2007年06月28日

無酸素状態で60日間生きられる魚

仮死状態で耐えるんだろうけど、卵(胚)の状態とはいえよく生きていられるな。
Killifish can survive without oxygen for 60 days - life - 27 June 2007 - New Scientist
How long can you hold your breath? For even highly trained humans, it's a few minutes, tops. Compare that with the killifish, which can survive without oxygen for more than 60 days, by far the longest of any vertebrate.

Annual killifish, Austrofundulus limnaeus, live in temporary ponds in arid regions of Venezuela. Their embryos ride out seasonal droughts buried in mud, where microbial action often uses up all the oxygen.

この一年生のメダカの一種、Austrofundulus limnaeusという魚は、ベネズエラの乾季には干上がってしまう池に生息している。この魚の卵は、乾季には干上がった池底の泥の中に埋まり、次の雨季が来るまで無酸素状態の中たくましく生き延びるらしい。
60日間無酸素状態においても半数の卵が孵るとか。
カブトエビみたいな魚だ。

脊椎動物でこれだけ無酸素状態に耐えられる動物は他におらず、次点の亀や金魚でも数日が精一杯。研究者らによると、このメダカの卵は嫌気代謝を非常にゆっくりと行っており、どうもこれが嫌気耐性の秘密らしい。現在はこの特性をもたらす遺伝子を特定中であり、メカニズム解明のあかつきには医療分野で様々な応用が期待できるそうだ。
posted by 黒影 at 23:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

遺伝子組換え作物の世代交代始まる

もう一年半ほど前になるのかな?
以前私はGMOに関してこんなことを書いたのですよ。
別に特別な事じゃなくて、バイオ業界にいるちょっと詳しい人なら誰でも知っているレベルの話ですけど。
幻影随想: GM作物の栽培に罰則を科そうとする北海道
今現在主流となっているGM作物は、第一世代のGMOです。
第一世代のGM作物は、病害虫耐性や除草剤耐性など、農家側のメリットを主とした改良品種です。
手間=コスト削減による価格競争力はありますが、作物の品質としては従来のものと変わりません。
そして現在研究が進められているのが第二世代のGM作物。
これは味や形をよくしたり、栄養価を高めたりといったような
食品の高付加価値化を進めたGM作物の発展形です。
これから先数年のうちに、第一世代のGM作物は第二世代のGM作物に取って代わられて行くことになります。


そしてここ一月ほどの間に出たニュース。
Yahoo!ニュース - 時事通信 - バラの香りのトマト=遺伝子組み換えで開発−イスラエル
 バラやレモンに似た香りのするトマトを遺伝子組み換え技術で開発したと、イスラエルの農業研究機関や米ミシガン大などの研究チームが25日、米科学誌ネイチャー・バイオテクノロジーの電子版に発表した。微生物への抵抗力も強くなるため、店頭での日持ちも良くなるかもしれないという。
 研究チームは、料理に使われるハーブ類、レモンバジルの「ゲラニオール」合成酵素遺伝子をトマトに組み込んだ。その結果、ゲラニオールからバラやレモンに似た香りのさまざまな物質が生み出された。ただ、健康に良い抗酸化作用がある赤い色素「リコピン」は減り、赤みが薄くなった。
 一般の37人に普通のトマトと比べてもらったところ、7割が食べた際の香りが強いと答え、6割がより好きだと回答したという。

asahi.com: 「ワクチン米」を開発 まずは対コレラ 東大医科研 - サイエンス
 東京大学医科学研究所の野地智法研究員、清野宏教授らのグループが、コレラワクチン入りの米を遺伝子組み換え技術で開発し、動物で効果を確認した。米科学アカデミー紀要電子版に今週発表する。冷蔵や注射を必要としない「次世代ワクチン」が米を利用して登場しそうだ。

 グループは、腸の粘膜からワクチンを吸収させて、免疫を獲得させる方法を探ってきた。

 今回、ワクチンとなるコレラ毒素の一部をつくる遺伝子をイネに組み込み、ワクチン入りの米をつくった。この米を粉末にして与えたマウスでは、コレラ毒素を与えても下痢になるなどの症状が出ず、ワクチン効果を確認できた。


大方の予想通り、順調にGMOの世代交代が進みつつあるわけで、
ブラインドテストを行ったら多数がそっちを選ぶ品質のGMOが出現しつつあります。
今はまだ試験段階ですが、そのうちさらに完成度を上げた次世代GMOが続々登場してくる事でしょう。

栽培に手間が要らず、おいしく、栄養価が高く、しかも安い次世代GMO作物が市場を席巻したとき、今のまま行くと米以外の穀物と野菜では日本の農業は海外に太刀打ちできなくなります。
だからそうなる前に対抗策を取っとけと日経バイオ辺りは盛んに警告してるんですが、こういう危機感って一般にはほとんど伝わっていないのが実情でして。
どうしたらいいんでしょうね?

