2008年09月24日

勘というのは、経験と理論に裏付けられた立派な才能である

地下に眠るMさんが面白げなネタを振っていたので反応してみる。
100%のガン探知とプレコックス感とにおいの科学 - 地下生活者の手遊び
化学的メッセージには多くの種類がある。あるものは時間をこえて作用し、先に行った個体に何かがおこったことをあとからくる個体に警告する。

中略

私はひじょうに多くの成功例をもつすぐれた臨床家である精神分析医と嗅覚的メッセージについて論じたとき、この臨床医が六フィートあるいはそれ以上遠くから患者の怒りのにおいを明瞭に識別できることを知った。精神分裂症患者を扱っている人は、この病気の患者が特有のにおいをもっていると昔からいっている。このような博物学的観察は一連の実験を生んだのであるが、その中でも、セント・ルイスの精神科医であるキャスリーン・スミス博士は、ネズミが容易に分裂症患者と非分裂症患者のにおいをかぎわけることを示した。化学的メッセージ・システムの強力な効果を考えてみれば、怖れとか、怒りとか、分裂症的な恐怖とかが、近くにいる人の内分泌系に直接に作用するのではないかともみられよう。案外そのようなことが実際におこっているかもしれない。

P73 第4章 空間の知覚-----遠距離受容器 目、耳、鼻 より

精神分裂症(統合失調症)における「特有のにおい」などといわれると、プレコックス感が連想されますにゃ。
私が研修医時代に教わった精神医学用語のうち、いちばん釈然としなかったのがこの言葉である。

 「プレコックス感」とは、1941年ごろにオランダのリュムケという精神科医が言い出した言葉であり、簡単に言えば分裂病の患者と面と向かったときに感じるなんとなくいやーな感じのこと。なぜそんなものに「プレコックス感」などという大仰な名前がついているのか、私にはさっぱりわからなかった。しかも、それが分裂病の診断に有用だときいて私はのけぞった。

 「なんとなくいやーな感じ」で分裂病を診断していいんかい、おい。

 二種類の精神医学事典で「プレコックス感」を引いてみたが、載っている説明はおそろしく歯切れが悪い。「分裂病者に相対したとき観察者のうちに起こる一種言いようのない特有な感情」(弘文堂)、「〈その感じ〉は言葉ではなんとも表現しがたく、表情のかたさ、冷たさ、態度のぎごちなさ、感情疎通性のなさ、奇妙な唐突さなどとともに〈分裂病らしさ〉として分裂病者の人格全般から直観的に把握される総合的な感じ」(講談社)だそうだが、両方とも「一種言いようのない」「言葉ではなんとも表現しがたく」とはなから定義をあきらめているし、〈分裂病らしさ〉なんてのはトートロジーもいいところ。そういや「プレコックス感」という言葉自体、もともとは「分裂病的な感じ」という意味だったっけ。

 なんでも言語化不可能な微妙な「感じ」らしいのだが、そんなもので診断されてはたまらないと思うのは私だけではあるまい。

http://homepage3.nifty.com/kazano/precox.html

ここに続く引用で、「サイコドクターあばれ旅」氏は「私は今まで百人を超える分裂病患者を診てきたが、「プレコックス感」がどんな感情なのか、いまだによくわからない。」と言っていますにゃ。でももしかして、このプレコックス感って患者の臭いなんじゃにゃーのか?

地下に眠るMさんは、以下がん検知犬の話につなげつつ、もしかしたらこの精神科医も「臭い」で患者を判別していたのではと続けるのだが、私はこの意見にはかなり懐疑的。

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posted by 黒影 at 03:22 | Comment(2) | TrackBack(2) | サイエンストピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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