・MBSニュース:医療機器会社などから…京大教授、5,500万円受け取る
・Yahoo!ニュース - 朝日放送 - <京都>京大教授に不明朗な資金提供
・処分なら法的手段も、京大教授が反論会見…不明朗会計 : ニュース : 関西発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
・Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - <金銭授受問題>京大教授を解雇 逆に学長らを刑事告訴か?
・Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 学内手続き経ず4500万受領、京大教授を懲戒解雇
・Yahoo!ニュース - 京都新聞 - 京大教授を懲戒解雇 承認なく研究費を民間会社から受領
・Yahoo!ニュース - 共同通信 - 京都大教授を懲戒解雇 承認なく企業から現金
・asahi.com: 京大教授、業者から4500万円 懲戒処分へ?-?社会
・asahi.com: 京大大学院教授を懲戒解雇、業者から4500万円受領?-?社会
あちこちのニュースを見る限り高額の資金の不明朗な扱い方が問題になったかのように見えるのだが、実はちょっと違うのだ。
京大から出たニュースリリースを見ればそれが良く分かる。
京都大学-お知らせ/ニュースリリース
>>京都大学-トピックス 2006年3月28日 京都大学大学院医学研究科教授の懲戒処分
1.A社に対して、京都大学教授の肩書き及び顔写真が付され科学的根拠の少ないコメントを広告に使用することを許可し、これが平成16年8月30日(月曜日)の新聞朝刊の折り込み広告として配布されたことについて、同年11月11日(木曜日)に医学研究科長から文書による厳重注意を受けたにもかかわらず、その使用を停止させるための有効な措置をとらず、平成17年6月及び同年10月にいたっても同様の内容が同社のパンフレットに記載されて顧客に配布された。
2.B社のホームページに平成17年3月頃、兼業許可を受けることなく、同社顧問として、京都大学教授の肩書き、顔写真、履歴及び業績を掲載させた。
3.兼業先のC社から、平成16年7月8日(木曜日)に無利子で1,000万円の供与を受けた。
4.D社からの回答によれば、同社から平成15年9月に研究開発費用として2,500万円、同16年1月に実験費用として1,000万円をそれぞれ受領したにもかかわらず、大学で定める正規の研究費受入の手続きを行わなかった。
これを見れば明らかなように、各新聞社から流れたニュースでは省略されていた1.2.の問題がまず先にあって白川教授は大学側からかなり睨まれていた。そこに不明朗な資金の扱いが止めを刺す形になったのだ。
京大側は詳細を伏せているが、突然懲戒解雇にするくらいだから、よほどやばいネタでも掴んでいたのだろう。
ニュースリリースで挙げられている4つの問題点は氷山の一角だと思う。
いつから「そっち」方面に転んだのかニュースだけでは分からないのだが、この教授は前々から健康・医療系のあまりまともでない企業と関係があり、「名義貸し」の見返りに資金供与を受けていた。
ニュースの行間を読むとこういう感じの結論になるか。
私としては彼が意識波動医学研究会に絡んでいるというだけで既にドン引きなんだけど(笑)
船井幸雄と何度も会っていたり、怪しげな公演に出ていたりとなかなかネタになる御仁ですな。
本当は企業の情報も調べてみたかったんだが、手がかりが少なすぎて断念した。
本業のアレルギー・アトピー関連以外に水商売関連にも手を出すなどかなり手広くやっていたように思えるのだが。
結局見つけたのはこの程度。
・■深層水飲料で免疫力アップ 高知医大病院研究■
深層水飲料で免疫力アップ 高知医大病院研究
2002年11月15日 高知新聞(朝刊)より
<中略>
白川太郎・京大大学院医学研究科教授(公衆衛生学)の話 可能な限りの深層水飲料で生活したデータはこれまでなかった。その意味で画期的なことだ。血液の粘性の改善が図られたということは、薬とかライフスタイルを変えなくても深層水飲料を飲むことで改善が行える可能性を示す。今後大規模な試験が必要だが、医療としてのインパクトは大きい。
