良い機会なので、補足エントリを上げておくことにする。
幻影随想: 恐怖のマコモ風呂
私は以前上の記事でこのように書いた。
正常な免疫系を持つ人間ならいざ知らず、免疫力が十分発達していない乳幼児や、免疫力の弱った人間、免疫系に問題を抱えた人間がこんなことをしたら、感染症を引き起こして病院に担ぎ込まれるのがオチである。
そして後日その事例を一つ別の記事で取り上げた。
幻影随想: サギとヤブ医とアトピービジネス
2歳1ヶ月の女児、アトピー性皮膚炎に対しステロイド概要による治療を受けていたが、2ヶ月前から中止、マコモの内服治療を始めたが、2,3日後に顔面と下肢に腫脹をきたし内服を中止した。その後、マコモの入浴剤と軟膏・リンスの外用を続けたが皮疹はさらに増悪し皮膚科を受診した。ほぼ全身に著しい落屑、苔癬を伴う紅斑を認め、紅皮症状態を呈していた。ステロイドの外用を主体とする治療で3週間でほぼ治癒した。マコモ(真菰)Zizania latifoliaは湖沼などの水辺に群生するイネ科の大型多年草で、乾燥し砕断加工したものを内用・外用・入浴剤として使うが、一時刺激性が極めて強くアトピー性皮膚炎に使用するのは疑問である。内服で皮疹の増悪を見ているので中毒疹の可能性もある。
(竹原和彦 他, 民間療法をどう考えるか?, 皮膚臨床 1998;40(6)特:988-92)
今日はもう一例、マコモ風呂を実際に実践している自由診療のクリニックが警告として取り上げている事例を紹介しておこうと思う。
批判者からだけでなく実践者からも同じように警告が出ていることを知れば、自覚無きロシアンルーレッターも少しは減るかもしれないので。
アトピー治療でステロイド離脱、マコモ入浴を自宅で行なう場合の注意 - ナチュラルクリニック21院長ブログ(cache)
※ステロイド離脱 マコモ入浴を自宅で行なう場合の注意
強いステロイド外用を長年使用した方がステロイド外用をやめると急激にアレルギー性の皮膚炎が悪化し、表皮剥離 滲出性変化が生じます。 強いそう痒で不眠 イライラも生じさらにアレルギーが悪化します。その際にマコモ風呂を始めると余計に炎症が強くなりコントロールができなくなる事があります。
また 皮膚炎を爪破する為 強いばい菌感染やヘルペスウイルス感染(カポジー水痘様発疹)が生じ、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群と呼ばれる重篤な状態に陥る事があり生命に関わってきます。
その際には速やかな医学的治療が必要になります。理解のある医師の下でステロイド離脱を行なった方が安心です。
まこも風呂を試す時は ステロイド外用をやめることができて皮膚が比較的安定した状態で行なってください。皮膚炎が悪化したらしばらく休んでください。
強調は原文ママ。
こういう警告文が出されるということが、どういう意味かは分かるよな?
実際にここで書かれているような結果になった患者が複数存在するということだ。
元エントリにはそうなった患者の写真も載っているが、なかなかに強烈だぞ。(グロ注意)
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