初見の人は以下のエントリから概要を把握してください。
・10分で分かる韓国の生命倫理問題 倫理問題に関するまとめ(問題の発端)
・韓国の生命倫理問題に関する急展開について データ捏造疑惑の発覚
・黄教授による論文データ捏造確定 データ捏造疑惑確定。細胞写真の重複について。
・DNAフィンガープリントを眺める 異様なまでのピークの一致を示すDNAフィンガープリント。
昨日一日妙に静かだとは思っていたが、まさかこういう展開が待っていようとは。
事態は常に想像の上を行く。
火曜から始まったニュースラッシュはもはやソウル大の検証などどうでも良いといわんばかりの動きだ。
それにしてもシャッテン教授は毎回臆面もなく逃げるよな。
責任著者じゃなかったのかよw
まあダメージを最小限にとどめる為にはそれが最良の選択なのだろうけど。
なんせ先週の一件で、このままでは黄教授もろとも奈落に引きずり込まれるところだったしね。
U.S. Scientist Withdraws Name From Hwang Paper
Schatten said he received documents last week from “someone” involved in the research that suggests results were fabricated. After carefully reviewing pictures and the data in the article in light of the new information, the geneticist said he began to have doubts over the accuracy of the paper. Schatten did not say whether the “someone” was Korean.
シャッテン教授、黄禹錫教授との共同著者から削除を要請 (日本語記事)
2chの検証を見ていた人、このブログを読んでくれた人にとっては既に先週の土曜のうちに出ている今更な結論なんだけど、遅まきながらシャッテン教授も気付いたのだろう。
彼のところなら傍観者にはわからないような情報も入ってくるはずだし。
彼の立場ではそりゃ逃げないとまずいわな。
<追記>
自分だけが逃げるのではなくちゃんと共著者とScienceにリトラクションの提案をしているので、
そのことは明記しておかなくてはならない。
シェトン, 違う 共著者 皆に 論文 撤回 提案 ピッツバーグ 大学, シェトン 博士が <サイエンス>に 送った 手紙 いきなり 公開
自分だけが逃げるのではなくちゃんと共著者とScienceにリトラクションの提案をしているので、
そのことは明記しておかなくてはならない。
シェトン, 違う 共著者 皆に 論文 撤回 提案 ピッツバーグ 大学, シェトン 博士が <サイエンス>に 送った 手紙 いきなり 公開
でも残念。
サイエンス "シェトン 論文 共著者 撤回 不可"
Scienceには撤回要求を蹴られてしまったようだ。
おそらく共著者の同意が得られなかったのだろう。
死なば諸共といったところか。
さて、ScienceとNatureは今後どう出るかな?
これで一気に事態が動き出す予感。
<追記>
Scienceの記事
・Korean University Will Investigate Cloning Paper -- Normile et al. 2005 (1213): 1 -- ScienceNOW
結局ファン教授は、ノーベル賞を期待する国家ぐるみのプレッシャーに負けたんだろうな…
以前は地道に業績を挙げているいい研究者だったはずなのに。
◆関連エントリ(Related Entries)
・10分で分かる韓国の生命倫理問題(Summary of South Korean Researcher's Bioethical violation.)
・韓国の生命倫理問題に関する急展開について(Bioethics scandal of South Korean Cloner Developed into the Suspicion of Fabrication.)
・黄教授による論文データ捏造確定(Looking into the Duplication of ES Cell Photos.)
・DNAフィンガープリントを眺める(Weird accordance of DNA finger print patterns.)
・シャッテン教授逃走。いよいよ事態は最終段階を迎えたか。(U.S. Scientist Withdraws Name From Hwang Paper)
>この状況下でソウル大学の検証チームの調査結果がシロだったらずっこけますよね。
ES細胞が出来たかどうかに関しては、当方の
専門外であることもあり判断は保留します。
しかし、写真とかDNAフィンガープリントに関して、
シロにしてしまうと、ソウル大学の研究機関と
しての姿勢が疑われ、韓国における科学研究に
打撃を与えかねない状況ですね。
果たして彼等にどこまでできるのか....
>果たして彼等にどこまでできるのか....
欧米の8人の専門家が黄教授のクローン検証を申し出たとの記事がニューヨークタイムスに出ていました。
データが捏造ならば、ソウル大学の検証グループは検証の結果、「完全には(ほんの少しだけ)クローンの同一性が確認できないところが確認されたので、論文はリトラクトする。詳細は黄教授の次の論文に」という結果にして、欧米の検証を受けない選択をするのではないでしょうか。そうすれば、捏造ではないと主張し続けることは出来ます。彼の論文は二度と欧米の一流紙に掲載されることは無いでしょうが。国内では悲劇の天才研究者、国際的には詐欺師という結末が見えています。
黄教授はもう入院しても、逃げることが出来ないところまで追い込まれているのはたしかです。
http://kuki1.stoo.com/news/html/000/441/447.html
幹細胞など無かった?
[ハンギョレ] ‘幹細胞’は なかった
個人的には培養に成功はしてると思っていたのですが。
「黄禹錫教授のヒト胚性幹細胞、存在しなかった」
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2005/12/15/20051215000076.html
韓国マスコミ・国民のプレッシャーが凄かったようだし
研究費調達のために無理しているかもしれないし
人間って、弱いから・・・・・
が、国益を楯に袋叩きにあったのには驚きました。賛否両論が、民主国家の健全なあり方だと思うのに、誰も”ひょっとして真実では”と思う向きが無かったとは、信じられません。それほど、韓国にとっては、科学分野でのノーベル賞が国民の悲願だったのでしょう。一番呆れたのが、ソウル大学の教授達が、内部告発者の言質があって、一般人が見てもほとんど捏造の可能性に軍配があがりそうだったのに、外部に検証を依頼すれば、国益である技術が漏れる、と本末転倒な心配をしていたことです。未だに、海外の科学者が
この今世紀最大の発見に嫉妬して、ファン教授を貶めようとしていると考えているネチズンもいます。MBCディレクターの勇気、恐怖を覚えながらも内部告発した部下、には、国益を棚上げしても、国際的な真正の科学国に韓国をしたいという潔さがあったのでしょう。