・zaiho.html<財宝温泉・薩摩明治村>
最近、白川太郎(京都大学大学院教授)さんの「学術的ご推薦」のDMがきましたけど、私にとっては美味くて体質的に会うので飲んでいます。今朝、定期購入(第2月曜と第4月曜に20リットル・タンク1個)の電話注文もしました。
どうもこれがビンゴっぽいな。
どうでもいいけどこの先生あちこちのフォーラムや学会に実に精力的に首を突っ込んでるんだよね。
検索すると実にいろんなところが引っ掛かる。
白川太郎 - Google 検索
あちこちで悲鳴が上がってそうな予感。
<注>
免疫分野には阪大に同姓同名の有名な研究者がいるので混同しないよう注意
<追記>
大学側がこういう処分に出ることに対し批判的な見方もある。
水商売ウォッチングのapjさんのところとか。
事象の地平線::---Event Horizon--- :: 懲戒処分の記載内容
私は白川元教授が大学の名前を宣伝に使っていた以上大学側にも批判する権利はあると思うが、こういう考え方にもなるほど一理あると思うのでリンクしておく。
ただ、ケミストの日常さんもそうだがどうも問題意識がコメント欄の人達とずれているような。
この問題の難しいところは学問の自由と社会の利益が天秤にかけられているところ。
即ち「怪しい情報を発信することを認める程の学問の自由」というのは、それに引っ掛かる被害者を生むという形で「社会の利益」を犯すのである。ゆえにコメント欄で批判した人達にとって「学問の自由を優先しろ」と言うのは「社会は犠牲を甘受しろ」と言っているに等しいのだ。
彼等の優先事項は「社会の利益」なので、犠牲を防ぐために有益なら「大学の介入」も是となる。
やや極端に書いてみたが、これがコメンター側の問題提起。
「学問の自由」を維持するために、「社会の利益」が犯されるリスクを許容する。
OR
「社会の利益」を維持するために、「学問の自由」が犯されるリスクを許容する。
さて、あなたならどっちを選ぶ?
一方でapjさんが
もう一つの論点は
大学当局という研究者の生殺与奪の権限を握る組織が、判断過程が不透明あるいは判断能力の欠如が疑われる状態で研究者の対外活動に対しトンデモ認定を下すのは認められないというもの。
要は懲戒解雇の理由(1番の部分)をきちんと誰でも納得できる形で公表できないのであれば、こんなことを言ってはいけないと言っているのだ。
今回の場合議論のすれ違いがあったんだが、上の問題提起は実はコメント欄の議論で残ったままである。
この問題提起は実は2者択一ではなく両者の間でどううまくバランスを取っていくか、あるいはどう二律背反を回避するかという問題であり、双方納得できるところで手打ちにするしかないし実際これまでも人はそうしてきた。
しかし水商売ウォッチングを書いているapjさんがこの問題に触れた場合ですら軽いフレーミングが起こるのだから、科学者ってのはつくづく一般に信用無いなあと思う次第。
学問の自由だけが大事という人ならそもそもあんなサイト作らないってば。
まあどの辺で二つの立場のバランスをとるかについてはこれまでも長い議論があって容易に決着がつかない問題なんだが。
「社会の利益」というものも時代と状況に応じて、そして人によっても変わるものだしね。
<修正>apjさんのコメントに伴い一部修正。
【疑似科学・ニセ科学・オカルト・トンデモの最新記事】
CM中で京大の話しが所々に出てくるから。
最近セサミンを飲み始めたので、もしやと、、、
> OR
>「社会の利益」を維持するために、「学問の自由」が犯されるリスクを許容する。
私はまさにこの問題提起をしたかったんですよ。ただ、無制限に認められるわけではないので、「学問の自由」の維持に差し障りのない範囲でうまく網をかける方法を考えておかないとまずいのではないか、それが無いのなら処分の理由に入れること自体がまずいのではないか、ということです。