アンチGMOな人達も、こんな風↓にピント外れの批判をして自己満足に浸っているだけでなく、もっと先を見ないと時代に取り残されるぞ〜
幻影随想: 毎日新聞がまたやってくれちゃっている件について
幻影随想: イリーナ博士東京公演レポート
posted by 黒影 at 02:05 | Comment(7) | TrackBack(1) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

実用間近のブレイン・マシン・デバイス

先週欧米方面で結構大きく取り上げられた日本発のニュース。
国内では昨年11月にニュースになっていたが、取り上げた記憶がないので紹介してみる。

Hitachi: Move the train with your brain - Yahoo! News
HATOYAMA, Japan - Forget the clicker: A new technology in Japan could let you control electronic devices without lifting a finger simply by reading brain activity.

The "brain-machine interface" developed by Hitachi Inc. analyzes slight changes in the brain's blood flow and translates brain motion into electric signals.

日立:脳波で電車模型を動かす
日本、鳩山の日立基礎研究所にて ― クリッカーのことは忘れよう
日本の新技術は、指を動かすことなく脳活動を読み取るだけで電子機器を制御する事を可能にした。

日立製作所が開発したブレイン・マシン・インターフェースは、脳内のわずかな血流の変化を読み取り、脳の動きを電気信号に変換する。


国内でこの手のインターフェースの研究をしているのは日立とホンダが中心で、今回紹介するのは日立の方。

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posted by 黒影 at 00:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | サイエンスニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月27日

マイナスイオン裁判

kikulog:「マイナスイオンウォーター、お茶大を訴える」の件
既報ですが、例のマイナスイオンウォーターの吉岡英介氏がお茶の水女子大を訴えました。
吉岡氏のサイトに書かれた文書↓
ttp://www.minusionwater.com/ochaacjp.htm
によると、「水商売ウォッチング」の掲示板に、「当社と吉岡英介個人の名誉を傷つける匿名の投稿がなされたため」「その記述の削除を求めて」だそうです。


吉岡氏の言う事には、場所は神戸地裁、7月17日に第一回公判だそうです。
とりあえず主張を引用しておきますね。
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2007年06月26日

生化学若い研究者の会 夏の学校2007

突然ですが、北大にいた頃私は「生化若手の会」というものの北海道支部に所属していました。
正式名称は「生化学若い研究者の会」と言って、
名前通り研究者の卵が集まって飲んだり勉強会を行ったりと楽しくやると言う趣旨の集まりです。
今も友人のT君を中心にまったりやっている事でしょう。


で、この生化若手の会ですが一応全国規模の組織でして、年に一回泊りがけの交流&勉強会を行ってます。
院にいた頃は行く機会が無かったのですが、今年は丁度休みが取れたので参加してみようかなと。
もしこのブログを読んでくれている人で「私も参加する」と言う人がいたら会場でお会いしましょう。


一応今週末まで参加申し込みを受け付けてます。
別に会員でなくても自由に参加できるので、よろしければ皆さんもどうぞ。
生化学若い研究者の会 - 2007夏の学校topページ
2007年 生命科学 夏の学校
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日時: 2007年 8 月 3 日(金)〜 5日(日)
会場: 国立女性教育会館(埼玉県・池袋駅から一時間強)
主催: 生化学若い研究者の会
後援: 日本生化学会、 科学技術振興機構
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posted by 黒影 at 00:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | バイオニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月23日

BioInformaticsの今後の方向性の一つとして

Bioinformaticsの市場は現在完全にバイオ研究市場に依存する形になっている。
今後の成長のためにはバイオ市場そのものが大きくなってパイの取り分が増える事を期待するか、バイオ研究がよりITに依存する形になっていくよう仕向けるか、あるいは自分で新たな市場を作っていくしかない。

