に長期間被曝すると皮膚障害を来たし、大量に摂取すると人を死に至らしめる。
 (ネズミでの半致死量LD50は体重1kgあたり25〜190g)

・通常この物質は液体状態で存在するが、固体状態、あるいは気体状態のこの物質に触れると
 細胞の壊死を引き起こし、ひどい場合は手足の切断が必要となる場合がある。

・全世界で毎年1000人以上の人間が、この物質が原因で窒息を起こし命を落している。

・DHMOが酸化されたDHDO(Dihydrogen Dioxide)は発ガン性物質であり、細胞の老化を促進する強烈な酸化剤である。
 そしてDHDOは紫外線を浴びると体内でDHMOから生成される。

などなど、環境面、健康面を含めて実に様々な問題点を持っているにも関わらず
我が国の政府はこの物質に関してまったく規制を行なっていない。
この物質は様々な化学産業で溶媒として大量に利用、排出されており、
さらに工場やゴミ処理場の排ガス、自動車の排気ガスなどからも多量に検出されるにも関わらずである。
現在ではあらゆる環境、あらゆる食品、そして水道水中からもこの物質が検出される。

しかしまだ遅くない
どうかこのDHMOの法的規制にご協力いただきたい。

ご協力いただける方は是非続きを読んでください。
 
 














上記の記事を読んで「DHMOとはなんと問題ある物質か、規制が必要だ」と本気で思った人がいたらごめんなさい。
この記事は、科学的真実のみを記載して、それでいて不都合な部分を隠し人を騙す主張のサンプルです。


DHMOとは一酸化二水素(H2O)、すなわち水の事です。
有名なネタなんで最初から気づいていた人も多いと思いますが、
適当に問題点を列挙すればどんな化学物質だろうと有害で危険な物質に見せかけることは可能だという、化学者の間では有名なジョークです。
#ただ市民運動なんかでこのロジックにはまっちゃってる人はかなり多いので、ただのジョークで済まないところが厄介なんですが。
#いちいち解説はしませんが問題点としてあげたネタは全部事実です。
DHMO - Wikipedia


先日の記事で捏造記事のことを取り上げましたが
実際どんな捏造記事が世の中に横行しているのか、
試しに嘘が一つもかかれていない印象操作記事を書いてみました。


こんなものには騙されないぞと笑っている方も
これと同じ論調で色々なものを問題化した本がかつてベストセラーになったことを、お忘れになったわけではないと思います。
あの有名な「買ってはいけない」は全編こんな感じで、
印象操作や嘘、捏造、ミスリードのオンパレードです。
あんなとんでも本がベストセラーになるくらい、簡単に騙される人は多いのです。
まさかここを読んでいる人に「買ってはいけない」を真に受けている人はいませんよね?(笑)


◆「騙された」と落ち込んでいる方へ
以前アメリカで、ある中学生がDHMOをネタにして、「いかにして人は騙されるか」というテーマの自由研究を行いました。
ちょうど上記内容のような感じでDHMOの規制賛成の署名を集めたところ、周囲の大人の7割が見事に騙されて署名に応じたそうです。
まあそんなわけで引っかかる人も結構いるのでお気になさらず。
肝心なことは、こうやって予防訓練を受けて今後は騙されないようになることですから。


「買ってはいけない」を信じちゃった上にこの記事で騙されたあなた。
あなたは相当騙されやすい人です。
騙されないよう十分に気を付けて生きていくようにしたほうがいいです。
「騙されないよう勉強したい」という人にはこの本なんかお勧めです。


Amazon.co.jp: メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学



posted by 黒影 at 02:35 | Comment(2) | TrackBack(1) | サイエンストピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
  1. 「化学物質が有害という印象は感情に左右されていないのか」「科学的な情報でも出し方をコントロールされるとだまされてしまいやすい」という二重の意味で面白い実験(?)ですね。TBしました。
  2. Posted by CAN at 2005年04月19日 00:14
  3. >CANさん
    コメント、TBありがとうございます。
    >科学的な情報でも出し方をコントロールされるとだまされてしまいやすい
    この事例には事欠きませんからね…
    科学教育の大切さを痛感します。
  4. Posted by 黒影 at 2005年04月20日 10:58
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