高校の社会科にも出てくる例としては、天皇の神格化が社会の利益とされていたときに、天皇機関説がどういう扱いを受けたかをもう一度思い出せということです。「社会」だって、おかしな方にいくことがあるんですよ。
まあ、憲法の「学問の自由」は国を規制するものです。大学が必要以上の「自主規制」に走った時にどうするかまでは、直ちに導き出すことはできません。裁判所では、組織内の問題が上位の法律に波及しないような判断が出がちです。こういう問題意識で書かれた憲法学の論文が探せばあるのかもしれませんが、普通に教科書を読んでいる限り、見たことがありません。私にとっては(思いっきり専門外ですが)憲法学の研究テーマを見つけてしまった気分です。
あ、そっちが本題でよかったんですか。大変失礼いたしました。
コメント欄では下のテーマで話しておられたのでてっきりこちらが本命かと。
「社会の利益」というのが時代や価値基準によって大きく左右されるものというのはその通りですね。
ただそこまで話を膨らませると収拾がつかなくなるので、
疑似科学周辺の方法論>「学問の自由」の維持に差し障りのない範囲でうまく網をかける方法
に話を絞ったほうが分かりやすくなるのではと思います。
書いたとき頭の中にあったのは、憲法の表現の自由(学問の自由ではなく)のところに出てくる、表現の規制は内容の規制ではなく時・場所・態様の規制といった形式的規制で行うべき、というものでした。ただ、これを学問の自由の場合にどうするかについて議論できるほど考えていなかったので、曖昧なものになってしまいました。
例えば、極端な例として、研究発表と称して特定の誰かを中傷しまくる内容を発表したら、その中傷部分については学問の自由の逸脱と認められるだろうし、名誉毀損の責任も負うことになるでしょう。
でも、「相対性理論は間違っている」というトンデモ本を出版したことを理由に教員を首にできるかというと、それは困る。学問の自由だけではなく言論・出版の自由も侵害することになってしまう。
じゃあ、出版はいいけど広告はダメ、とやると、また別のグレーゾーンが出てくる。取材されて記事になるときに、研究紹介から広告っぽいのまで幅があるわけです。でも、広告に出るなと言われても、健食の宣伝は論外としても、実験器具の使い方の情報交換(分析機器会社が出しているユーザー向けの広報誌など)を止めてしまうとやっぱりまずい。
現時点では、「真っ黒」なものだけやめさせて、グレーについては許容するという基準以外にどうも無理な気がするんですね。だから、京都大の処分の根拠となった規則(金銭の管理以外)の条文が気になります。
往々にして管理したがる大学は「品位を汚すもの」みたいな曖昧な表現を規制の条文に盛り込むんですよ。すると、これが紛争発生の主原因となります。この手の問題が起きたときは、大抵は委員会レベルで実作業をするのですが、委員会の委員は法律の素人がやってたりします。すると、条文の解釈がぶれまくるんですね。「品位」の許容範囲が人によって大きく違うから、こんなものを規則に入れると却って混乱してしまう。
実際、以前に私の作ったコンテンツが大学から公開停止にされたときの規制条文は「ウェブページの健全な発展を阻害するもの」が根拠でした。規則の方を、名誉毀損とか業務妨害とか、明白なプライバシーの侵害、といった現行法の運用基準にすりあわて、それ以外の表現については大学は規制しない、という形で処理を安定させました。今回の問題は、「景品表示法の何条」「薬事法の何条」といった形で、対応する法律の条文に限った内容についてのみ条文準拠の学内規制をする、あたりがせいぜいじゃないかとは思います。ただ、常に法に従えばいいかというと、天皇機関説みたいなこともあるわけだから、金銭的被害の発生、のような具体的な損害発生を条件に入れないとまずいなあ、と思ったりもします。
これを理論武装して論証できるかというと、ちょっとすぐには無理です。もっと勉強してからでないと^^;)。
多分暗黙の前提とでも言うべき問題意識の持ちようが違うのでしょうね。
ちなみに、私が気になったのは、Myブログに書いたように、原理主義的な大学教員への「中立」要求と、もう一つは「大学が処分理由に書いた」→「やばい宣伝」→「法律違反」という安易な推定に基づいた意見、かな。