自分達で市場を切り開いていく事を選択した場合、当然その最大のターゲットは一般人になるわけで、このニュースのネタは一般向けのバイオインフォマティクスソリューションの一つの方向性としてかなり有望だ。
DNA解析と家系図作成をセットにしている辺りよく分かってる。
日本でもどこかやらないかな?
ドラゴンとかなら人もハードもそろっているし簡単に出来そうなんだが。

ITmedia News:オンラインDNA鑑定で自分のルーツを追跡
オンライン家系情報サイトがDNA鑑定研究所と提携、ネットで自分のルーツが追跡可能になる。
2007年06月19日 09時08分 更新

 オンライン家系情報サイト「Ancestry.com」の親会社米Generations Networkは6月18日、DNA鑑定研究所米Sorenson Genomicsとの提携を発表した。これにより簡単なテスト結果をオンラインのデータベースと照合、自分のルーツが追跡できるようになる。

 Ancestry.comの登録ユーザーは1400万人を超え、過去12カ月で200万人以上の人々が同サイトで家系図を作成した。同サイトの保有するデータベースは2万4000以上。Sorenson Genomicsは2001年から系図学者に遺伝子鑑定ソリューションを提供、家系図作成を支援している。


◆関連記事
幻影随想: Genomic Era ―ゲノム情報の時代―
posted by 黒影 at 02:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | バイオインフォマティクス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

道徳の授業で水伝を取り上げる教師達

「気分さえよければ真実かどうかなど気にしないというのは、金さえ手に入れば汚い金でもかまわないというのと同じくらい倫理的にたちが悪い」
エドマンド・ウェイ・ティール


初等教育における水伝の問題はいつまでたっても続きますねえ。

via 水伝またきた :: 事象の地平線::---Event Horizon---
前野[いろもの物理学者]昌弘のページ:日記兼更新記録

冒頭の格言は、apjさんのところのコメント欄でSCさんが使われていたのを拝借しました。
何も考えずにフィーリングで行動するタイプのトンデモさんにはぴったりな言葉だと思います。
私も今度使ってみようかな。

千島学説とその信奉者達

「確信というものは、知識のあるところよりも、知識のないところから生まれることが多い。あれこれの問題は科学では決して解明できないだろうなどと自信ありげに断言するのは、知識のある人ではなくて、無知な人々なのである。」
チャールズ・ダーウィン『人間の由来』


一月ぶりにMixiに行ったら、行き着けの疑似科学コミュに千島学説のトピが立ってました。
名前だけは以前目にした事があったのですが、今回改めて主張に目を通してみたところ、ステキに香ばしいのでエントリを立ててみることに。
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2007年06月21日

バイオ リレーエッセイ

5号館のつぶやきさんのところでブログで「バイオ リレーエッセイ」なるものが行われている事を知った。
読んでみたら面白かったので現在までの分をまとめてリンクしてみる。
暇があれば私も参加してみたいねぇ。
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posted by 黒影 at 23:27 | Comment(3) | TrackBack(3) | バイオトピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

WiredVisionにトンデモネタが出て来て吹き出した

久しぶりに暇が出来たからとWiredVisionのニュースを読みに行ったら、
代替医療系のトンデモネタを取り上げていたので思わず吹き出した。
そうだった、WiredNewsは昔から医療系のニュースでたまにトンデモネタをマジメに取り上げる悪癖があるんだよ。
2年間のブランクでつい忘れていた。

WIRED VISION / 「魂のダウンロード」? 鍼医の治療に賛否両論(1)
WIRED VISION / 「魂のダウンロード」?鍼医の治療に賛否両論(2)


まあ内容は良くあるトンデモというか医療詐欺師の類なんだが。
次の下りには昼休みの職場であると言うことも忘れて大笑いするところだった。
沙氏はこう述べる。「『私たちは一体全体何を知っているのか!?』(What The Bleep Do We Know!?)という映画を見ただろうか? この映画には、江本勝という日本人が登場し、エネルギーを使って美しい水の結晶を作り出す。私は実際に心臓と肝臓の魂のソフトウェアを、サンフランシスコから日本の江本博士の研究所に送信した。それを証明する写真がある」

江本勝とのコラボを想像してワクワクしてしまう私は重度のトンデモ中毒に違いない。

翻訳した人が記事内容に何を思ったかが気になるところ。
私が翻訳者なら上にねじ込んででも没にさせるか、あるいは記事に訳注を入れまくって徹底的に叩くところだが?