2007年3〜7月に「BioInformaticianを目指す人の為に」と題して、日本の主要バイオインフォマティクス企業や、バイオインフォマティクスを活かせる企業で働く事の厳しさなどについて記事をお書きになっていましたが、第2、第3世代のシークエンサーが発達していく中で、業界の動向の変化などはございますでしょうか?
もしよろしければ、分かる範囲でお答えいただけると助かります。
とコメントをもらいました。
確かに私が一連の記事を書いたのはもう3年近く前のことになるので、色々と状況は変わってきています。
そこで現在の周辺状況などについて書いてみます。
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まず最初にきちんと書いておかないといけないのは、バイオインフォ業界がここ数年かなり厳しい経営環境下に置かれていたということです。
これは基本的にどこの会社も例外無く、ここ数年で事業規模の縮小や配置転換を行った会社が多いです。
昨年度辺りがそのピークで、ここしばらくは人員の新規採用も見送ったところが多いんじゃないでしょうか。
私の部署も人数が半分に減りました。
次世代シーケンサーがらみの仕事が増えたことでようやく一息つけた感が強いですね。
今年はおそらく多少ではありますが、採用事情は良くなるはずです。
うちの会社も今年はバイオで一人取るかという話が出てくるようになりました。
ただ、このまま次世代シーケンサーがらみで国内バイオインフォ業界の景気が一気に回復するかと言うと、そういうわけにもいきません。
現在欧米や中国では猛烈な勢いで次世代シーケンサーの導入とデータ解析環境の構築が進んでいますが、国内の動きはまだ鈍く、様子見をしているところが多いからです。
別の記事でも書きましたが、次世代シーケンサーの急速な発達によりゲノム情報の蓄積は現在爆発的に伸びていますが、そのデータを利用するためのアプリケーションはまだ少ないです。
個人ゲノムは今年中に10万程度のコストで解読できるようになるでしょう。
そのデータを使って、ある個人がある病気にかかる確率は平均の何倍だ、という話もできるようにはなります。
しかしまだそういった情報の蓄積が少ないのと、その情報を利用するためのアプリケーションがありません。
ゲノム情報と医療情報を統合的に扱うための情報フォーマットがまだ無いと言った方がいいでしょうか。
医療の現場で遺伝子情報が利用されるような状況が現実になるには、「ゲノムなんてさっぱり」という医者でも遺伝子マーカーの情報を元に患者の健康リスクについて語れるようになるだけの洗練されたインターフェースと十分な情報の蓄積が必要であり、こういったものが出揃うにはまだしばらくかかるだろうというのが大方の予想です。
具体的には最低でもあと3、4年くらいでしょうか。
つまり、バイオインフォの仕事はまだしばらく研究者相手の状況が続くわけで、そのクライアントの動きが鈍い現状ではバイオインフォ業界も余り目立った動きは無いです。
状況が変わりうる可能性があるのは来年度以降ですね。
希望的観測混じりであるというお断りを付けた上での話になりますが、今年と来年で国内各所の大学、研究機関が様子見から行動に移り、数十台単位の次世代シーケンサーが一気に導入される可能性が高いです。
そうなれば周辺設備、解析ソフトウェアも含めて一気に設備更新の需要が生まれることになり、現在縮小傾向にある業界の人員リソースでは対処できなくなることが確実です。
バイオインフォマティシャンの新規採用の需要も増えること間違いなしなんですが、問題はそのタイミングがいつになるかなのです。
この先二年で大きく動くこと自体はまあ間違いないのですが、その山が今年に来るのか来年にずれ込むのか、大きさがどの程度まで大きくなるのかがまだハッキリしない。
そんなわけで今年の夏ごろまでは各社様子見になるのだろうなあというのが、個人的な予測です。
タグ:バイオインフォマティクス 就活
鳩山由起夫首相のツルの一声で、厚生労働省は瞑想や催眠療法といった民間医療に加え、チベット医学、ホメオパシーなど世界各国の伝統医学の保険適用や資格制度化をマジメに考え始めた。
何言ってるのこの人…
ヒュージョンエクセルペンダントの販売サイトが日本にできています。
fusionexcel.jp
そのサイトが実はユニセフ大使のアグネスチャンの[アグネス大学の運営者]と密接なかかわりがあるのではないかと一部で話題になっています。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9753298
2009年の記事に書き込んだら読んでもらえないかと思ってこの記事に書いてしまったことをお許しください。インチキ科学の防衛線としてこのサイトはすばらしいとおもってます。
ペンダントのデザインは英語版とかなり違ってるので、もしかしたら英語版のペンダントと日本語版のペンダントでは別の運営者かもしれません。
そのへんのことはよくわかりません。
情報ありがとうございます。
ですがエントリ内容と全く関係ないので、関連性のあるエントリに書き込んで下さるともっとありがたかったです。
>りっけると さん
情報ありがとうございます。
ですがエントリ内容と全く関係ないので(略
それはそうと、その関係性ですが、Youtubeの動画のアカウントで検索かけるとすぐに分かりますよ。
http://twitter.com/RCbinbian
>Name RCbinbian
>Location 東京都
>Web http://www.record...
>Bio Record China所属。 映像コンテンツ企画・制作やエンタメ系ビジネスを主に担当。
>アグネス・チャンさんのマネージャーさんと打ち合わせがてら池袋で食事。今、解散。アグネスさんは明後日からソマリア。留守中に宿題をしっかりやろう!
アグネス大学のコンテンツ企画or制作者と、
FusionExcelのコンテンツ制作者が両方とも
RecordChina の RCbinbian さんだったということでしょう。
ついでに
http://fusionexcel.jp
には404でアクセスできませんでした。
http://www.fusionexcel.jp/
ならつながったのでURLが変わったのでしょうかね。
このような記事にしていただき、大変嬉しく思います。
数年後は需要が増えるにしても、やはり今年度の就職活動は厳しいものになりそうですね(汗
実際に就職活動していても、専業でバイオインフォをやっていないところの人事の方は、バイオインフォについて良く知らないみたいです。当然かもしれませんが。
ただ、バイオインフォを仕事に生かしたいという気持ちが強いので、粘り強く頑張ってみます。
ご回答ありがとうございました。
>やはり今年度の就職活動は厳しいものになりそうですね(汗
ポスドクであれば、海外生活が苦にならないのであればという条件付きにはなりますが、欧米中で今結構仕事の口があるんですけどね。>バイオインフォ
国内の動向はまだしばらく活性化しなさそうですが、就活頑張ってください。