ここの記事を見ると、どうやら件の教授は相当に問題ありの感じはしますが、apjさんの記事に付いたコメントには、「いったもの勝ち」を受け入れてしまう危うさが見えましたし。
とりあえず、科学的にって立場だと、大学の処分理由を見たとき、その事実関係を調査した上でコメントをと考えるべきところじゃないのかな、と。
幻影随想さんのように、事実関係を自ら調べて、それをもとに、「こういった行為をやってる大学教員は処分されてしかるべき」という意見は、世の中の多様性の一つとして、有だと思います。
こちらの記事とapjさんの記事、apjさんの記事に付いたコメントを同時に見てたら、もう少し違った内容の記事を書いたかもしれませんが、それでも、恣意的運用って、こういったところで前例作るって感じで始まるんじゃないかな?っていう問題提起については、変わらないですね。
大学が独立法人化して、大学が不透明なやり方で変わってしまう危惧を抱いている、というのが私のこの報道に接した時の暗黙の前提ですから。
> 「学問の自由」を維持するために、「社会の利益」が犯されるリスクを許容する。
> OR
> 「社会の利益」を維持するために、「学問の自由」が犯されるリスクを許容する。
二者択一になるほど、考え方の違いはないと思います。
『社会の利益」が犯される』について、どの段階で誰が判断するのが望ましいか、ってことで。
たとえば、行政処分されるようなことに関与すれば大学から懲戒処分受ける可能性がある、ということであれば、それが『「社会の利益」を犯さない』抑止力になりえますよね。
京大教授の懲戒解雇は、実は極めて複雑な背景があります。つまり、最初からゴールがあったハナシです。それは内部関係者なら誰でも知っている話です。もし、このようなカネで白川教授が私服を肥やしているなら、警察に逮捕されなかったのでしょうか?どなたか答えられますか?
Wikipediaに「白川太郎」の項目があります。
できれば、免疫学のほうの白川太郎さんの項目を執筆していただけませんでしょうか?
でも、私自信が、先生の治療を受ける事にして、今は大変後悔しています。
お話は崇高で困っている人は誰でも助けましょう。という感じだったのですが、実際治療は、治療説明が不十分だったり、連絡が数ヶ月も取れなかったり、約束の往診日にこなかったり、治療を数ヶ月も放ったらかしにされたり、倒れて玄関に出られなかった時ヒステリーに怒られたり、などなど、大変不愉快な気持ちになりました。
もし、治療が素晴らしくても、同じ目に合う人がいない事を心から心配します。
こう言う記事やコメントが読めて、よかったです。
ありがとうございます。
今、精算の最中ですが、連絡が取れて1ヶ月、取れなかった時期を入れると5ヶ月かかってます。
早く終わらせたいです。
治療費も、最初と内容が違ったり、免疫注射も全部してもらってないけど、、、
元気だったら言いたい事が沢山あるけど、
本当に先生の治療を選んでから、治療を待っている間に悪化してしまい、今は末期です。
でも、捨てる神あれば、拾う神ありで、こうして書かせて頂けて、少し救われました。
ありがとうございます。
思いの丈を書きましたが、
詐欺とかではないと思います。
思いはあれど、行動が伴わない。
なので、
ブレーンの強化やシステムの改善など解決出来れば、まだ望みはあると期待しています。
私は往診のために、治療を待つばかりでしたので、通院の患者さんとはまた印象が違うと思います。
この場をお借りして、サイトの管理者様、ありがとうございます
ユニバーサル医院に関連する方々、お世話になりました。ありがとうございます。
カス(黒影)⇒上記のような【お下品】な言葉で他者をコキ降ろし、自分の意見の正当性を強調しようとする。すればする程、惨めになってしまう哀れな存在。
超一流(村上)⇒決して他の意見を批判したりしない。ただ、自分で集めた実証的データによる理論の構築だけで万人を納得させてしまう。
いちいちこんなセリフを言う人って、自分がお呼びじゃないからなのよね^^ カスってこと!