2009年01月18日

大槻先生、アポロ陰謀論ごときにあっさり引っ掛かるようでは困ります

昨年末に放送された「ビートたけしの禁断のスクープ大暴露!!超常現象[秘]Xファイル」でアポロ陰謀論が取り上げられたそうです。
私はテレビを見ない人間なのでこの番組も見ておらず、ゆえに言及も控えていたのですが、番組に関するあちこちのブログでの言及の中で一つ看過できない情報がありました。
大槻先生と「月の石」
大槻義彦先生についてはいろいろ思うところはあり、「ニセ科学批判のパイオニアとして偉大だが、頑固な科学者像を自演するところは見ていて気分がよくないし、批判対象に対して不勉強にすぎるケースが目立つ」というのが僕の基本的な評価です。僕も不勉強ですけど、レベルが違う(^^;

しかし、単に不勉強なだけではなく、明らかにまずい発言もあります。
その最たるものが「月の石」問題で、どうも以前から「アポロが持って帰ったと称する月の石は、地球の石ではないか」という発言を繰り返しておられるようです。昨日放映されたビートたけし司会の超常現象番組でも、同趣旨の発言をされていたようです。
アポロが月面に置いたレーザー反射板についても疑念を表明しておられ、要するに明確には言われないものの、アポロ月面着陸捏造説にかなり傾いているのかな、と思わせられます。

真意はわかりません。どうしたいのかもわかりません。
しかし、まずいことは間違いない。

アポロ陰謀論は私も以前から懸案事項の一つとして捉えていたものであり、このテレビでの発言が事実なら確かに問題だと感じました。
そして、これはもう看過することは出来ないレベルに達していると感じたのが、大槻氏のブログでの以下の記述です。

大槻義彦のページ ―大槻義彦公式ブログ― powered by ココログ: 1月 第5回 【読者の方からのメール】2009/01/18魚拓
月の石の研究成果は十分行われている、ということですが私はまったく違った考えを持っております。
年代測定は誤差が大きく決定的な結論は出せないでしょう。鉄、カリウムの含有量が少ないということですが、これもばらつきがあり決定的な証拠にはならないですね。この程度の研究ではあてにはなりません。
<中略>
東大の月の石の展示は2007年10月でした。しかもこれは東大物性研の展示ではありません。東大の『総合博物館』の展示でした。
私が、当の東大物性研では月の石の在り処も知らない、と発言した後のことでした。おかしな動きを感じます。

レーザー反射鏡のことですが、現在その反射鏡でレーザー反射実験ができないのはなぜでしょうか。また、やろうともしないのは何故でしょうか。

アポロ陰謀論は、数ある陰謀論の中でも最も稚拙な論の一つであり、
その主張は「ことごとく」証拠を元に反論されています。

無論のことながら月の石に関する話も木っ端微塵にされていますし、
月のレーザー反射器を使った実験も、一度しか行われていないどころか、現在でも世界各地で毎年行われているものです。
仮にも疑似科学批判を行おうという人間が、ろくに事実確認もせぬままに、この程度のちゃちな陰謀論に引っ掛かるようでは困るのですよ。
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2009年01月12日

科博の「菌類のふしぎ展」に行ってきました。

連休の最後に何とか時間を確保できたので、念願の菌類展に行ってきました。
特別展:菌類のふしぎ−きのことカビと仲間たち
最終日だからかかなりの人ごみでしたが、めいっぱいかもされて来ました。
満足満足。
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posted by 黒影 at 23:50 | Comment(3) | TrackBack(0) | サイエンストピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月11日

駆け出し研究者が科学のために立ち上がる方法のガイド

悪質なニセ科学の主張に遭遇して怒りを覚えるというのは、科学に関わるものであれば一度や二度は必ず遭遇するものである。
そういった情況に遭遇したときには、どのような行動を取ればよいのだろうか?
2007年、イギリスの若い科学者らがこの疑問に対し一つの答えを出した。
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2009年01月08日

2009年は「ダーウィン年」です。

今年2009年はダーウィンの生誕200年かつ、「種の起源」刊行150周年の記念すべき節目です。
既に昨年から各地でダーウィン展などの催しが行われていますが、今年はさらにボリュームアップ。
例えばイギリスではこんな感じの催し物が各地で行われていますし、日本でも色々とイベントが企画されています。
ダーウィン生誕200年祭 : VisitBritain
Darwin 200: Celebrating Charles Darwin's bicentenary
他にもダーウィンの全著作物をオンライン化するサイトが完成していたり
The Complete Work of Charles Darwin Online


「種は不変である」という当時の固定観念に風穴を開けたダーウィンの進化論。
よく誤解されているのですが、ダーウィンの「種の起源」は生物の弱肉強食を主張するものでもなければ、自然淘汰のみが進化の原動力だと主張する書でもありません。
種の起源どころか進化論の解説書すらろくに読むことなく、勘違いを元に「進化論批判」を行う素人が多いのは困ったものですが。

種の起源をちゃんと読めば、ダーウィンが非常に慎重に論証を積み重ねており、遺伝子関係の部分を除けば現在でも通用する部分が大半であることが分かります。
種の起源:On The Origin of Species
このページの書評なんかは詳細で一読の価値あり。
もちろんダーウィンオンラインで原書を読むのもお勧めです。続きを読む
posted by 黒影 at 06:07 | Comment(3) | TrackBack(0) | バイオトピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月02日

フュージョンエクセル社、スカラーエネルギーというキーワードにご用心

ニセ科学商売のことは、その商売を行っているものに直接聞くのが一番よい。
現在何が流行っているのかというリアルタイム性の面から、そして情報量的にも、ニセ科学商売の教祖のサイトなんかは格好の観測ポイントとなる。
ゆえに私に限らず疑似科学ウォッチャーには、こうしたサイトを定期的にチェックしているものが多い。

さて、先日江本勝のブログを読みに行ったら、こんな記事を見つけた。
水からの伝言 : マニラセミナーフュージョンエキセル社は、マレーシアに本部を持つ国際ネットワークシステム企業です。その商品がスカラーエネルギーを基本としたもので、いわゆる未知のエネルギーを商品化したものですから、私どもの結晶写真撮影技術に注目し、商品の撮影依頼などが過去にありました。
その結果、マニラ、バンコク、クアランプール、ジャカルタにおいて、そのディストリビューターを集めての大会が今回開かれることになったのです。

私のトンデモセンサーがびんびんに反応したため、FusionExcel社のサイトを訪問してみた。
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2009年01月01日

あけましておめでとうございます

旧年中は、当ブログをごひいき頂きどうもありがとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いします。
posted by 黒影 at 17:13 | Comment(1) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする