2010年01月09日

先日摘発されたルルドゲルマニウム社について

あけましておめでとうございます。
昨年はブログの更新にあまり時間を割けない時期が続いたのですが、今年は少しは状況を改善できそうです。
これからも幻影随想をよろしくお願いします。

さて、今年の最初の記事は、先日摘発されたエセ医療機器の業者について。
昨年あたりから行政と警察のニセ医療に対する摘発が何件も続いていることにみなさんはお気づきでしょうか。
これは被害がそれだけ看過しえない規模になってきたことの証左ではありますが、それでも死亡事故でも起こさない限り実質放置状態に近かったこれまでのことを考えると、大きな前進です。
未だ摘発を免れている業者は無数に存在するので、警察と国民生活センターには今後もこの調子で頑張ってほしいものです。

 
 
さて、今回摘発された業者はこれ。
温熱治療器「がんに効く」と無許可販売容疑 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 「ゲルマニウムががんに効く」などとうたい、医療機器を無許可で販売したとして、兵庫県警生活経済課などは6日、同県尼崎市の医療機器製造販売会社「ルルドゲルマニウム」実質経営者・田中好信容疑者(59)(兵庫県伊丹市)を薬事法違反(無許可製造販売)容疑で逮捕した。

 この医療機器を製造したとして、大阪市北区の同「プロテックフジ」社長・和田正記容疑者(55)(大阪府豊中市)も同法違反ほう助容疑で逮捕した。2人は「(国の許可が必要な)医療機器ではなく、健康器具だ」などと容疑を否認しているという。

 ル社はホームページで「腫瘍や脳梗塞にも効果的」などと宣伝し、約2年間で約40台(約5000万円)を売り上げていたという。

 捜査関係者によると、田中容疑者は2007年9〜11月、和田容疑者に依頼して、厚生労働大臣の許可を得ず温熱治療器「Geジェネワン」3台を約40万円で製造させ、同年12月〜09年1月、68〜34歳の男女3人に計345万円で販売した疑い。

 この治療器は、ゲルマニウムを患部に当てて、熱とマイナス電子を照射する仕組みといい、ル社は「疾患のがん細胞を死滅させ、細胞を正常にする」などと効果を説明していたという。

 国民生活センターは「現時点で、ゲルマニウムの治癒効果に科学的根拠は認められない。購入の際は、健康への効果を期待しないよう注意してほしい」と呼びかけている。


ルルドゲルマニウム株式会社のHPは既に削除されていますが、アーカイブには過去のHPがそっくり残っています。
ルルドゲルマニウム株式会社 - 有機ゲルマニウム(WebArchive)

この連中が行っていたのは、水商売系統の健康詐欺。
以前にもゲルマニウムブレスレットを販売していた別の会社が摘発された、「血液サラサラ」系統の連中です。
血液サラサラ詐欺についてはこちらを参照のこと。
血液サラサラ - Wikipedia
医師等の免許を持たない者が検査を行い、商品等を契約させる手口に注意!(報道発表資料)_国民生活センター
体に良いとうたうゲルマニウム使用のブレスレット(商品テスト結果)_国民生活センター
徒然な雑々記々: 「血液サラサラ」で実刑判決

水商売にとどまらず、利益率のより高い高額のインチキ機器を売り始めてとうとう摘発されたようです。
代表者である田中好信は、ディプロマ・ミル(学位商法)の学位やらニセ勲章やらを宣伝に使うタイプの業者で、2008年頃に私も一度名前を見た記憶があります。
調べなおしてみたら小島先生の所でも取り上げられてましたね。
徒然な雑々記々: PIU代替療法による健康推進学会
学歴汚染(ディプロマミル=Diploma Mill=学位称号販売機関による被害、弊害) : 学位商法と勲章ビジネス(2)

ゲルマニウムの販売代理店が顔写真付きでニセ勲章の授与式の様子を公開しているので、ついでに晒しておきますか。
http://www.sobido.shop-site.jp/topick/topick.htmウェブ魚拓
ここに出てくる「ザンテ聖デニス・ギリシャ・最高位グランド・クロス勲章」というのは勲章商法と呼ばれているもので、ハッタリの利きそうな名前の勲章を金で売り付けるという、学位商法やサムライ商法の親戚みたいなものです。

これも『徒然な雑々記々』さんが2007年の時点で既に捕捉し詳しく解説しているのでついでにリンク紹介しておきます。
徒然な雑々記々: ザンテ・聖デニス・ギリシャ勲章


過去に別のエントリでも触れたと思うのですが、ニセ科学商売を行っている連中、それも水商売系統の詐欺師連中は、高い確率でこの手のニセ学位、ニセ勲章をハッタリを利かすための看板に使っています。
幻影随想: 文部省がディプロマミル撲滅に重い腰を上げた模様


逆に言えばインチキ商品を見抜くための良い指標となるので覚えておいて損はありません。
Googleで検索してみると、それなりに引っ掛かって面白いですよ。
ザンテ聖デニス・ギリシャ・最高位グランド・クロス勲章 - Google 検索


◆関連記事
幻影随想: サギとマルチと疑似科学
幻影随想: 文部省がディプロマミル撲滅に重い腰を上げた模様
この記事へのコメント
  1. 田中好信は、ニセ博士でしたか。
    そういえば、昔、「学位売買事件」というのがあったなと、探したら、ここに載っていました。
    http://www.netlaw.co.jp/hanrei/ketsuekigatatoseikakuyouyakuinyou_101030.html
    長いので、「博士号売買事件」で検索してください。
    さすがに、ディプロマ・ミルほどひどくはなくて、提出した論文が落第しそうになったので、落とそうとする教授を地検に訴えたら、賄賂が常習的に使われていたことが判明したものです(ある意味、こっちの方が悪質かも)。
    その落とされそうになった論文というのが「血液型と性格」でして、・・・、80年間、日本人は、全然啓蒙されていない気がします。
    その騒ぎをなげいた、寺田寅彦は、「学位について」という、意見を表明しています。
    http://www.aozora.gr.jp/cards/000042/files/42696_18077.html
    > 学位に関するあらゆる不祥事を無くする唯一の方法は、惜しまず遠慮なく学位を授与することである。
    今は、毎年、2万人近くの博士が誕生していまして、私の身近にも、ウジャウジャいます。
    そんな時代になったので、「博士号の一つや二つ持ってないと・・・。」みたいな感じで、ディプロマ・ミルが増えるのでしょうね。
    さすがの寺田寅彦も、そこまでは、考え付かなかったでしょう。
  2. Posted by mimon at 2010年01月09日 22:02
  3. ルルドゲルマニウム
    まだやっているみたいですよ。

    http://www.jandt.co.jp/
  4. Posted by げるまにうむ at 2010年01月19日 09:39
  5. その後、どうなったのですか?
    起訴されたんですか?
  6. Posted by 匿名 at 2010年04月07日 04:16
  7. ルルド社の田中容疑者は起訴され、和田氏は無罪ですぐに釈放されました。
  8. Posted by 匿名 at 2011年02月09日 17:07
  9. 田中容疑者は製造者である和田氏も騙してたみたいですね。
    和田氏本人も癌の経験があったようで騙しやすかったのでしょう。
  10. Posted by 匿名 at 2011年07月25日 11:08
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